ドイツの食べ物はおいしい(?)

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ベルリンのカフェの朝食。どれにする〜?

 前々回の「衣食住」の話を受けて、今回こそ「食」について書こうかと。
 本当は、日本でも報道されているらしい、ベルリンの「イーストサイド・ギャラリー」(東西分断時代、ベルリンの壁の西側サイドにアーティストたちが描き、そのまま残されたもの)一部撤去のニュースからベルリンの発展についてぼんやり考えているんだけど、それはまた後日書くつもり。

 で、食の話。
 食は住とほとんど同程度に重要だと思ってる。
 私は超偏食&少食な子どもで、生野菜、生魚は全くダメ。給食は残しまくり。赤ちゃんのときから湿疹があって、やがてアトピーと診断された。

 家では母の手料理を食べていたけど、インスタントラーメンとかスナック菓子も好きだった。そういう子ども時代。
 それでもアトピーはステロイド剤を塗っていれば収まっていたので、何も考えずにそれでやり過ごしていた。

 大人になってから、あるとき急にアトピーが悪化した。たぶんそれ以前にステロイド剤を使わなかった時期がちょっと続いたので、そのリバウンドだったんだと思う。

 それからは地獄。全身真っ赤に腫れ上がって、腫れたことによるであろう微熱が続いて、体液が出る。あの頃は服を着るのに1時間かかった。
 人に会いたくなかった。よくあのとき、勤めを辞めなかったと思う。半袖の服なんて、私にはもう二度と着られないんじゃないかと思った。

 あるとき母親が「アトピーのための食事」という内容の本を買ってきた(タイトルを正確に覚えてなくて書けない)。
 すがる思いで試してみたら、なんだか調子がいい。
 今にして思えば、たぶんそれはマクロビオティックだったんだ。

 それ以来かな、食について考えるようになったのは。
 人の体は食べ物が作るんだということを、いい大人になるまで意識していなかった。

 それからは、食品の質と内容に気をつけるようになった。添加物の多い食品は避けて、ビオ(オーガニック)食品を出来る範囲で取り入れるようにした。「肌に良くない」と聞いてからは、大好きな肉類も控えた。

 そうしたら、食材そのものの味が感じられるような気がしてきた。特にビオのブロッコリーをゆでて食べたときのおいしさが衝撃的で。
「これがブロッコリーの味かぁ」と思った。
 私はビオだから何でもいいとは思わないけど、おいしいビオ食品(別段おいしくないビオもある)は買いたい派。

 すると、普通のスーパーで売っている食材が、あんまりおいしいと感じられなくなってきた。野菜は大して味がしないし、添加物いっぱいの食品は、なんかきつい感じを受けるようになった。

 ベルリンに来たら、そのことを思い出した。
 普通のスーパーで売っている食材でも、味が濃い気がする。例えばニンジンのにおい、あれって嫌われる原因なんだろうけど、ドイツのはにおいがする。
 肉類も、何て言うか、すごく肉っぽい味(ちなみに肉は今でもかなり控えめ。好きだけど、家ではあまり食べない)。
 
 ドイツ料理に対して、おいしいイメージってたぶんないでしょ?
 私もそう思ってるんだよね。
 でもそれは、調理したものに対してなのよ。食材を生かす調理方法じゃないというのかな。

 食材自体は、ドイツの方がおいしいと思う。
 野菜、肉、食肉加工品、乳製品。日本より遙かにおいしい。アトピーにはよくないだろうけど、チョコレートとビールもドイツの方がおいしい。

 私はパン店や菓子店に取材することがあるんだけど、かなり有名店でも使っている食材は普通に仕入れていたりする。
 日本では「卵は○○さんの農場のものしか使いません」とかこだわっていたりするけど、私はドイツではそういうのを聞かない。

 そこまで追求しないのかな、とも考えたんだけど、もしかしたら食材そのものの基準が高いから、普通に仕入れても十分においしいものが作れるのかもしれないと、ふと思った。職人じゃないから、わからないのだけど。

