ダブルで外国

2002.12.27 23:29

 いま来ているカナリア諸島はスペイン領なんで、みんなスペイン語を話しています。でも私、スペイン語まったくできません。英語も忘れ去ってしまった。それで何語を話すかといったら、ドイツ語しかないわけです。
 でも自分はどう見たって東洋人。なんかヘンなんですよ、ここでドイツ語話すのが。ドイツ語自体はよく通じるんですけどね、ドイツ人観光客が多いから。でも私がドイツ語喋ると、ちょっと違和感がある。
 ドイツにいるときはドイツ語を使うのが当たり前だけど、ドイツ以外の外国にいるとなると、日本人からしてみればダブルで外国なわけで、ちょっと躊躇してしまいます。

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真夏のメリークリスマス

2002.12.25 23:18

 前回の合鍵の話で、いろんな人からお便りをいただきました。いやー、なんか恥ずかしい。あれ書いたときマジ怒ってたから、抑制がきかなくって、どうも。
 で、結局どうなったかというと、どうにもなってないんですよ。
 というかね、実は突然旅行に出てしまいまして。
 いま、カナリア諸島にいるんです。スペイン領の。でもスペインより全然南で、緯度的には、隣がモロッコ。暑いんです、泳げます。寒いベルリンを抜け出そうと、先週の土曜にいきなり決めて、その2日後にはもう出発してました。
 人の心はお天気次第、本当にそうですよ。ここに着いたとたんに自然と顔がほころびました。だって空が青いんだもの! Tシャツ1枚で過ごせるなんて、ああ、もう何年もしてなかったような気分。
 さて、今日は12月25日。世はクリスマス。でもこう暑いと全然雰囲気出ない。まあ、人生の中でこんな年があってもいいかな。
 ではみなさん、真夏の島からメリークリスマス。

合鍵激怒事件

2002.12.20 23:45

 まったくもう、バッカじゃないの? ほんっとにドイツ人の事務処理能力は何ひとつ信用できない。これが日本だったら無能だよ、ムノー!! クソむかつく。怒りがおさまらない。

 いや、鍵がね。新居に引っ越して以来ずっと私の分の鍵をもらうように頼んでいて、同居人が毎日大家(っていうか、要するに賃貸契約している人)に電話していたのだが、待てど暮らせど一向に来ず。そうこうしているうちに2週間以上が過ぎ、私たちは互いのスケジュールに合わせて鍵を貸し借りするという、相当不便な生活を強いられていたのだ。もちろん自分で勝手に合鍵を作ろうともしたけど、書類が必要だといわれてできなかった。
 ようやっと今日鍵が届いて、ああ、これでやっとこれまでのわずらわしさから開放される、と喜んだのもつかの間……開かないんだよ、この鍵じゃ! 家の戸が!!
 おかげで買い物から帰ってきて、家に入れなかったよ。大きな買い物袋提げて、締め出し食った私はどうすりゃいいのよ。おまけにそのあと待ち合わせがあるっていうのに。しょうがないから玄関前に買い物袋置き去りにして、そのまま待ち合わせ場所に向かったわよ。
 ほんとに腹が立つ。ドイツ人が勤勉なんて、大嘘! 私の経験では、この種の手続きは本当に間違いなく完了したとわかるまで、一切信用できない。もらった鍵が確かに自分の家のものかどうか、即座に確認しておくべきだった。クソッ。でも間違った鍵を渡すほうが悪い!!
 しかも最悪なことに明日は土曜だから事態は進展しないはず。で、月曜に奇跡的に正しい鍵がもらえればいいけど、水曜はもうクリスマスですべてはお休みになっちゃうんだよ(ドイツは25・26日がクリスマスね)。同居人たちもそれぞれバラバラに行動するし、ああ、ほんとにどうしてくれるのよ! 無能者めが! クソいまいましいッ!

