(このエッセイはメールマガジン「トレンディ★CHICK」に連載されたものです)
フランクフルトの空港に降りる前から、もう嬉しくってドキドキしていた。1年ぶりに、またドイツへ来られたんだ。またみんなに会えるんだ!
ドイツは私にとって特別な国。ほかの国とは全然違う。小学6年生のときに、1年間だけドイツで暮らしたから。まあ、いってみれば第二の故郷って感じかな(こう書くと、すっごく恥ずかしいかも)。
去年の夏、急にドイツが恋しくなって、仕事を辞めてケルンで2ヶ月間語学学校に通った。日本に帰国するときは本当にさみしくて、次の年も絶対にドイツに戻って来るんだって決めていた。
今年はたった2週間の旅行。ふだん一人で旅行するときは、予定なんか立てないで現地で適当に決めたりするけど、今回は友だちや知人の家にお邪魔するので結構きっちりプランニングした。
まずはフランクフルトから飛行機を乗り継いで、スイスとの国境にあるボーデン湖に面した街、フリードリッヒスハーフェンへ。それからケルン、ヒルデスハイムと北上していって、最後にまたフランクフルトに戻ってそこから日本に帰るというパターン。
フリードリッヒスハーフェンには、私が子どものころドイツでお世話になったヨリコさんが住んでいる。当時留学生だったヨリコさんも、今はトルコ人のご主人との間に2人の息子さんがいる。ヨリコさんとは去年会ったけど、息子さんたちに会うのは初めて。最初になんていえばいいのかな・・・。それより、何語で話せばいいんだろう。
フランクフルト空港で降り、入国審査を済ませたら売店などを冷やかし、フリードリッヒスハーフェン行きの飛行機が出るゲートへ向かう。成田で預けた私のバックパックは、フリードリッヒスハーフェンまで運ばれるから身軽でラク。
ちっちゃなジェットに乗って1時間で到着した。あとは預けていた荷物を取ってゲートを出れば、ヨリコさんが迎えにきてくれているはず!
しかし、いつまでたっても私の荷物が出てこない。ほかのドイツ人たちはわれ先にと荷物を取って、さっさと出て行ってしまった。ついに私は独りぼっち。何も乗っていないコンベヤーだけが空しくぐるぐる回っているではないか。ドイツに来ていきなりトラブル?! 私のバックパックはどこ?!
「ヴォー イスト マイン ゲペック?(ワタシノ ニモツ ドコ?)」
「この飛行機の荷物はこれで全部だよ。出口を出たらカウンターがあるから、そこで探してもらう手続きして」
と、係の人にあっさりいわれ、すごすごとゲートを出たら、
「ゆきちゃーん、どうしたの、遅かったじゃなーい」
とヨリコさんと息子のアッくんが手を振っている。
「いや、実は・・・」と荷物の件を説明したら、ヨリコさんがその流暢なドイツ語ですべての手続きを片付けてくれた。さすがドイツ在住二十余年!その数時間後。私のバックパックは無事タクシーでヨリコさんの家に運ばれてきたのだった。
私のドイツ旅行はこうして幕が開けた。