CSDは政党ではなく

2003.06.29 23:31

 前々回に引き続き、またゲイ&レズビアンの話。今度はクリストファー・ストリート・デイ(略してCSDだ)。
 これは何かというと、要するにゲイ&レズビアンのパレード。ベルリンの目抜き通りを、山車に乗ったゲイ&レズビアンのグループが行進するというもの。ちょっと違うけど、浅草サンバカーニバルのホモセクシュアル版といったらイメージ湧くかな。いや、やっぱりその例えは違うか。
 ベルリンというと一般的にはラブパレードが有名だろうけど、あれは地元の人の間ではいまいち評判が悪い。「あんなの田舎から出てきたガキばっか。音楽だってCSDのほうが全然いいよ」とみんな言う。
 私は日本の祭りが大好きで、いろいろ見に行ったりしている。特にこういう「パレードもの」が好きだ。その代表が高円寺阿波踊りで、見ているとアドレナリン放出モードになる。
 でもCSDにはそんなものをまったく感じない。もっとユルい。みんなだらーっとしていたり、クネクネ踊ったりしながら進んでいく。

 割れた瓶から流れ出たビールの匂い。道端に散乱しているスパークリングワインの空き瓶。強い日差し。振動するベースの音。CSDは紛れもなく、ベルリンの夏の風物詩なんだろう。

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水の上から眺める街は

2003.06.26 23:07

 ベルリンの空の下、シュプレーは流れる。

 イタリア人の友人がベルリンに遊びに来たので、私も一緒にベルリン観光をした。一度住んでしまうとなかなか行かない名所旧跡を二人で回る。「この建物はなに?」と聞かれ、しどろもどろになる自分。ガイドブックが必要だ。
 この季節、川下りが気持ちいい。ベルリンの街を横断するシュプレー川を船で下ると、右に左に有名な建物が現れては消えていく。遮るものが何もない水の道を、ただひたすらに進んでいく。

 隅田川下りを思い出した。ちょっと懐かしい。

みんながみんな楽しくね

2003.06.23 22:26

 21、22日の土日にゲイ&レズビアンフェスティバルがあったので、行ってきました。
 場所はゲイ関係の店が多いNollendorfplatz(ノーレンドルフプラッツ)の界隈。通りにたくさんの露店が立ち並んで人がぎっしり。ゲイ関係のパンフやフリーペーパーがもらえたり、下着が売ってたり、もちろんお祭りに欠かせないビール&ソーセージの屋台もあります。ところどころにステージがあって、DJが流す音楽にあわせてみんなが踊ってたり。
 ゲイ&レズビアンフェスティバルといっても、ホモセクシュアルの人たちばかりじゃなくって、ヘテロの人もたくさん来ています。ステージ前でゲイカップルとヘテロの中年夫婦が一緒に踊ってたりして、なんか楽しい。
 日本だとなかなかここまでオープンになれないと思うんだけど、どうなんだろう。特に、水商売ではない一般の職場で、自分がホモセクシュアルであることをカミングアウトした後でもそこで働き続けるなんて、至難の業なんじゃないの?
 ベルリンは特にゲイ&レズビアンが多い街だからかもしれないけど、こういうフェスティバルがたくさんあるし、ホワイトカラーの職場でゲイ、レズビアンが働いてても別に当たり前。みんなそのことをわかってるけど、だから何?って感じ。そういう適度な距離感というか、淡々としたところが住みやすさの要因かもしれない。

疲れたときは

2003.06.22 23:39

 最近ちょっと取り込んでいて疲れ気味。本当は、きのう21日は夏の始まりで、ジャズフェスティバルとかいろいろイベントがあったのだけど、天気が悪いこともあって家にそのままいてしまった。
 そんな中『千と千尋の神隠し』がドイツでも公開。この疲れを癒すのにいいかしらと思ったものの、私はあんまりジブリ作品にピンと来ないんだったっけ(『カリオストロの城』だけは別。あれは見るたびいつも泣いてしまう)。
 日本から送ってもらった暦を見ても、6月は運気が最低だし、こんなときはじっとしてやり過ごすしかないのかも。

ベルリン、どこがいちばんイケてるか

2003.06.18 23:03

 ベルリン市内は広い。地域ごとにカラーが全然違います。だから、どこに住むかによって、生活パターンが全然違ってくるんですね。
 例えば東京23区でもあるじゃない、どこの区がいちばんエライか、みたいなのが。ベルリンでもやっぱりあるんです。でもどこがいいかは人によって違うんだけど。あ、それは東京でも同じか。
 さて、とある飲み屋にご近所仲間で行ったときのこと。このご近所仲間とは以前たまたまバーで知り合ったのだけど、みんな偶然おんなじ通りに住んでいることが発覚。それ以来ときどき会っては、その通り沿いの店に行ったりしているんです。そのときもみんなで飲んでいて、途中から別の友人も加わり、延々と話し込んでいました。
 12時を回る頃、「もうそろそろ帰らなきゃ」と、その人。
「え、どこに住んでるの?」
「シュテークリッツ」
 と彼が答えたその途端。
「ブー!」
「ブー!!」
「ブー!!!」
 といっせいに大ブーイング。
「シュテークリッツゥゥゥ? なんでそんなとこ住んでんの」
「遠すぎるわよ」
「信じらんない」
 と言われ放題。
 断っておきますが、シュテークリッツは西ベルリン地域で、わりと裕福な層が住んでいる人気の地区です。そこに住みたい人たちはたくさんいるんですよ。
 だけどいま私がいるところは、まったく違うカラーの人たちが住んでいるところ。シュテークリッツにいる人とは全然接点がなさそう。例のご近所仲間は「自分たちの住んでいる通りがトップだもんね」と日ごろから言ってるくらいなんだから。お国自慢ならぬ、地区自慢(いや、さらに狭くて”通り自慢”か)は、どこに行ってもあるものなのね。だけど、みんな自分の地区がいちばんいいと思ってるから、結果的に丸く収まってそう。
 ちなみに私がそこに住んだのは偶然の成り行きからで、特に住みたかったからではないのだけれど、半年が過ぎたいまでは、けっこう愛着が湧いてきましたよ。
 ベルリンでどこがイケてるか? そりゃあ「うちの通りがトップ通り!」

