2012年2月アーカイブ

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室内履きのつもりで買ったけど、外履きにしちゃおうか

 建築関係の本などでよく、日本の伝統的な建築物は縁側に見られるように内と外の境界線が曖昧であり、北部ヨーロッパの建築では壁によって内と外が隔てられている、という記述を見る。
 ベルリンに住んでいると、それがすごく実感できる。この壁の厚さを見ていると、建物が人間を守っていると感じる。

 でも、ベルリンでも見つけたんだ、内と外の曖昧な境界線を。そして日本では、その境界線は非常に厳しく区分けされていることを。

 それは足元。日本では、土足とそうでない部分は厳密に区別されている。玄関では靴を脱ぎ、土足では一歩たりとも室内には上がらない。そういえば中学校では「犬走り」なんていうものもあった。

 ドイツ人は、家では室内履きを履いている人が多い。でも家に玄関スペースはないから、どこで靴を脱ぎ室内履きに履き替えるかは、人それぞれ。
 それに家の人は室内履きでも、客人は通常は靴を履いたまま。一つ部屋の中で、片や室内履き(場合によっては靴下や素足)、片や靴という光景になる。
 客人は靴を履いたままで、当然トイレにも行く。トイレとバスルームは一緒のことが多いから、靴のままでバスマットの上を歩く人もいる。そこは素足で立つところなのに、と私はヒヤヒヤするけど、みんなあまり気にしていない様子。

 自分は日本人の感覚なので、撮影などで人の家に上がる場合は、靴を脱ぐべきかどうか聞いている。「脱がなくていいよ」という答えが多いけど、家の人が室内履きを履いているようなら、自分も靴を脱ぐことにしている。雨や雪の日なら、なおさらそう。

 この前うかがったお宅では、ちょっとした衝撃を受けた。家の人は室内履きで、私はいつものように靴下状態。話の成り行きで、同じアパートの別のフロアに行くことになった。
 当然私は靴を履こうとした。同じアパート内とはいえ、家の外に出るわけだから。
 そうしたら「靴を履く必要はないですよ、同じ建物内だから」と言われたのだ。
 え、でも玄関出たら外と同じ......。そりゃあ、アパートの階段は建物の中にあるから風雨にはさらされてないけど、みんなそこは土足で歩いているわけだし。
 と思ったものの、家の人は室内履きでさっさと玄関を出て階段へ。えーっ、と思いながらも私も階段へ。その足元は靴下。

 まあ、こっちの家に畳はないからね。畳があればその上に座ったり寝転んだりするわけだから、感覚も違ってくるかもしれない。
 もしそれでも曖昧な足元のままだとしたら......大らかな気持ちになれるかも?

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窓の景色を見ながらコーヒー飲みたいから、ここに椅子置く?

 最近、自宅新居の改装ばかりやっていて、仕事どうしたんだよオイって感じなんだけど。

 住みながら、あちこちを自分(と友人)で徐々に改装するなんて、日本では想像もつかなかった。でも、ベルリンでいろんなお宅を取材する中で、そういうエピソードを頻繁に聞き、いつしか自分も「住みながらの改装」が当たり前の感覚になっていた。

 電気・ガス・水道・暖房のライフラインが通って、炊事洗濯など基本的な生活ができるようになったら(この点、私は若干勇み足だった)入居は可能。
 最初は多少不便だけど、暮らしながら新居の環境と自分の生活スタイルが合うようにインテリアを整えていくのも悪くないと思う。

 そもそも、暮らしてみないとわからないことって、たくさんある。例えば、自分の起床時間にはこの場所に光が入るんだとか、こういう動線が多いとか、ここは音が気になるとか。
 スケルトン状態の物件を見て頭の中で家具の配置をイメージしても、実際に暮らしてみたらうまくいかないこともある。

 これは前にツイッターでつぶやいたことだけど、インテリアというのは室内を飾り立てることではなく、自分にとって心地よい空間を作ること。
 そのためには、自分の家での過ごし方、自分の好きなものを見つめ直す作業が必要。それがわかって、初めて自分にとっていいインテリアができ上がるんじゃないか。
 だから私は、おしゃれなインテリアじゃなくたって、住んでいる人が快適ならそれでいいと思う。

 必要最低限のものだけ揃えたら、新居でのスタイルがある程度見えてくるまで、ごくシンプルに暮らすのもいい。

 まあ、面倒くさくはあるけどね。え、ヒマだからできるんですよって? まあそう言われればそうなんだけど......だからベルリンが好きなのよ、そういう生活ができるから。

