心の中の東と西

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 最近、旧東ドイツ製品のデザインについて学びたいと思い、それに関する本を買った。そのことを、ふと旧西ドイツ人に話したら
「旧東ドイツデザインと言われていても、実は当時の旧西ドイツ製品をパクッたものが結構ある。それを『東はよかった』なんて言うのはとんでもない」
 ってな勢いで、急に激昂したのでびっくり。

 いやいや、別に東をすばらしいと思ってるんじゃなくて、単に古い製品を見たときに、東か西かを知りたいだけ。商品知識を得たいだけ、と言っても、どうも相手の気持ちは収まらないらしい。

 「東のものがよかったというのは、一種のプロパガンダ。今だって社会主義に戻った方がいいという人はいる」と言う。

 じゃあなんで旧東ドイツはなくなったの、それって、社会主義というシステムは無理だったのだと歴史が証明しているじゃないの、と私が言っても、「当時の社会主義の上層部が間違っていたのであって、社会主義そのものが劣っているのではないと主張する人がいる」と、怒りは収まらない様子。

 なーんか地雷踏んじゃったな〜、と思ったけど、こういう話題は興味深い。なぜこんなにも激しいリアクションが返ってきたのか。何か嫌な経験でもしているのか。

 そして、もし本気で社会主義を復興させたいと思っている人がいるのなら、話を聞いてみたい。なぜそう思うのか。社会主義下で暮らしたことはあるのか。

 ベルリンの壁が崩壊して、来年で20年。壁があったことすら知らない人だっている。でも、意識の中での東西の壁は、まだけっこう残っていると感じる。人々の意識の違いを感覚としてつかみたい。

コメント(2)

うん。それは私も興味深い。ドイツ人同士でもそのテーマでの話しはしているようだし。東西の壁はひとのこころに根強く残っているでしょうね。それぞれに異なる「教育を受けていた」なら考え方や、ものの受け取り方なども傾向として違いがあるだろうしね。「西の歯医者さんは金儲け主義しか居ない」といまだ思っている同年代も居る。あっ結構、旧東のひと言うよね「西=金儲け主義」って。そして、「東のころは甘いものがなかったので、特に歯医者は必要なかった……」と昔を懐かしんでいる気もする。日常のことで、会話にでてくる昔エピソードはすごく微笑ましい。とても身近なところで感じる歴史だけど。

おもしろいテーマだよね。
私の知っている数人の旧西ドイツ人は、
旧東ドイツ人は責任感がなくて、他人のせいにばかりするので、
一緒に仕事はしたくないと言う。

旧東の子は、統一後に、めずらしいフルーツとかが買えるようになったのが
うれしかったと話していた。
統一直後は、東の人が食品を買いだめしようとしたみたい。
もちろん、そんな必要性などなかったのだけど。

メンタリティーの形成は気候による要因が大きいと思うけど、
政治的要素も相当大きいよね。

歴史って、身近なところで感じると一気に興味が出てくる。

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