クリスマスに燃える街

2002.12.19 23:15

 タイトル書いて思ったのだけど、燃えるって、別に街自体が火事になるわけじゃないですからね。そんなことは日本人ならわかるだろうけど、なんせ日本語勉強中のドイツ人といたりするので、つい。すみません、蛇足でした。
 ニュルンベルクはバイエルン州にある街で、この時期盛大なクリスマス市が立つことで有名。ここに友人が住んでいるので、彼女を訪ねにいったというわけ。
 評判どおり、市はクリスマスグッズを扱う屋台でぎっしりで、人もいっぱい。ツリーの飾りとか、グリューワイン(冬に飲む、スパイシーなホット赤ワイン)、レープクーヘン(ニュルンベルク名物お菓子)なんかが買える。値段は決して安くないけど。
 でも私はもう、こういうものを見ても何も感じなくなっている。「わあ、すごい」とか、いえないもんね。ベルリンで既にクリスマス市を見ているっていうせいもあるけど、もともと古城とか見てもそんなに感激するほうじゃない。名所旧跡に興味なし。私はもっとくだらないものや、人を見ているのが好きだから。

 家に帰ってきたら友人宅の大家さんが出てきて、クリスマス市はどうだったと聞くから、「きれいでした。ニュルンベルクのクリスマス市は、ドイツでいちばん有名ですよね」と答えたら、「世界でいちばんよ」という返事が即座に返ってきた。
 そうか。クリスマス市はニュルンベルク人の誇り。この時期だけは、世界でいちばん熱い街なんだ。

ベルリン・オープンマインド

2002.12.16 16:25

 ちょっと久々の更新。週末ニュルンベルクに行っていて、慌しくしていたもので。
 その話は次回するとして、今回はベルリンの人の話。

 ニュルンベルクに行く前の晩、クナイペ(ドイツの居酒屋)に行っていたのだが、そこで二人のドイツ人女性と知り合った。一人は画家、一人はジャーナリスト。
 同居人の関係もあって、最近やたらとアーティストに会うことが多い。ベルリンを歩けばアーティストに当たる、って感じがする。
 最初の頃は、自分の職業をアーティストという人に対して「恥ずかしくないのかなー」と思っていたんだけど、たぶんそれは日本語の感覚だからで、ドイツ語ではごく当たり前の言葉なんだろうなあ。
 ジャーナリストという言葉もそれと同じ。私の中では、政治・経済のようなジャンルについて分析を交えて書く、というイメージがある。だから日本では自分のことを、絶対にジャーナリストとはいわない。私はライター、または編集者。でも、ドイツではぴったりくる言葉が見つからないのよねえ。だから、人から職業を聞かれたときは(しかも、これがまたよく聞かれるんだ)、仕方なく「ジャーナリストです」と答えている。そのほうが相手もすぐにわかるし。

 まあ、それはいいとして、その二人と「どこから来たの」とか「なんで来たの」「ベルリンはどうよ」といった話をしていて、最後にメールアドレスを交換して帰った。そしたら! ジャーナリストの彼女から「また会おう」というメールが入っているではないの。
 ドイツ語が満足に話せない日本人に対してよ? 日本じゃあ、あんまり考えられないでしょ? すごくうれしかった。ビバ!ベルリン!!(何語だよ)
 実は、ベルリンではこういう出会いがけっこうある。私も何回か経験している。いま私が定期的に会話の相手になってもらっているドイツ人とも、カフェで相席になったのがきっかけだったし。他人との会話を楽しむ、これって日本でももっと気楽にできればいいのにねえ。

 さて、ジャーナリストの彼女とどんな話ができるかな……。私とは仕事の内容がきっとすごく近いんだろうし、年齢もたぶん同じくらい。そんな彼女が、日々何を考えてどんな生活をしているのか、とっても興味がある。彼女も私に対して、おんなじ気持ちを抱いているのかもしれない。ああ、語りたい!ドイツ語の勉強だ!
 最近、私は確信するようになった。私がドイツ語を勉強しているのは、人と語り合いたいため。そして私の気持ちを伝えるため。
 人と意見を交換しあうこと。こんなに刺激的でおもしろいことはない。