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質感が際立つ〜

 ベルリンのセコハン(ユーズド)ショップで見つけた60年代デンマーク製のスタンドライト。これまでのアパートでも、状況に応じて置く場所を変え活躍していたけど、新居も大活躍中。

 スタンドライト(明かりの向きが変えられるタイプ)やスポットライトは、絵や雑貨など見せたい物をライトアップさせるのにぴったり。
 部屋を直接照らさないから、くつろぎ感も損なわないし。本当に便利。消費電力が気になるなら、電球型蛍光灯にしてもいいし。

 新居では、私がひと目ぼれしたレンガの壁を照らすのに使っている。ライトで照らすとレンガの質感が一層感じられる。どうも私は質感が気になるようで、こういう古いゴツゴツした感じは大好き。

 部屋をいい感じに見せてくれて、いろいろ楽しめるスタンドライト、おすすめ。

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左側の白い3点がそれ

 不定期で続けている「新居インテリアシリーズ」。
 新居だからすぐ終わるんじゃないの?と思われるかもしれないけど、いやいや、これが続くのよ、ずっと先まで。整えなきゃいけないところは、とにかくた〜っくさんあるんだから。

 このアパートに暮らして1ヵ月。最も日当たりが良く、暖かい場所はキッチンだということがわかった。

 この気持ちのいいキッチンで物を書きたいなぁ。

 幸い、以前に比べてキッチンも広くなり、小さなテーブルと椅子なら置けそう。なら、このスペースにぴったりのテーブルを見つけて、ここで仕事をしよう。食事もここでできる。

 そうと決まればテーブル探し。
 古いものが好きな自分の趣味と予算を考えると、家具店に行く気は端からなかった。家具店には私のほしい家具はほとんどない。狙いはセコハン(ユーズド)ショップと蚤の市。

 ベルリンにはセコハンショップがたくさんある。ノーネームのお手ごろな商品を扱う店から、高価なデザイナーズユーズド物まで種類はいろいろ。
 蚤の市にある商品は値段が手頃なのが魅力。毎週出店しているプロの人もいる。

 そして日曜日。私がほぼ毎週チェックしている蚤の市の出店者ブースを覗いてみると、片隅にさりげなく白い丸テーブルと椅子が置かれている。

 これはまさに、うちのキッチンにどうぞと言わんばかりのたたずまい。
 近頃私はメジャーを携帯しているので、さっそく大きさチェック。ばっちり。たぶん持ち主が塗ったと思われる白い色もかわいい。

「ここにあるテーブルと椅子とスツール、全部買うから負けてよ」というお得意の「数買う戦略」で負けてもらって購入決定。
 自分で持ち帰るのはどう考えても無理なので、別途料金を払って後日配送してもらうことに。プロの出店者で家具を売っている人なら、こんなふうに配送してくれることもある。

 そしてやって来た、白い丸テーブルと椅子とスツール。さっそくキッチンに......と思ったけど、まだキッチンの扉が完成していなくて工具だらけ。その作業が終わるまで、とりあえずリビングに置くことにした。

 で、とりあえず置いたわりには、それなりにハマってる感がある。なんかちょっとカフェっぽい。うーん、8〜9年ぶりぐらいに「1日おうちカフェ」イベントも開けるかもしれないなあ。

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今日はどんな物に出合えるかな

 私が持っている家具は、蚤の市かセコハン(中古)ショップで買ったか、人からのもらいもの。高価な物は何一つないし、デザイナーズ家具もない。
 でも、どれも私が少ない有り金の中から厳選して買ったもので、気に入っている。

 私自身がそういう趣味のせいか、インテリアの本のためにロケハンしているときも、心惹かれるのは古い家具を上手にミックスした部屋が多い。

 いろんな人と話していて、ベルリンにはドイツのほかの都市に比べて、蚤の市やセコハンショップ好きが多い、という結論になった。
 そのせいか、ベルリンでは蚤の市が10箇所以上もあるそうなのに、わりとお値段が高めのことがあると言われている。
 もちろん日本で買うことを考えたらとても安いのだけど、ドイツの中小都市では有名なコレクターズアイテムとかも超激安で買えることがあるらしい。
 そういう所では、古い物(アンティークではなく、いわゆるブロカントと呼ばれる類の物)に誰も価値を見いだしていないということになる。新しくて、モダンな物が好きな人が優勢なのかもしれない。

