2013年3月アーカイブ

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いいよね

 なんか団地って、いい。いつ頃からか覚えていないけど、風情のある建物を見ると異様にテンションが上がる。
 団地は、そういう建物のうちのひとつ。

 実家の近くに、団地と都営住宅がある。特に都営住宅の方は(確か)平屋建てで、各棟の前に庭があってとてもよかった。でも、どちらも現在は取り壊されて、すっかりきれいになってしまったらしい。

 そして阿佐ヶ谷住宅。私は全然知らなかったのだけど、老朽化のために建て直されることになり、既に住人たちは一時的に退去していて5月には取り壊されてしまうらしい。
 だから見に行ってきた。

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住宅の給水塔。こういう塔もめちゃくちゃ好き

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前川國男設計のテラスハウス。この数字がいいよね

 自分は一度も団地に住んだことがないのに、なんだろうね、この郷愁は。すごく懐かしい気持ちになる。
 外壁に描かれた棟を示す番号とか、庭の植木とかブランコとか、すべてがいい。

 これを見て思いだしたのが、ドイツ・デッサウ(の南部に位置するTörten テルテン)にあるバウハウス建築のグロピウス団地

 実は数年前に、このテルテンの団地の前をカメラを持ってフラフラしていたら、たまたま中から出てきたおじさんが「中を見ていく?」って入れてくれたんだよね。

 もちろん遠慮なく入らせていただくと、裏には各戸に庭があって、部屋はコンパクト。日本の公団住宅を彷彿とさせる。と思っていたら、阿佐ヶ谷住宅を設計した建築家・前川國男はモダニズム建築の旗手と言われていたそうで、似ているのも当然と腑に落ちた。

 阿佐ヶ谷住宅には、庭付き2階建てのテラスハウスと3〜4階建ての典型的な団地があって、前川國男が設計したのはテラスハウスの方。やっぱり、そっちのほうが風情がある。

 衝動を抑えきれず写真を撮りまくっていたら、犬の散歩中らしきおじさんから「ここが取り壊されるというニュースはけっこう広まっているんですか」と声をかけられた。

 その方は近所にお住まいらしく、ここが分譲住宅であったこと、それまで約300戸あった住宅は建て直し後は約600戸になり、その差額でこれまで住んでいた方は多額の資金がなくても再入居できるプランであることなどを聞いた。でもお歳の住人の中には、もう戻ってこない方もいるとか。

「中央広場では住民の運動会も行われていたんですよ」と聞き、行ってみる。
 ほかの住宅前にはロープが張られ立ち入り禁止になっていたけれど、中央広場だけはお花見のためにと今月いっぱいは入れるようになっていた。なんと粋な計らい。

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3階建てのいわゆる団地タイプ

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中央広場。正真正銘、最後のお花見

 東京の桜は、たぶん今週末が見納めでしょ。
 桜と共に、この古くてモダンな団地も見納めに阿佐ヶ谷に行くのもいいかもね。

 ところで、この阿佐ヶ谷住宅の一件を知ったのは、妹が見に行ったのを知ったから。
 私たち姉妹、そんなに似ていないと思っていたのだけど、二人とも建物好きで塔も好き。やっぱり姉妹なんだなと妙に感心した。

 最後に、素人の質問。
 西洋の建築は数百年は保つのに、どうして日本の建築は100年も経たないうちに壊されてしまうんでしょう。
 耐震基準を満たしていないというのならわかるけど、老朽化? そんなにすぐにダメになってしまうような建材なの? どなたかご存じでしたら教えてください。

 本当に最後に。阿佐ヶ谷住宅のことをもっと知りたくなって、 この本『奇跡の団地 阿佐ヶ谷住宅』を買いました。
 これを読んだら、私の疑問も解消するのかな。

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月〜金までしっかり勉強できます

 この春から新連載が始まりました! NHKラジオ講座テキスト『まいにちドイツ語』の巻頭カラーページで「ドイツのgemütlichな暮らし」を書いていきます!

 gemütlich(ゲミュートリヒ)とは、ドイツ語で「居心地のいい」という意味。
 ドイツには、ゲミュートリヒな場所が出来事がたくさんあります。それは、物質的な豊かさとはまったく異なります。
 私がずっとベルリンを離れたくないのも、そこがゲミュートリヒだからなんでしょうね。
 私が考えるgemütlichな暮らしを、1年間に渡りご紹介していきます。