涙が止まらない

2002.12.09 23:18

 別に悲しいことがあったわけじゃないんです。ただあまりにも寒くって。
 表に出たとたん、あまりの空気の冷たさに涙がぽろぽろ、ぽろぽろ……。もう100メートルと歩いていられません。いつのまにか鼻水もツーッと。とめどもなく流れる涙と鼻水。ああ、色っぽくない。
 ふと街の電光掲示板を見たら、−8℃と表示されているではないですか。
 「−8℃かー……まいなすはちど?!?!」
 実は、最近ベルリンの寒さにも慣れてきたな〜、なんてちょっとだけ余裕かましてたんです。甘かった……。
 果たしてベルリンの冬を生き抜くことはできるのでしょうか。

冬は鍋

2002.12.06 23:05

 冬は鍋と相場が決まっている。ドイツにいたって、やっぱ鍋だ。
 というわけで、私が新居に引っ越してきたこともあって、鍋パーティを開いた。ダシは日本から持参してきた、かつおの顆粒ダシ。それに鶏肉と魚から出た旨みがあいまって、かなりイケる!
 お客さんたちはみんな、同居人のドイツ人女性の友だち。彼女は将来、芸術方面に進むことを志望しているので、友だちも画家とかギャラリー関係者が多い。
 非常におもしろい……のだが、ここでネックとなるのが私の語学力。やっぱりどうしても自分でいえることに限界があるし、ドイツ人同士の会話はついていけない。
 こんなとき、もっと話せたらなあ、とつくづく思う。ドイツに来てから、多少は上達しているはずとは思うものの(してなかったらやだ〜)、思うように話せるにはまだまだ遠い。いったいいつになったら、自分で満足できるレベルになるんだろう。私はせっかちだ。早くうまくなりたい。だったらもっと勉強しろよ、って感じだけど。

ドイツでは師は走るか

2002.12.03 16:02

 またまたクリスマスネタ。ベルリンにSpandau(シュパンダオ)という街があるんですが、大きいクリスマス市が立つというので、ちょっと行ってきました。
 それ用の小屋がいっぱい建っていて、グリューヴァイン(スパイスが入った、あったかい赤ワイン。冬の風物詩)やクリスマス菓子の店が並んでいてにぎやか。メリーゴーランドもあって、ちょっとした移動遊園地です。
 ドイツのクリスマス市はニュルンベルクが有名で、私は中旬に行く予定。行ってきたらここにアップするつもりなので、お楽しみに。

 もう12月ということは、今年もあと1ヵ月を切ったということでしょ。でも、全然そんな気がしない。ドイツでプラプラしてるからかしら。日本だったら年末進行とかで、嫌でも師走を意識させられるんだけどねえ。

お引っ越し

2002.12.01 18:15

 きのう、新しい住まいに引っ越した。新居は、私を含めた3人でのアパートシェア、つまり、3DKのアパートをひとり一部屋ずつ割り当てて、キッチンとバスルームは共同で使うという生活。アパートといっても、日本のイメージとはかけ離れてるんじゃないかな。ドイツの住まいは広いし、天井も高いところが多くて、日本だったら豪邸といわれそう。
 こういう共同生活をドイツでは Wohngemeinschaft(ヴォーンゲマインシャフト)、略してWG(ヴェーゲー)と呼んでいる。ひとりで借りるよりもずっと安上がりだし、それになんといっても楽しい。キッチンでみんなとおしゃべりしながら料理を作ったりしていると、なんかこれって学生寮のノリ!?とか思えてくる。まさかドイツで擬似寮生活を体験することになるとはねえ。
 大学の掲示板とかには、よくWG募集の貼り紙がある。この貼り紙を見て入居希望者が直接家主に連絡を取って、話がまとまればOK。そんな感じだから、不動産を通さなくても住まい探しはいくらでもできる。
 私がここに来ることになったのは、ここの同居人の一人と知り合いだったから。いきなり知らない人たちばかりと暮らすのは、それなりにストレスがたまるかもしれないけど、すでに気心が知れている人となら安心できる。
 ベルリンに来て3ヵ月、既にいろんな変化があった。今回の引っ越しで、また新しい経験がいっぱいできそう。私の生活はきっと、これからもどんどん変わっていく。