今回の日本での感想まとめ

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 日本にいるうちに、今回の一時帰国の感想をまとめておこう。

・一時帰国直後
ドイツでさんざん心配されながら帰ってきたので、自分もビクビク。出発前に日本とは毎日連絡を取っていたから、それほど心配する必要などないとわかっていたはずだったのに、それでも東京の普通の生活ぶりにやや拍子抜け。

・余震
ドイツ生活でしばらく地震から遠ざかっていたため、震度2程度でびびりまくり。でも周りは無反応。
4月いっぱいぐらいまでは、体感できる震度2程度の余震は多かったけど、この2週間ぐらいはめっきり減った印象。
携帯電話に搭載されている地震警報は、1回だけ聞いた。初めて聞いたときはなんだかわからず、やはりびびりまくり。

・一体感を強制するように思える広告
「日本はひとつ、がんばろう」みたいな広告多し。
あまり好きになれない。「ひとつのわけがない」と思ってしまう。
東京の生活は、一部の公共スペースでの部分的節電などを除いては、ほとんど普通。
私だって、毎日電気をつけ、湯を沸かし、風呂に入っている。
そんな状況下で、今なお避難生活を続けている人の気持ちなど、心から理解できるわけがない。だからこそ、少しでも想像して、現地のことを考えたい。
「日本はひとつ」とか言われると、なんか全体主義みたい。「あなたも、わたしも、おんなじ」みたいな。それには違和感がある。
日本にいたって、状況はみんな違う。だからこそ、いたわり合うんじゃないのか。

・暗い照明
節電のため駅などの公共スペースでは、一部照明を消している。日本に来る前から「暗い、暗い」と聞いていたけど、暗く感じるのは事実。
東京は特に、お店とかのネオンサインを始め照明の数そのものが多いから、夜の景観は明るいのが基本。その照明が一部ついていなければ、暗く感じて当たり前じゃないかと思う。
ベルリンはネオンサインとかほとんどないから、東京と比べて常に暗い。でもそういう設計だから、暗くても寂しさや不安は感じない。むしろ落ち着く。

・既に半分過去の感覚
震災の1ヵ月後に帰国した私にとって、日本はようやくリアルな震災体験が聞ける場だった。
だから震災について、いろいろ話を聞きたかった。意気込んでいたと思う。
だけど、東京の人たちにとっては、既に過去になりつつあるような反応だった。みんな、もうさんざんそのテーマについては話したのだろうから、当然かもしれない。私にとっては多少残念だったが。現場の者と、外国にいた者との差だろう。

 ほかに何かあったっけ。とりあえず、この辺で。もうそろそろ寝たいし。

twitter:@kubomaga

コメント(5)

レポート、ありがとうございます。
海外在住者ならではの視点があって、「うんうん、なるほど」と思いました。
私は今は日本に帰れないんだけど、東京に帰ったら自分もきっとこんなふうに感じるんだろうな、という内容でした。

うちの実家は関西のほうなんですけど、関西だとまた違う雰囲気なんでしょうね。
「日本はひとつ、がんばろう」みたいな広告は、そういう意味で確かに違和感を引き起こしそうですね。
また、私もkubomagaさんも外国に外国人として住んでいるので、日本に外国人として住んでいる人が感じるかもしれない違和感を、どうしても想像してしまいますね。

でも一方で、これだけ大きなものが失われたときに、何か連帯できるものを示して、それにすがりたくなる気持ちもわかるだけに(というか、外国に住んでいる私もまたそんな風に感じる部分があります)、何とも複雑です。

みづさん、こんにちは。
関西は、これまたまったく違うと思うんですよ。
京都に旅行しましたが、震災などまるで関係ない風でしたからね。
被害がなかったんだから、当たり前だと思います。

今回の震災では、外国にいる日本人は精神的にしんどかったと思うんです。
日本にいるよりも、むしろ連帯感が強かったんじゃないですかね。
母国が危機に瀕しているのに、何もできないもどかしさ。
日本人としてのアイデンティティ。
いろんな感情が交じり合って、みづさんも私も
チャリティ活動に参加していたんじゃないかと思うんです。

私は全体主義が嫌いなんですよ。
子どもの頃から「連帯責任」というのも納得いかなかったし。
人はみんな一人ひとり違う。だからお互い認め合い、助け合う。
「みんな一緒」というのは、どうも嫌なんです。
だから「日本はひとつ」みたいなのが、どうもね、苦手で。

お帰りなさい!!シュパーゲルのおいしい季節になりました。
地震後、私の母と電話で話すと、電気が暗くてドイツみたい・・・とよく言っています。
あと、「テレビをつけると、毎日原発や避難所についてのニュースが朝から晩までやっていて、気分が暗くなる」と言っていました。
日本は農耕民族だから(だったから?)「日本は一つ」みたいな考え方になるのだと思います。ドイツだと??
どうなるのでしょうか??

お疲れ様でした。
お会い出来てとても嬉しかったです!益々ご活躍されてて、うん、私もやるぞっとエネルギーを頂きました

はなさん、こんにちは。
またベルリンの生活です。シュパーゲル、さっそく食べないと。
私もときどき考えるんですよ、もし今回のような大災害が
ドイツで起こったとしたら、ドイツ人はどう行動するか?って。

危機に直面した際の忍耐強さ、節制ある行動は、おそらく
日本人の方が断然上でしょうね。これに関しては、震災直後に
海外のメディアが驚嘆して伝えていましたもんね。
これこそが、日本人の長所だと思います。

でも、長所は別の面から見れば短所にもなります。
我慢強さも度を過ぎれば不条理を放置することになりますし、
他人にも同じ我慢を強いることにつながりがち。
それはよくないですよね。

ドイツ人は良くも悪くも超個人主義だから、各人が
主張し放題になりそうな気が。
とすれば、短期的には国がもっと混乱するかもしれないし、
長期的には各人が然るべき補償を受け取るかもしれないですね。


Karinさん、
慌ただしい中でしたが、お会いできてよかったです。
今度はBirgitさんの布も紹介したいと思ってるんですよ。

日本では、みんな実生活があるから、いつまでも
震災発生時のことを話していられないんでしょうね。
やっぱり外国にいた者とでは温度差があるのだと感じました。

ACの広告は、放送回数が多いというのも閉口する原因ですよね。
どんな広告も頻繁に流れたら嫌になっちゃいます。
その、「日本は強い国」というのは私は見ていませんが、
被害を受けた当事者にとっては、そんなこと言われたくないんじゃ
ないですかね。

震災後の現状を、敗戦後や関東大震災後と比較する人もいます。
ここで日本が変な道に進まないように、歴史を学ばないとなあと
思っています。「日本は強い、みんなひとつ」って、
冷静に考えるとちょっと恐いスローガンに思えますね。

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