コスプレ・かわいさ・世界標準

2003.07.30 23:58

 ちょっとご無沙汰していてすみません。実はコブレンツで開かれたアニメのイベントに泊まりがけで行ってたんですよ。いや、私自身は別にアニメファンじゃないんですけどね。
 そのイベントがもう、ほんっとうに楽しくて。即売とかコンサートとかいろんな出し物があったんですが、見ていて楽しいのはなんといってもコスプレでしょう。

 コスプレをしたいという気持ちが私にはどうしても理解できないんですが、どうも非常にイイものらしい。アニメキャラとかセーラー服なんかのコスチュームを、この日のためにみんな一所懸命手作りしてきてるんだから。会場はそんな人たちでいっぱいで、きれいな格好をしている子の周りには、写真を撮る人たちの輪ができている。なんか文化祭のノリを思い出す。あの妙な熱気。

 このイベントにはドイツはもちろん、外国から来ている人もいた。日本でアニメファンて聞くと、オタク特有のじっとり、ねっとりしたイメージが浮かぶけど、ドイツのファンは女の子も多いし、ティーンエージャーがいっぱい。なんかさわやか。だから文化祭を思い出したのかも。
 びっくりしたのが、ファンたちの日本熱。日本に対する憧れは半端じゃない。日本に留学した子もいたし、独学で日本語を勉強している子もいる。私がプラプラ歩いていたら、いきなり日本語で話しかけられたりもした。それがけっこう流暢だったりするんでまたびっくり。

 ここに来る前、「アニメイベントに参加することになったの」と周りのドイツ人に話したところ、眉をひそめる人もいた。「アニメ? あんな目が大きい絵、気持ち悪い。好きじゃないよ」という反応が多かった。でもそういうことを言う人はだいたい二十代半ば以降。ここに来ている子たちとは年齢差がある。
 日本人がかわいいと思うものを、ドイツ人もかわいいと思う。それってすごいことじゃない? 以前は私はそんなこと不可能だと思っていた。だって西洋ではかわいさよりもセクシーを追求するし、たくましく自立心旺盛なドイツ人女性にとって、かわいい格好をするなんて男に媚びてる証拠。ヘタしたら軽蔑されかねない。
 でもここでは、そんなこと全然関係なし。日本的なかわいさが会場いっぱいに満ち満ちている。ある場所では男の子がアニメキャラを描いていたり、私が写真撮影を頼んだコスプレの女の子の決めのポーズが日本のアイドルっぽかったり、日本から来たアイドルのコンサートに十代の女の子が声援を送っていたり……。

 これは十年後が楽しみだ。ドイツ人の美意識は確実に変わる。この子たちが大人になって子どもを産んだら、その子にもアニメを見せるだろう、マンガを読ませるだろう。日本のテレビアニメは既にたくさん放送されている。それを日本のものだと知らずに見ている人も多い。
 日本のかわいさは、世界のスタンダードになる。

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マッパ主義

2003.07.24 23:53

 海辺や湖に行くと、全裸の人々に遭遇することがある。これ、ベルリンではそう珍しくもない光景。
 こういう人たちはFKK(エフ・カー・カー)と呼ばれている。
Freikoerperkultur(フライ・ケルパー・クルトゥアー)の略らしい。ま、平たく言えば全裸主義ですな。夏だ!裸になろう!自然に帰ろう!太陽と友だちになろう!と思っているのかどうか知らないが、まあとにかく真っ裸なわけ。
 と書くと、「ドイツってパラダイスじゃん」と思われるかもしれないけれど、実際に見てみるとあんまり気持ちのいいもんでもない。むこうは全裸で平気かもしれないけど、こっちが気を遣ってしまう。それに若くてきれいな女の人は少なくて、裸でいるのは中年以降が多い。
 FKKは特に旧東ドイツ地域に多いと聞いて、ちょっとそのあたりの事情を旧東出身の女性に聞いてみた。ちなみに彼女は25歳。
 彼女によると、旧東では幼稚園の頃から夏になると園児が裸になってすごしていたらしい。先生が園児を庭に出して水浴びさせたり、ということがよくあったという。だからみんな裸になることに抵抗がないのかな。彼女自身はFKKではないけれど、部屋で裸でいるのはOKと言っていた。
 でも現在の20歳前後を境に、裸に対する感覚は変わっているそうだ。それはドイツ統一によって旧東の教育も変わったから。若い人の全裸が少ないのはそういうところに原因があるのかも。
 どこに行けばFKKに遭遇できるか。答えは簡単。地図を見ればFKKと表示されているからそこに行けばいい。ちなみに、先週行ったWarnemuendeの周辺はFKKの表示だらけだった。でもFKK禁止の海岸もあるのでご注意を。

箱がいっぱい

2003.07.21 19:23

 もうひとつ、海岸ネタ。浜辺には屋根つきのボックスのような椅子がたくさん並んでいる。これはちょっと異国情緒を感じて好き。1時間、1日単位で貸し出している。ええと、1時間1オイロだったかな、不確かです、すみません。

円柱好き

2003.07.21 19:22

 広告塔、水道塔など、なぜか円柱の形状のものに心が引かれる。灯台もそのひとつ。灯台のポストカードを見つけると、うれしくなってつい買ってしまう。
 前回書いたWarnemuendeにも灯台がある。小さな灯台が二つ、今はもう使われていない古いものが一つ。現役の小さな灯台は、一方が緑、もう一方が赤で対に建っている。
 3年前に来たときとまったく同じカットの写真を撮ってしまった。進歩ないな。