 だから、ドイツに来たらレストランでのディナーもいいけど、私のおすすめは朝食プレート。
 朝食プレートは、ハム、チーズ、果物などを彩りよくワンプレートに盛りつけたメニューで、パンも付いてくる。多くのカフェにあって、(ベルリンでは)夕方4〜5時頃まで注文できるのが普通。試してみて。

 食事のせいか、ステロイド剤の副作用がすっかり抜けたのか(今はほとんど使わない)、こっちで行っている鍼がいいのか、肌に苦しむことはかなり少なくなった。
 もう半袖も着られる。化粧もできる。普通に生活できている。15年前の地獄の日々を思うと、夢のよう。

 そして肉類を控えるようになってから、性格も心なしか穏やかになった気がするんだ。あ、でもこれは歳のせいかなあ。

コメント(10)

こんにちは。

私も今は、持病のおかげというか(笑)かなり食べ物には気をつけてます。
塩分を摂れない体なので、全てそのまんまの味で食しております。
なので、たまに加工品を食べると、
『うえ〜〜味が濃い』となり舌が敏感に添加物を察知して、
半分も食べられません。

「食」について、日本は変な方向に行っていると思います。
最近は野菜が全て甘い味に傾いてます。
苦いピーマンが売れない、酸っぱいトマトが売れない などなどの理由から、
なるべく食べやすく改良された食品群ばかりです。
お菓子でも飲料でも次々と新しい味を添加物で添加したものが発売されま
す。
もっと食べ物が持ってる本来の味を味わいませんか?と日々思います。

何でもかんでも歯に優しくなのか、柔らかいですし…
柔らかいフワフワ食パンって何なのさ(笑)

ビールは断然ドイツでしょ!
日本の第三のビールと言われている水っぽいしゃびしゃびのビールなんて飲めませんよ!

北村さん、こんにちは。
食べ物を変えると舌も敏感になりますよね。
日本は野菜も甘くなっているんですか。
「果物が甘すぎる。酸っぱさもほしいのに」という意見も聞いたことがあります。
画一的になるのはちょっと残念。

私は日本では日本のビールを飲むんですが、いつも決まった銘柄です。
第3のビールとか、発泡酒とか、ビールもどきは論外ですね。
ビールもどきの味が好きで飲んでいる人はそれで構わないんですが、
本当はビールを飲みたいのに、高いから妥協してもどきを飲むのは
何か違うんじゃないかと思うんですよ。
それじゃ満足できないと思います。
私はおいしいビールが飲みたいんです。妥協してもどきを飲むくらいなら
水やジュースを飲んだ方が、ずっといいです。

久保田さん
こんにちは。初めてコメントをさせてもらいます。
以前からサイトを拝見しておりました。いつも楽しみにしています!

食って本当に、その人の体を作ってしまうすごいものですよね。
ヨーロッパの食事の美味しさランキングで、ドイツの食事って絶対に上位ランクにあがってこないけれでも、私は密かにドイツで食べれるご飯はおいしいと思っている一人です。その中でも、久保田さんがおっしゃっているように朝食メニューはダントツ!色々な種類のパンに、ハム、チーズ、魚、ミュズリーにフルーツ。まぁ、毎日こんなのを食べているわけじゃないけど、あの種類の多さにはいつも嬉しくなってしまいます。
食材そのままの味が美味しい、という点、本当にそう思います。
もっと、沢山の人がそいう事を大事にしてそれぞれの食材の本来の美味しさに気がついてほしいなぁ、と思っています。

これからも、楽しみにしています :)

こんにちは。

色々な野菜が甘くなってますね。
昔食べたちょっと青臭いトマトなんてお目にかかれません。
もちろん、自然の状態で育った野菜、収穫したての野菜は、
十分に美味しいですが、
作為的に甘さが加わった作物には、抵抗を感じます。