 第1回のテーマは「クラインガルテン」。ドイツ版市民農園です。
 私自身はクラインガルテンを借りてはいませんが、クラインガルテンを散歩するのは大好き。友人のガルテンにお邪魔することもあります。とっても気持ちがいいんです。

 ラジオドイツ語講座はレベルが高く、私もテキストを読んでいてとても勉強になります。講座スタートは4月1日から。
 テキスト(電子版もあります)やCDは、ネットからもご購入できます。こちらをご覧ください。

 これから毎月、みなさんとgemütlichな世界に浸りたいと思います。
 どうかよろしくお願いします。

花見で幕開け

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花見の光景をドイツ人に見せたいといつも思う

 日本に戻りました。
 今日はいきなり花見です。

 飛行機のチケットを取ったときは、まさかこんなに早くに桜が咲くとは想像だにしていませんでした。ちょうど見頃のときに帰ってこられてラッキーです。

 日本に着いてまず思ったのは「まぶしい」ということ。
 暗いベルリンにいたので、そんな経験は本当に久しぶり。これからひと月とちょっとの間、日差しをたっぷり浴びようと思います。

明日は日本へ

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もうすぐイースターだよね、クリスマスじゃないよね

 これから寝て、目が覚めたら日本へ向けて出発します。
 
 私は一時帰国時にはいつも同じことを書いていると思うんだけど、出発前はベルリンを発つのがとても寂しい。たとえ約一月後には戻ってくることがわかっていても、ここを去るのが寂しいです。

 でも日本には家族や友人がいる。一定期間日本にいると「もうこのまま日本でもいいかな」と思えてくるのも知っている。
 移動の前はいつも複雑です。 

 みなさんとは、4月に会えることを楽しみにしています。
 4月6日(土)・7日(日)に、第5回「トウキョウ‐ベルリン雑貨店」を東京・西荻窪で開きます。
 詳しくはこちらをご覧ください。

 では、雪のベルリンから、桜の東京へ。

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壁紙に合わせてランプシェードも藤色に。今度はランプの脚を白くしたい

 久々の「新居インテリア」シリーズ。私が今のアパートに入居してからコツコツと内装に手を加えている内容を紹介するシリーズです。
 これをまとめてご覧いただくには、右側にある「検索」の欄に「新居インテリア」と入力してボタンを押してください。一連の記事が出てきます。

 入居以来ずっと夢見ていたことのひとつが、寝室に壁紙を貼ること。私の寝室は天井、壁、床すべてが真っ白で、質感のせいもあり、すごく冷たい印象だった。

 寝室では、ゆったりと穏やかな気持ちになりたい。だから派手な色・柄は使いたくなかったけど、どこも真っ白では冷たすぎる。
 もっと静かで、でも温かい雰囲気にしたかった。

 だから、壁紙を貼りたいと思っていた。

 貼る壁紙は、私の中では決まっていた。私の大好きなシルクスクリーン作家のビルギットさんの壁紙

 ビルギットさんの作品は、1枚1枚すべて手刷り。繊細で温かくて、とても存在感がある。私は作品を一目見たときから、その世界に引き込まれていた。ビルギットさんの壁紙を寝室に貼ったら、自分のイメージ通りになるだろうと思っていた。
 迷いはなかった。

 入居して1年以上経ち、他の部屋が徐々に整ってきたので、いよいよ寝室に手を付けることにした。

 壁紙を貼るのは初めて。共著『ウォールペーパー・インテリアレッスン』(グラフィック社)で、壁紙貼りのプロセスを取材したことはあるけど、自分では貼ったことがなかった。

 もし自分で貼ったら、私の書く原稿にもっと説得力が出るんじゃないか。経験したからこそわかる視点が備わるはずだ、という思いもあった。
 海外インテリアの本はたくさんある。写真を眺めるならどの本も素敵。それに加えて、自分は説得力のある原稿を書きたい。だから自分でも経験したかった。
 それも、壁紙を貼りたかった一つの理由。