 だから掘り出し物を探すのなら、ベルリン郊外や中小都市の蚤の市へ行ったらいいと言われるけど、それには車が必要だし、必ずしも掘り出し物が見つかるとも限らないし。まあ、いつか機会があれば。
 当面のところ、私は日曜午後にちんたら出かけて、気に入った物を探すパターンだろうな。

 たとえベルリンにはブロカント大好きな人が大勢いて、そういう意味でライバルが多いとしても、価値が似た人がいるのはうれしい。だからベルリンは私にとって住みやすいのね、きっと。

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この日をどれだけ待ったことか

 もう、どれだけこの日を待ったことか......。
 転居による電話回線移動の申請をしてから待つこと4週間、ついに新居に電話回線が開通した。

 電話回線っていうのは、水道、ガス、電気と並ぶライフラインだ。携帯電話があるから、別に固定電話はなくても困らないけど、ネットが使えないのは本当に困る。いちいちネットカフェに行ってなんかいられないし、夜も仕事をするし。

 これまでは他人宅の微弱電波を拾って(了承済み)なんとかやりすごしていたけど、動画は見づらかったし、遅くて見られなかったこともある。

 たかだか回線を移動するのに、なんでこんなに時間がかかるのか全く理解できないけど、誰もが似たような体験をして電話会社に悪態をついているので、これがドイツスタンダードということなんだろう。

 電話会社への転居届けにも「少なくとも4〜6週間前に通知すること」と書いてある。そんなとき、まだ引っ越しの話すら具体化してなかったのに。
 私みたいに急に引っ越した人は、こうして不便な思いをしながらひたすら待つしかないんだろう。日本はこういう場合、何日ぐらいで回線が来るのだろう。

 まあ、4週間で来たのならマシな方という話もある。場合によってはもっと待つこともあるようだし、うまくつながらないこともあるらしい。

 そう、本当にちゃんとつながるかどうかも、非常に心配だった。
 電話会社の人が指定の日に来て(しかも事前に来た手紙では「○月○日の8〜16時までの間に技術者が行きます」と平気で書いてある。要するに1日中家で待機していろ、ってこと)、ちょちょっと作業をした後、「終わりました。今はまだ不通ですが遅くとも16時半までにはつながります」と言い残して、サッと帰ってしまった。

 もしこれで16時半になってもつながらなかったら、また電話会社に連絡しないといけないのかなあと、半ばブルーになりながら待っていた。
 ドイツでは、本当にOKという状態になるまで、何ひとつ安心できない。ここで暮らしているうちに、そういう心構えになった。
 でも幸い、待っているうちに電話線が開通していた。パソコン側の再設定などもしないで済んだ。

 無線LANが使えるようになったから、日中は日当たりのいいキッチンで仕事をしたい。キッチンに置く小さな食卓と椅子を探してこよう。と、インテリア計画は次の段階へ。

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デジタル版もあります!

 現在発売中の月刊『cafe-sweets』vol.132で、「日本人オーナーの店が続々オープン! ベルリンカフェ事情」のコーナーを取材・執筆させていただきました。
 この数年で、日本人オーナーのカフェがトントントン......と立て続けにオープンしました。記事にも書きましたが、30代の若い日本人がベルリンに住んで一定期間が過ぎたのが大きいといえます。

 個人的な感覚では、2000年前後からベルリンに住み始めた人が多いような気がします。ワーキングホリデー制度ができたことと、90年に東西ドイツが統一されて、そこからベルリンが大きく変化したことが大きな要因だと思います。

 ベルリンは、ドイツ統一後から常に変わり続けているので、この現象はドイツでもベルリン特有のものかもしれません。何せ半分は社会主義の東ドイツだったのが、急に西と一緒になって資本主義になってしまったのですから。ドイツのほかの大都市では、こういう背景はありません。

 個人がカフェを出せるくらい家賃も手頃で、日本人カフェが受け入れられるのも、ベルリンならではの要素といえるでしょう。
 家賃や物価が安いのは、町の半分が旧東ドイツだったことが影響しています。だからこそ、世界から多様な人々が集まってきて、日本人カフェが出店できるベースができたのです。

