(このエッセイはメールマガジン「FINE NEWS」に連載されたものです)
2001年の7月上旬に2週間ほどドイツを旅行してきました。昨年の夏、ドイツの語学学校に通っていた際に知り合った友人・知人に会いに行ったのです。
目的はもうひとつありました。それは、ドイツ人が環境についてどのように考えているのかを知ることでした。
日本では、ドイツは環境に対する意識が高い国として知られていると思います。国家レベルで見ると、将来的に原発が廃止されることが決まったり、徹底したゴミの分別回収とリサイクルが行われていて、日本よりは環境先進国のイメージがあります。個々人のレベルでも、買い物の際には手提げ袋を持参したり、古い物を大切にとっているというような紹介がされています。
私は1979年の春から1年間、ドイツに住んでいました。もう20年以上も前で当時は子どもでしたから詳しいことはわかりませんが、ドイツの環境に対する取り組みがそれほど熱心なものだとは思ったことがありませんでした。もっとも、自分の意識が環境問題に向けられていなかったからかもしれませんが。
自分の中で環境について考え始めたのには、2つのきっかけがあります。
ひとつは、出版社の社員として、子ども向けと大人向けの2冊の環境問題の単行本を作る機会があったことです。でも決して自ら進んでその本を担当したのではありません。
当時の私には、環境問題を声高に叫ぶ人々に対して強い抵抗感がありました。「環境に気を遣わないなんて許せない」といった絶対的正義をそこに感じていたのです。
しかし、実際に本作りを進めていくうちに、エコロジストと呼ばれる多くの人たちが「無理せずに自分にできることから始めればいいんだよ」といっているのに気づき、次第に私の中の“環境問題アレルギー”がほどけていったのです。
もうひとつの大きなきっかけは、私自身がアトピーでとても苦しんだことでした。今でこそ海外旅行もできるまでになりましたが、ほんの3年前までは家から出るのもつらいほど症状がひどかったのです。
そのとき初めて、自分の体のことを真剣に考え、それが食べ物、環境へとつながっていったのです。この経験がなければ、私は一生、環境について考えることもなかったでしょう。
ちょっと前置きが長くなりました。こんな私がドイツで何を見て、何を感じたか、次回から書いていきたいと思います。