 果たして実践してみると、見るのとやるのでは大違い。

 私の寝室は塗り壁になっていて、表面に凹凸がある。壁紙の下地はフラットな状態が理想。でも、自分で平らに塗るのは至難の業。

 だから、下地用の白い壁紙を貼ることにした。
 ところがこれが大問題。糊を塗った壁面に壁紙を貼ったところ、紙が湿って表面がウネウネに波打ってしまった。

 大丈夫なの、これ? と心配になり、数枚貼っただけで様子見。
 幸い翌日には乾燥して、うねりも取れた。

 安心して残りも貼ったら、今度は乾燥してもしわになって取れない。失敗。がっかりした。仕方なく剥離剤を使って、下地壁紙をはがした。
 そんなわけで、大幅に時間がかかってしまった。

 なんとか下地を終え、いよいよビルギットさんの壁紙を貼ることになったのは作業開始後数日経ってから。

 ビルギットさんの壁紙はフリース製で、紙製の下地壁紙より貼りやすかった。
 それでも貼った直後にはうねりが出てしまい、祈るような気持ちで窓を全開にして乾燥させた。
 だって失敗できないもの、余分がないんだから。壁紙は受注制作だから、失敗して足りなくなったら、また依頼しなくてはならない。

 私がDIY師匠と呼ばせてもらっている友人の助けを借りながら、なんとか最後の1枚を貼り終え(それは彼女の手による物だけど)、それが乾いてきれいな状態になったのを見た時は、心底うれしかった。

 夜になり、寝室の壁紙をぼーっと見ていた。静かで温かな部屋。自然に笑みがこぼれてきた。
 
 壁紙を貼ったら、こんなにしあわせな気持ちになれる。しかも自分でやったからすごく思い入れがある。
 毎朝、毎晩、しあわせな気持ちで過ごせて本当にうれしい。

 インテリアは、人をしあわせにする。

 この壁紙貼りの様子は、プロセス写真付きで5月発売の『PLUS1 LIVING プラスワンリビング』(主婦の友社)の連載「ベルリン暮らしのプラスワンDIY」にて詳しくご紹介します。
 ここに書いていないことも書きますので、どうかご覧ください。
 発売時には、またお知らせします。待っていてください。
 

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向かい側は海

 先週末ハンブルクへ出張に行っていたので、忘れないうちにその話を。

 出張先では自由時間などないも同然だけど、自分が頑張って早起きすれば早朝は時間が取れるもの。
 私にとっては、ほとんど不可能のことのように思えるけど、せっかくハンブルクまで来たのでちょっとでも観光したかったのよ。

 折しも最終滞在日は日曜日。日曜日のハンブルクといえば、港で開かれるフィッシュマルクト(魚市場)。旅先だから生魚を買う気はないけど、このマルクトは観光スポットとしても有名なので一度行ってみたかった。

 市場といっても、普通の人が普通に買える。港にお店がいくつも並んでいて、あちこち見比べながら買うわけよ。生魚も燻製もある。野菜も売っていた。

 市場というのはどこの国でも似ているようで、あるお店のおじさんは魚をいくつも手に取りながら、「これと、これと、これも付けて全部で10ユーロ! どう、10ユーロ!」と叫んでいる。
 一度にそんなにたくさん買ってもねぇ......と、買うつもりもないのに心の中でつぶやきながら冷やかして回る。

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「これも付けるよ!」

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カモメは魚の店の上だけ飛んでいて、野菜の方にはいなかった

 この日は寒くてね〜。風も強くて長時間外にいると、まさに凍てつきそう。

 そこで、市場にあるFischauktionshalle(フィッシュアウクツィオーンスハレ=フィッシュオークションホール)という、レンガ造りの重厚な建物へ避難。
 実は、この建物内で開かれている、日曜早朝ライブが有名。誰もが知っているスタンダードなロックをバンドが演奏している(たまに地元の歌とかを挟んでいたのがご愛敬)。

 「スモーク オン ザ ウォーーターー ダッダッダー ダッダッダダー」とかやってるステージ前で、老若男女が踊っている。朝8時台とかなんですけど......。

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ハンブルクの日曜朝8時台

 そして、その横のベンチでは、みんなの手にビール。朝8時台とかなんですけど......。

 厳寒のハンブルクの朝は熱い。

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かける服が...ない

 「衣食住」シリーズの最終回は「衣」。
 2月20日付けの「衣食住の順番」で、「そのまま日本(東京)で暮らしていたら、衣>食>住と、今とはまったく逆の優先順位だったんじゃないかな。」と書いたら、それを読んだ家族から、私は日本でも「衣」より「住」を重視していたよ、と言われた。

 う〜ん、そうだったかな。もう忘れてしまったわ(私はすぐに忘れる)。

 私が「衣」に異様に情熱を燃やしていたのは、中高生の頃。でも、それってよくあることじゃない? 思春期の子どもって、何を着るかが人生で最重要みたいなところがない?