 折に触れ「ベルリンはドイツではない」「ベルリンはドイツの中の外国」と書いていますが、この町特有の歴史が現在の状況を作り出しています。
 そういう意味で、ベルリンは唯一無二の町です。既に出来上がった町とは違う、常に変わり続ける魅力がベルリンにはあります。「自分も何かできる」と思えてくるのです。

 さて、では具体的に、ベルリンでどんな人がどんなカフェをオープンしているのかについては......ぜひcafe-sweets vol.132をご覧くださいませ!
 掲載カフェのうち、すでに「まめちゃ」「アウト・オブ・ニッポン」の各オーナーさんのブログ(日本語)で、今号をご紹介していただいています。

 そして、この号では1年に渡って連載させていただいた「ベルリン カフェのインテリア」もついに最終回です。今号では、建物の歴史を生かした、素敵でまったりしたベルリンらしいカフェをご紹介しています。

 全国の書店で、またはデジタル版で、ぜひご覧ください。

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洗面台も棚も好みじゃないんだよな......

「新居インテリアシリーズ」と今この瞬間に勝手に名付けた、一連の引っ越し&新居づくりのレポート。未だに基本的生活をできるように整えている段階で、インテリアに着手するのはいつになることやら......。

 この前は、バスルームの洗面台を付け替えた。これまであったのは、おそらく前の住人が自分でつけたと思われる円形のもの。それが、やはり手作りの棚の上に乗っかっていた。
 洗面台自体はモダンなデザインで別に悪くないんだけど、私の好みではないし、水栓の高さと洗面台が全然合ってなくて使いづらいことこの上なかった。
 使うたびにイラッとするのはよくない。自分の好みではないものが、自宅にデーンとあるのも嫌だ。

 だから撤去することにした。
 本来この住まいに付いていたであろう洗面台が私の地下室(ベルリンのほとんどの賃貸住宅には、個別に地下室がついている)に眠っていたので、それを再びよみがえらせることにしたのだ。

 付け替えの段取りは、2段階で。
 第1段階は、モダンな円形洗面台をとりはずし、その下の棚をぶち壊す。
 第2段階で、そこに元々の洗面台を取り付ける。

 私は大工仕事がほぼできないので、第1段階では大家さん親子が円形洗面台と棚を完全撤去。棚の表面にはモザイクタイルが貼ってあったけど、素材は板だったので、金槌で派手に叩いて文字通りぶっ壊した。
 そして第2段階では、専門家が来て本来の洗面台を取り付けてくれた。

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派手にぶっ壊す

 合計で正味1時間程度。ごくごく普通の洗面台になった。
 私は、主張しすぎるプロダクトデザインは好きじゃない。ごく普通で、使いやすいものが好き。
 これでまたひとつ、基本的生活への環境が整った。
(このシリーズ不定期で続く)

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この写真はちょうど2年前。でも今年も凍ってるだろうな

「今年は暖冬〜」と余裕をかましていたら、気づけば−10℃超えになっているじゃないの。一昨年、昨年と寒波&ドカ雪の年が続いて、−10℃でもそれほど驚かないけど、やっぱり冷える。

 こうなると、気になるのがガス代。前の家ではガスを使うのはコンロ&オーブンだけだったけど、新居ではコンロ&オーブン、暖房、お湯はすべてガスから来る。
 ガス暖房はお金がかかると、いろんな人から聞いている。うちの暖房は一定の時間帯に一定の温度になるように設定されているんだけど、それでも寒ければ上げることもできる。

 ここまで外気が下がると、この設定では寒すぎてたまらない。室内にいるのにセーター2枚、タイツ、ハイソックス、レッグウォーマー重ね履き、挙げ句の果てにマフラーも......って、外にいるんだか中にいるんだかわからないような格好をしてるのにまだ寒い。

 これはもう、思い切って暖房を強くするしかない。でもそうすると、今度は室内にあるガスメーターがカッチカチ上がっていくわけよ。その音と共にガス代もかさんでいくわけよ。

 いくら請求が来るのかわからない恐怖に駆られ、思わず暖房を切って寒い部屋で寝たものの、ふと「こんなに寒い部屋で寝ていたら、体温が低下してもしかしてそのまま永遠に目覚めないかも」という考えが浮かんだ。あり得るかも、この寒さなら。

 ガス代ケチって死ぬなんて、あまりにもバカすぎる。最低限の温度にはしよう。と、暖房の目盛りを上げた途端に、またメーターがカッチカチ......。

2016年10月

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