「これ」があっても、なくても

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 ここのところ毎回ボルハーゲンの話だけど、これで最後にするので。
 私は陶磁器に弱いけど、どちらかというと素朴な陶器よりも繊細な磁器が好き。
 連載でボルハーゲンを取り上げたのは、その作品を紹介したかったというのもあるけど、ボルハーゲンの人生が素晴らしいなあと思ったから。

 ボルハーゲンは若いときから「自分には陶芸だ」と思ったそうで、その生涯をただひたすら陶芸に費やしたという。朝から夜遅くまで、ずっと工房で作業していたというエピソードがある。生涯を終えるまでデザインを考え続けていたらしい。
 いつもブルーのギンガムチェックのスモックを着て、髪をひっつめたその姿は写真でしか見たことがないけど、とてもかっこいい。

 ボルハーゲンのように「自分にはこれ」というのがわかっている人生というのは、きっとしあわせだろうなと思う。
 でも、「これ」というものが見つからない人の方がきっと多いはず。

 私もそうだった。就職活動をしていたとき、自分には「これ」というものがないからとても苦しかった。このまま就職して、何となく人生が過ぎちゃうのかなあ、って。
 今も「これ」と呼べるものがあるのかわからないけど、好きなようにやってこられて、今こうしてボルハーゲンのことを書けたり、素敵な人やものを紹介できるんだから、しあわせなことだ。
 
 ボルハーゲンの人生はかっこいいと思うけど、みんながみんなそういう人生を目指す必要はないもんね。

twitter:@kubomaga

コメント(3)

ボルハーゲンという人の生き方、カッコいいし羨ましいなぁ。
私も出来ることなら「職人」になりたい(笑!)

クボタさんは、ベルリンという「これ」があってそれをどんどん仕事としてカタチにしていて、多くの人がステキだなぁって憧れてると思うよー。
これからも、クボタさんの発信すること楽しみにしてるね!

私も就職活動のときは、経済大学だしOLにしかなれないって思い込んでて、それでも服が好きだったから少しでも近くにって思ってアパレルに就職したよ。
それからも紙や花など「好き」かどうかだけで今に至ってるけど…^^;
途中から、気付いたり思い出してやりたいこと

りりあんさん、いつもありがとう。
そう、なんか就職活動の時って思い込んでたりするんだよね。
「就職するしかない」って。
私は、「世の中の多くの人が会社で働くのだから、大多数の人がするその経験を自分でもしておくべきだ」って思って就職したんだよ。
でも就職したから今の自分があるんだから、よかったと思ってる。

りりあんさんも、今の素敵な作品ができるのは、
きっとこれまでのいろんな経験が積み重なってきているからだよね。
私もりりあんさんの作品を、これからも楽しみにしています!
みなさんもお楽しみに。

就職のコメントをして思ったけど、
今の若い人は就職できたら万々歳なんだよね。
私はバブルの末期で(「使えないバブル世代」と会社でいわれる世代だ)、まだ就職はラクだった。
もっとも出版社は当時も狭き門だったので、
ほかの人が経験していたような、高級寿司屋の接待とか、旅行とか、
そんなおいしい思い(バカげてると言ったほうがいい)とは無縁だったけど。
でも私の世代は恵まれていたんだ。
そう思うと、今の若い世代の就職難をなんとかしたいと思うけど、
自分も余裕がないのに何ができるんだか。

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