この前の南ドイツ取材旅行では、ひょんなことから一般のお宅を見学させてもらえた。
たまにあるんだ、そういうことが。たまたま中から家の人が出てきて、私がカメラ持ってキョロキョロしていると、話しかけられたりするの。で、その成り行きで「家の中を見ていけば?」って。私はインテリアに興味があるし、お宅訪問大好きだから、もちろん喜んで見学させてもらう。
今回見せていただいた家は、もともと16世紀にできた木組みの家。当時は地位の高い人が住んでいたそうで、立派なものだったらしい。家具も立派なものが残っていた。
でも、現在住んでいる人が買い取ったときの家の写真を見せてもらったけど、ほとんど骨組みしか残っていない状態でボロボロだったのよ。
それを買い取って見事に修復したんだから、勇気もお金もあるってこと。一般の人にはなかなかできないことだと思う。
歴史ある家は、たいがい文化財保護に指定されているから、いろんな制約があって勝手な修復はできない。それでも、そんな家を買い取って直そうって人がいるんだから、やっぱり文化に対する理解があるってことなんだろう。
そういえば、以前ベルリンで取材した人も文化財保護に指定されているアパートに住んでいた。「いろいろ大変なのよ〜」といいながらも、なんかうれしそうだったのを覚えている。
一種の道楽なのかもしれないけど、こういう人たちがいるからこそ、古い民家も生き残れるんだな。
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