(*ベルリンのお店やライフスタイルに関しては、在ベルリンガイドの松永さんとの共同ベルリン情報ブログ「おさんぽベルリン」をぜひご覧ください。バリバリ書いてます)
前回お知らせした12月に発売となる新刊本の撮影は、順調に進んでおります。あとひと月ほど、楽しく試行錯誤しながらやりたいです。
しかし、毎日撮影ばかりしているわけでもないのです。いつものお仕事も、いつものように進行中です。
そして先日、ドイツの働き方に関する記事2本が、偶然2つの媒体に同時に掲載されました。
1本目は、おなじみハフィントンポスト・ジャパン。題して「『少人数で成果を上げて、100%有給取得』 ドイツの働きかたは、日本とどう違うのか」。
ドイツ企業で働く日本人の方に、日独の働き方の違いについて、具体的にうかがいました。仕事に対する考え方や、ミーティングの方法など、かなり具体的に書きました。
そして2本目は、先月から「ドイツのしごと事情から見つめ直す、あなたの働き方」という短期連載が始まった、クリエイティブ情報サイトCINRAの連載2回目です。タイトルは「インターンを通して見つける、海外でのキャリアパス」。
今回は、ドイツのデザイン会社にインターン中の日本人女性に取材しています。海外留学や、将来海外で働くことを考えている若い方に、特に参考にしていただけるかもしれません。
私がワークライフバランスについて漠然と考え始めたのは、日本で働いていたときからです。今にして思えば、さほど長時間労働でもなかったのかもしれませんが、当時の私には自分が何で生きているのかわかりませんでした。
まあ、人生に意味なんてあるのかわかりませんが、それでも自分の中では何かしら納得したいものでしょう。でもそれができずに、毎日の暮らしの中で危機感が募り、ベルリンに逃避しました。
ベルリンに来たら、誰もが有給休暇をきっちり消化して、それで社会が回っているのが不思議でした。自分は日本で毎日残業して、それでようやく業務をこなしていたのに、なぜここではみんな長期間休めるのかと。
その答えを知りたくて取材を始めたのが、ワークライフに関するテーマです。
いちばん最初にこのテーマで書いた記事「『仕事が残ってても休みます』経済大国ドイツの人の働きかた」が今年(2014年)2月にハフィントンポスト・ジャパンに掲載されたとき、非常に大きな反響があり、とても驚きました。
そして、生き方・働き方というのは、多くの人にとって基本的なテーマであることを感じました。
私がドイツの働き方について書いているのは、ドイツを真似ればいいと思っているからではありません。
日本にいては気づきにくい発想や方法を伝えて、改善の参考にしてほしいからです。ドイツの実例を伝えるのが、自分の役割ではないかと思います。
ドイツでは、きちんと休んで、経済も回っている。日本でも、ドイツ並みに年間最低24日間の休みを消化し、経済も回ればいいなと思います(私はフリーなので、実はもう関係ないんですが)。
そのために、まずドイツのやり方について知るのは無駄ではないと思います。もし夏休みを2週間ぐらい取得して、普段はできない経験に充てられたら、人生がもっと豊かになるような気がしませんか。
もちろん、ドイツのやり方が日本に合わないと思うことは多々あります。ドイツ式がベストだとは思いません。
だから、何回も書きますが、ドイツを真似ろ、というのではないんです。ちゃんと休めて、経済も回って、多くの人が基本的生活を維持できる社会になれるよう、ちょっと他の国の事情も見てみましょう、という思いで書いています。
このドイツ式が成立するためには、教育システムなど、日本と異なる多くの要素が絡んでいます。それについても、今後もっと勉強して、書ける機会があればいいですね。