ドイツのリゾート

2003.07.18 23:01

 やっぱ夏は海。海辺にいるのって、単純に気持ちいい。
 それで海辺の町、Warnemuende(ヴァルネミュンデ)に出かけた。ベルリンから列車で約3時間。今ならOstsee-Ticketというお得な切符も出ている。
 港があって、海水浴場があって、カフェやお店が並ぶリゾート地。3年前に来て気に入って、また来たいと思ってた町。
 ただ宿を取るのが大変で。いつも予約とかしないで急に出かけてしまうんだけど、Warnemuendeは今がシーズンだし、近くでガーデン関係のメッセが開催中ということもあってどこもいっぱいだった。結局少し離れた場所に泊ることになった。せめて前日に電話でもしておけばよかったと、少し反省。
 海はきれいで、水は冷たかった。太陽が出ていると日差しは強い。私は水着を持っていなかったからただ浜辺を歩いただけだけど、足の甲だけ日焼けしていた。

孔雀の島

2003.07.15 23:58

 孔雀がフリーでうろうろしている島がベルリンにあるんですよ。それもわりと近くに。
 ベルリンの左下(本当は南西と書くべきなんだろうけど、私の頭の中では左下のほうが通りがいいんで勘弁してください)にWannsee(ヴァーンゼー)という湖が広がっている一帯があって、そこに浮かんでいるPfaueninsel(プファオエンインゼル)という島がそれ。Pfaueninsel、日本語にすれば「孔雀の島」。そのまんま。
 Wannseeの駅から車で10分弱、バスも出てるらしいです。本土から島への渡し舟に乗って約1分。もう孔雀の島に到着です。
 島全体はうっそうとした森。小径を歩いていると、どこからか「キエーッ」という孔雀のおたけびが。そのうちに道を横断している孔雀に遭遇。人馴れしているから、人間を見ても全然怖がりません。最初のうちは面白がって写真をたくさん撮っていたら、あとからあとから孔雀が出てきて、しまいにゃ当たり前に。
 島全体はかなり広くて、散歩してもよし、芝生に寝転がってもよしで一日楽しめます。家族連れでもカップルでもOK。ベルリンに住んでいる方々、天気がいい日にどうですかね。

ラブラブラブパレード

2003.07.13 23:36

 ベルリンの夏といえば、やっぱりラブパレードなんでしょうかね。でも地元の人にはほんとに評判悪いです。子どもばっかりだし、ただうるさいだけだし、この時期はベルリンにいたくないよ、と言う人が多いですよ。私も個人的には、どちらかといえば行きたくないぐらいの気分だったのですが、ちょうど日本からお客さんが来ていることもあって見てみることになりました。
 簡単に言うと、だだっ広い路上を大音量のテクノをかけたトラックが何台もゆっくり走る、そのトラック上で人が踊っている、というものです。そのトラックの後をぞろぞろと見物客がついて行ったりします。
 でもみんな踊りっぱなしっていうわけでは全然なくて、結構ダレてます。服も別にフツーで、単に露出度が高い程度。露出してほしくないような人まで露出してたりして、見たくもないもの見せられてゲンナリ。それって一種の犯罪なんじゃないのかなあって気もするし。
 結局私はただ疲れただけでした。もう十分です。

早く食べたい

2003.07.09 23:31

 以前友人からもらったトマトの苗。黄色のかわいい花が咲いた。
 花が咲いたら次は実でしょ。いつごろ食べられるようになるのかな。どうやって食べよう。
 夢がふくらむ、楽しいプレゼント。

犯罪とタブーを一緒にすんな

2003.07.06 16:27

 このまえ日本に電話をしたら、早稲田大学のサークルが起こした強姦事件が話題になっていると聞いた。コンパで女子学生に酒を飲ませ、酔っ払ったところを外に連れ出して強姦したらしい。
 それが事実だとしたられっきとした強姦だと思うのだが、私が気になっているのは、その事件に絡んだ自民党議員の発言。太田誠一というその議員は、強姦に対して「元気があるからいい」と言ったという。こういう発言はどんな話の流れの中で出てきたのかわからないので、一部分だけを切り取ってどうこう言うのは普段ならしないのだが、さすがにこれはいけないと思った。だって強姦は犯罪だから。

 この一件で思い出したことあがる。
 数年前、JR東日本の駅張りポスターに「痴漢はタブーです」というコピーで(確か私の記憶ではそうだったと思う。もし違ってたらご指摘ください)、怒った豚の顔が描かれたものがあった。私はそのポスターに怒っていた。痴漢はタブーではなく犯罪行為だ。犯罪というのは法律に違反することであり、有罪が確定すればその罪を償わなくてはいけない。そして法律は、人が人としてこの世に生まれてきた限り、自動的に誰しもが従わなくてはならないものだ。

 どうも性に関する犯罪は軽視されがちなような気がする。もし「男の子は強姦するくらいのほうが元気があっていい」とか「痴漢に遭わなくなったら女もおしまいだよ」なんていう男の人がいたら言いたい。もし自分の娘や妻が同じ目に遭ったらどう思うか。もし自分が犯されたらどう思うか。それでもまだ同じせりふを言えるだろうか。

みちばた

2003.07.01 23:25

 ベルリンの夏というと、「道端」という言葉が思い浮かぶ。
 カフェではみんなテラス席に座る。店内はガラガラ。
 それまでただの草むらだった空き地には、ある日突然イスとテーブルが出現し、カフェになっている。
 路上もある日突然カフェになる。それもいわゆるれっきとしたテラス席じゃなくて、家で使い古されたようなフツーの家具がぽん、と路上に置いてある。粗大ゴミ? よくよく見るとそれはカフェ。でも本当に単なる道端。縁台でちょっとお茶でも飲むような気分になれる。