 当時の私にとって、服は重要な自己表現だったんだと思う。中学校では制服があったから、遠足みたいな私服で行ける行事は気合いが入りまくり。大人っぽい格好をしたくて、お店を何軒も見て回ったものだった。
 私は目立つ生徒じゃなかったから、私服のときは自分の存在をアピールできる気がしていたんだろうね。そう思うと、貧富の差が目立つから、とかいう理由で制服にしちゃうのもどんなもんなんだろうか、という気もする。

 高校生になったら、基本は私服だったので(でも色とか形にコードがあって、かえって面倒だった)毎日が楽しかった記憶がある。
 別に高いブランドとかではなくてね。自分の好みにこだわってた。

 親に買ってもらっていた子どもの頃の方が、かえっていい服を着ていたかもしれない。
 今じゃ、限られた収入を洋服に回す気はない。最低限の数があればいい。

 だからといって、何でもいいわけじゃない。好みはあるんだもの、気に入る物を探して買う。質感、形、色は大切。
 たまに、応援したいデザイナーさんのものや、好きなブランドを買う。そのぐらいでいい。

 お金があれば買える服の選択肢が広がるんだろうけど、そんな余裕があれば、私は何か経験を積むことに使いたい。どこかに行ったり、何かにトライしたり、そういうことにね。

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ベルリンのカフェの朝食。どれにする〜?

 前々回の「衣食住」の話を受けて、今回こそ「食」について書こうかと。
 本当は、日本でも報道されているらしい、ベルリンの「イーストサイド・ギャラリー」(東西分断時代、ベルリンの壁の西側サイドにアーティストたちが描き、そのまま残されたもの)一部撤去のニュースからベルリンの発展についてぼんやり考えているんだけど、それはまた後日書くつもり。

 で、食の話。
 食は住とほとんど同程度に重要だと思ってる。
 私は超偏食&少食な子どもで、生野菜、生魚は全くダメ。給食は残しまくり。赤ちゃんのときから湿疹があって、やがてアトピーと診断された。

 家では母の手料理を食べていたけど、インスタントラーメンとかスナック菓子も好きだった。そういう子ども時代。
 それでもアトピーはステロイド剤を塗っていれば収まっていたので、何も考えずにそれでやり過ごしていた。

 大人になってから、あるとき急にアトピーが悪化した。たぶんそれ以前にステロイド剤を使わなかった時期がちょっと続いたので、そのリバウンドだったんだと思う。

 それからは地獄。全身真っ赤に腫れ上がって、腫れたことによるであろう微熱が続いて、体液が出る。あの頃は服を着るのに1時間かかった。
 人に会いたくなかった。よくあのとき、勤めを辞めなかったと思う。半袖の服なんて、私にはもう二度と着られないんじゃないかと思った。

 あるとき母親が「アトピーのための食事」という内容の本を買ってきた(タイトルを正確に覚えてなくて書けない)。
 すがる思いで試してみたら、なんだか調子がいい。
 今にして思えば、たぶんそれはマクロビオティックだったんだ。

 それ以来かな、食について考えるようになったのは。
 人の体は食べ物が作るんだということを、いい大人になるまで意識していなかった。

 それからは、食品の質と内容に気をつけるようになった。添加物の多い食品は避けて、ビオ(オーガニック)食品を出来る範囲で取り入れるようにした。「肌に良くない」と聞いてからは、大好きな肉類も控えた。

 そうしたら、食材そのものの味が感じられるような気がしてきた。特にビオのブロッコリーをゆでて食べたときのおいしさが衝撃的で。
「これがブロッコリーの味かぁ」と思った。
 私はビオだから何でもいいとは思わないけど、おいしいビオ食品(別段おいしくないビオもある)は買いたい派。

 すると、普通のスーパーで売っている食材が、あんまりおいしいと感じられなくなってきた。野菜は大して味がしないし、添加物いっぱいの食品は、なんかきつい感じを受けるようになった。

 ベルリンに来たら、そのことを思い出した。
 普通のスーパーで売っている食材でも、味が濃い気がする。例えばニンジンのにおい、あれって嫌われる原因なんだろうけど、ドイツのはにおいがする。
 肉類も、何て言うか、すごく肉っぽい味(ちなみに肉は今でもかなり控えめ。好きだけど、家ではあまり食べない)。
 