ベルリンに海岸があった

2003.06.16 23:57

 こう天気がよくなってくると、どこか遠出したくなるもんです。夏の遠出といえばやっぱり海でしょう。白い砂浜の向こうには青い海。あー、行きたい。でもそんな余裕もないし。
 ところが、ベルリンの真ん中に海岸があった。足元の白い砂。目の前を通り過ぎる船。濃い影を落とすビーチパラソル。こりゃ紛れもなくビーチでしょう。歩いていける水着不要のベルリンビーチで夏、満喫よん。

自転車狂想曲

2003.06.12 23:45

 ベルリンは中国に次ぐ自転車王国なんじゃないかと思う。それもママチャリみたいなのんきなのじゃなくて、本格的なやつ。立派な通勤の足なのだ。
 朝とかものすごい。スーツを着た勤め人も、学生も、中にはメットをかぶった人も、みんな前傾姿勢でシャーッと走っている。とにかく真剣にシャーッと。眉間にしわ寄せて。しかも西洋人って彫りが深いから、目の部分がくっきり陰になってさらに怖い。
 しかもみんなかなりのスピード。中にはバスとバトルを繰り広げている人も。あれ、自分が車を運転する側だったら轢いちゃうよな。
 自転車なんて、ちんたら走るのが楽しいのにねえ。

夏はグリルだ屋外だ

2003.06.10 21:12

 日本はそろそろ梅雨入りでしょうか。こっちは天気いいですよ(嫌味か?)。昼間ならTシャツ1枚でOKです。
 こんな時期、ここぞとばかりにやるのがバーベキュー。晴れた午後、公園に行ってみると、もう、どこもかしこもバーベキュー。
 なので私も参加しました。公園の芝生の一角にバーベキューコンロを設置。食べ物は各自が持参。それを食べたいときに、勝手に自分で焼いて食べる。あとは適当にだらだら話したり、寝ころんだり。次から次へと新たな人がやってきて、入れ替わりに帰る人もいたりと、みんなマイペース。
 日本で焼肉屋に行くと必ず仕切る人がいるけど、そんな人はさびしいかも。こんなとこにも西洋の個人主義が見えるってことなんでしょうか。私は勝手にやってるほうが、気がラクだからいいけれど。
 夜になったら、な〜んか顔がヒリヒリする。やば。日に焼けたかな。

ときにはこんな誕生日も

2003.06.08 19:28

 きのうは私の誕生日だった。
 日本だったら誕生日だからといって、特別なことをしたりはしない。もう祝うような歳でもないよ、なんて言ったりする。仕事に忙殺されていたりするし。
 でもドイツでは誕生日を非常に重視していて、みんな集まってお祝いをする。せっかくドイツにいるんだから、じゃあ私もということで、小さなパーティをした。パーティといっても簡単な手料理ぐらいで、メインはみんなと話すこと。日本語のわかる人が多かったので、日本語会話が炸裂。ドイツ語では、このノリはできないなあ。

DIYの楽しみ

2003.06.05 20:27

 友人宅に夕食に招待された。映像関係の仕事をしている彼の部屋は、家具の下にブルーの間接照明がついていて、まるでバーにいるみたい。聞けば全部自分で作ったのだという。「簡単だし、照明はどこでも買えるよ」と言っていた。
 ベルリンでは、借りた部屋の壁にペイントしたりとか、床を塗り替えたりとか、わりと自由にできる。要は解約するときに元通りにきれいに塗りなおせばいいのだ。釘一本打てない日本の賃貸など、考えられない。
 私は不精なたちなんで、自分で家具を作ったりペイントしたりなんてことはまず絶対にやらないけど、こうして人の部屋を見るのは楽しいものだ。

ナゾの”日本の治療油”

2003.06.02 14:07

 風邪を引いた。私はかなり丈夫なほうでめったに熱など出ないのだが、久々に体の節々が痛い。のども痛いし鼻水が出る。
 調子が悪いとドイツ人の同居人に言ったら「それならこれよ」と彼女が出してきたのが、この”japanisches Heiloel”。直訳すると”日本の治療油”ってところか。なんだそりゃ。そんなの日本にあったっけ。
 よくよく見ると、どうもミントの精油らしい。それを砂糖にふりかけて飲む(というか食べる)か、お湯に混ぜて飲むという。試しにお茶に数滴たらしたところ、かなり強烈なミントの匂い。吸い込むだけで鼻がスッとする。こりゃ効きそう。
 それにしても、なぜミントオイルが日本のオイルなのか。「日本」と謳うと、どこか東洋の神秘という雰囲気で、効き目がありそうに感じるのか。でもまあ、日本でも何かと「中国四千年の歴史」とか言って売ってたりするからな。一緒か。
 でもきっとドイツ人は、日本に行けばこのミントオイルがたくさん売っていると思っているんじゃないだろうか。日本に旅行に行く人に「本場の”japanisches Heiloel”を買ってきて」なんて言ってるかもね。