ドイツでは朝食が充実してますよね。
ホテルの朝食など種類が多過ぎていつも食べ過ぎてしまいます。
パンもハムもチーズも種類が豊富だしー

野菜や果物が量り売りで食べたい量だけ買えるし、
ハムやチーズもその場でスライスしてくれて、
ドイツに行くたび、食品売り場をのぞくのがとても楽しいです(笑)

Mihoさん、こんにちは。初コメントありがとうございます!
ドイツの朝食メニューって、バラエティに富んでいて見た目にもうれしくなりますよね。ホテルやカフェの朝食って、すごく魅力的です。
ドイツはパンとお菓子もおいしいと思うんですよ。ただし、フランス風のパンではなく、ドイツパン。両者のおいしさって、まったく別の物じゃないですか?
日本では、ドイツパンや食材のおいしさがまだまだ認知されていないようなのが残念です。微力ながら私も雑誌やブログに書いて、これからも頑張ります。

北村さん、こんにちは。
野菜や果物の量り売りはいいですよね!私のようなひとり暮らしには少量でも買えるので、すごく助かります。
ドイツではスーパーだって量り売りで買えるのに、なんで日本はダメなんでしょうね。レジに秤を組み込むのは、技術的にも大した問題じゃないと思うんですが。
数個パックだと私には多すぎるし、パッケージだってゴミになるだけなのに。

こころが穏やかになったのはストレスとかないからとか?

わたしはだいぶ日本の味を忘れてしまったよ。自分自身が食材とかに興味があって自然なものばかり買うようにしているからスーパーとかで多くのひとが安すぎるものや、添加物いっぱいのものや、大量の肉製品を購入しているのにおどろく。
で、品物をみてから買う人の顔とか体系とか雰囲気をみると一致するのにもおどろき。

日本人はいろいろやりすぎてしまうんだろうねー。それは今日あそびにいった森でおもった。犬とかこどもとか大人とかなんにもない自然のなかで幸せそうにしていたけど、日本だったら広大な敷地をそのままにしておいてはもったいない、として手を加えて自然そのもののよさを壊してしまう、みたいな。

食材にしてもそうなのかも。ドイツ人は自然体がお上手。日本人は手をくわえすぎ。でも料理は繊細で気のきいた日本人の料理がいいよね。でもドイツの肉肉しい肉は日本だとどう料理されるんだろう。臭みを取るために牛乳につけたりするんだろかね。。。

めぐちゃん、
穏やかになったのは、ストレスが減ったのが大きな要因だと思うな。
あと、肉を控えめにしてるのも関係しているかも、って思ってる。
味が濃いドイツの肉は、一口で十分満足できるしね。

日本って「豊か」ってことを、どこかで履き違えてしまったのかもしれないね。
ドイツも終戦後はそうだったみたいだけど、モノがたくさんあることが
豊かなことだと、今でも日本では思っているのかも。

「ドイツ人は自然体がお上手。日本人は手を加えすぎ」って、すごい的を射てる表現だね! 
でもって、料理は繊細な日本人のがいい、っていうのも同感!
本来の味を持つドイツの食材を、日本人が料理する、っていうのが最高の組み合わせかな〜。

ドイツはパンもお菓子もおいしい!って私も本当にそう思います。
久保田さんがおっしゃるように、フランスのパンとかお菓子とはまったく別だけど、それがまたいいですよねー。
私は、あのドイツのずっしりしたパンが大好きです 笑
日本も増えてきたけど、やっぱりヨーロッパはマーケットが色んなところがあっていいですよね。これからの季節の情報を、また楽しみにしています!

Mihoさん、こんにちは。
ドイツのパンはずっしりしていないとね(笑)!
日本に行ったドイツ人が、日本のパンじゃダメで
ドイツパンが恋しくなったという話を聞いたことがあります。
これから春になって、おいしい食べ物がどんどん出てきますね。
食欲の春〜秋!

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