 ドイツ料理に対して、おいしいイメージってたぶんないでしょ?
 私もそう思ってるんだよね。
 でもそれは、調理したものに対してなのよ。食材を生かす調理方法じゃないというのかな。

 食材自体は、ドイツの方がおいしいと思う。
 野菜、肉、食肉加工品、乳製品。日本より遙かにおいしい。アトピーにはよくないだろうけど、チョコレートとビールもドイツの方がおいしい。

 私はパン店や菓子店に取材することがあるんだけど、かなり有名店でも使っている食材は普通に仕入れていたりする。
 日本では「卵は○○さんの農場のものしか使いません」とかこだわっていたりするけど、私はドイツではそういうのを聞かない。

 そこまで追求しないのかな、とも考えたんだけど、もしかしたら食材そのものの基準が高いから、普通に仕入れても十分においしいものが作れるのかもしれないと、ふと思った。職人じゃないから、わからないのだけど。

 だから、ドイツに来たらレストランでのディナーもいいけど、私のおすすめは朝食プレート。
 朝食プレートは、ハム、チーズ、果物などを彩りよくワンプレートに盛りつけたメニューで、パンも付いてくる。多くのカフェにあって、(ベルリンでは)夕方4〜5時頃まで注文できるのが普通。試してみて。

 食事のせいか、ステロイド剤の副作用がすっかり抜けたのか(今はほとんど使わない)、こっちで行っている鍼がいいのか、肌に苦しむことはかなり少なくなった。
 もう半袖も着られる。化粧もできる。普通に生活できている。15年前の地獄の日々を思うと、夢のよう。

 そして肉類を控えるようになってから、性格も心なしか穏やかになった気がするんだ。あ、でもこれは歳のせいかなあ。

青空で心も晴れました

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青空で顔もほころびます

 すっかり更新に間があいてしまって、すみません。
 最近は、雑貨ネットショップのアムゼルブログをかなり頻繁に更新していました。「アムゼル」をなんとか軌道に乗せないといけないと思っていて。雑貨やデザインの話もずいぶん書いています。

 でもこのクボマガは、私が好きなことを書ける場なので、もちろんこれからも定期的に(できればもっと頻繁に)更新したいと思ってます。これからも、どうかよろしくお願いします。

 ということで、本当は今回は前回の「衣食住の順番」の話を受けて「食」について書こうと思っていたんだけど、本当に久しぶりに晴れて、心も晴れ晴れしたのでそのことを。

 ベルリンは、私にとって本当に心地いい町。できる限りここに住んでいたい。

 でも一つだけ問題が。
 それは冬の暗さ。寒さではなく、暗さ。
 とにかく太陽が出ない。来る日も来る日も、どんよりと暗い。そして、知らぬ間に鬱状態になっている。

 1月は、まさに鬱状態に陥っていた。締め切りに追われていなかったから、よけいに鬱になりやすい環境が揃っていた。
 灰色の空が、フリー故に常に抱えている将来の不安をさらに増長させる。ネガティブな思考しかできない。外に出るのが億劫。朝起きられない(これはいつもか)。気づいたときには、もう何をする気力もなくなっていた。

 こういう状態は、ベルリンに来てからこれまで何回も経験がある。だから、「あぁ、今は状態がよくないな」ってわかるんだけど、解決策って見いだせない。じっとして、快復するのを待つしかない。
 こういう症状を「季節性感情障害」またの名を「季節性うつ病」と言うんだと知った。

 2月に入ってから少しずつ気持ちが上向きになってきた。
 そして今日、久しぶりに太陽が出て、青い空が見られたことで「快復した」とはっきりと言える。

 人間にとって、太陽の光がどんなに大切か。ベルリンに来て嫌と言うほど思い知らされた。
 ベルリンに来たばかりの頃、ドイツ人が「今日は天気が悪いからやる気が出ない」と言っているのを聞いて、「どんな天気だろうが仕事はやるんだよ、オラッ」と思っていたけれど、今ではその気持ちもわかる。

 人間だって動物。日照時間の短い冬は、冬眠状態に入っておかしくない。
 日本でそれを感じなかったのは、ドイツほど季節による日照時間の差が大きくないからか、動物としての感覚を閉ざすような環境だったからなのか。
 

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