歴史のひとしずく

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 もしかして私、このテーマを既に書いたことがあるかもしれないけど(このクボマガブログ、もうすぐ10周年を迎えるの。私もすっかりもうろくして、記憶もおぼろに。許してください)、ここ数回で古いものについて触れてきたので書いてしまおう。

 ベルリンには、アルトバウと呼ばれる築100年前後の集合住宅が多い。多くはレンガでできていて、外壁は塗装されているのが一般的。
 外壁の塗装は100年も保たないから、一定期間が経つと塗り替えられる。

 そこで普通はすべてきれいに上塗りされるんだけど、注意深く見ていると、部分的に壁面の色が違っていて、擦れた文字が残っていることがある。「お菓子屋」「印刷所」......壁に書かれた文字は、その当時の看板だったわけ。

 これは外壁だけでなく、個人宅の室内の壁でも同じ。昔の壁紙部分をわざと部分的に残している家を、これまで何回か見てきた。それは『ベルリン、わたしの部屋づくり』でも紹介した。

 こういうのって、なんかいい。歴史が感じられるし、趣がある。すべてが新しいと、なんか味気なく思えてしまう。
 スクラップ&ビルドで、以前の面影をまったく思い出せなくなってしまうのはさびしいし、ひいては刹那主義につながるような気もするのよ。考え過ぎかもしれないけど。

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