ラン・ナオコ・ラン

2002.09.29 21:44

 今日はベルリン市民マラソンが開催されました。あの高橋尚子選手が出場したので、テレビでご覧になった方も多いでしょう。
 私は、日本ではマラソンってテレビでしか見たことがなくて、生で応援するのは今日が初めて。高橋選手は昨年に引き続き見事優勝。ゴール地点では「君が代」が流れてました。なんかこういうのを外国で聞くと、しみじみ自分は日本人だと思ってしまいますね。

 で、高橋選手はもちろんすごかったのですが、実はマラソンの面白さというのは優勝選手がゴールした後から始まるものだと、今日見て思いました。日本では高橋選手を中心に放送していますから、高橋選手がゴールしたらそこで番組も終了ですが、この大会のもう一人の主役は実は市民ランナー一人ひとり。なんといっても「市民マラソン」なわけですから、走ってる人はほとんどが一般市民なわけです。
 高橋選手がたった2時間21分で駆け抜けてしまったその距離を、みんなは4時間も5時間もかけて走るんです。ゴール前の様子は、そりゃ面白かったですよ。
 観衆に、携帯していた使い捨てカメラを渡して、ゴール前の自分を撮ってくれと頼むランナー、仮装で走る人、観衆の一人ひとりに手をタッチしながら盛り上がるランナー、5人家族全員が手をつないで同時にゴールしたり、中には感極まって泣き出す人も。
 そんなゆる〜い空気がマラソン大会にあったなんて、私は今日まで知らなかった。このユルさがとってもいいんですよ。ほんとに。

 ところで私は今大会、ほんのちょっとだけラジオの放送に係わらせてもらいました。ほんとに少しだけ、しゃべらせてもらう機会をいただいたのです。ああ、でも慣れないことはするもんじゃないですね。もう全然ダメでした。やっぱり私は字を書くほうがいいみたい。そんなこんなで、楽しくもあり、ほろ苦さもある特別な経験をした一日でした。

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市バスで観光

2002.09.28 22:20

 ベルリンには2階建てバスがけっこう多いんです。2階のいちばん前の席は、見晴らしがよくて最高。適当にぐるぐる乗ってると、ベルリンのいろんな顔が見えてきます。

午後5時45分の虹

2002.09.27 21:28

 夕方までずっと天気がよかったのに、突然黒い雲がきて、雨にやられた。でもそのあと空を見上げたら、ほら、こんな虹。写真ではわかりにくいかもしれないけど、見事なくらいくっきりしていた。
 そういえば以前、「ドイツ人は虹を6色だと認識している」という内容を何かの本で読んだことがある。ためしにドイツ人に聞いてみたら6色だという答えが返ってきた。
 日本人は7色だと思っているはず。その違いがどこから来るのか、書いてあったのかもしれないけど忘れてしまった。本で得る知識なんてその程度。少なくとも私には。

ベルリンの色・2

2002.09.24 20:01

 黄色い自転車は郵便局。ただあるだけで、かわいい。

ベルリンの色・1

2002.09.24 20:00

 これはベルリンに限らず、ドイツのほかの街でも感じるのだけど、街全体が中間色で構成されているという気がする。
特にポイントとなるのがオレンジと黄色。通りのいたるところにはオレンジ色(グレーもある)のゴミ箱があり、地下鉄は山吹色、市電やバスは黄色がメイン。郵便ポストも黄色だ。しかもこの色の彩度が低い(っていい方する?)というのか、ちょっとくすんだ色合いなのが特徴。これに建物の壁のグレーやクリーム色、若草色とかがうまい具合に溶けあって、全体が調和している。
 日本の場合は、基本的にビルはグレーで、その中に超ピンクとか超ブルーみたいな、絶対に周囲に溶けこまない色が使われているように思う。やっぱり日本はアジアだなと感じる。その「何でもアリ」感が魅力的に映る。

選挙フィーバー

2002.09.22 22:00

 クソ寒い。おまけに昨日も今日も雨。
 日本から持ってきたウィンドブレーカーが連日手放せない。これは、そのままスノボへGOって感じの「軽い・薄い・暖かい」と三拍子そろった代物で、おなかのところにドラえもんみたいなポケットがついているという素晴らしさなのだが、その機能性ゆえにいまいちハードな雰囲気が漂い、買ったもののあまり着ていなかったのだ。ところがここでは大活躍。出番が訪れてよかったよ。

 ドイツでは今日9月22日は選挙デー。ドイツの2大政党はSPDとCDUで、現在第一党はSPD。ちょうど今テレビで開票速報の番組が流れてるけど、前評判どおり非常に僅差。でもこの手の番組は日本のほうが賑々しい気がする。日本の場合、一種のお祭りみたいな感じじゃない? いろんなところから中継が入ったりして。さっきからテレビ見てるけど、今のところそういう雰囲気はない。さて、結果はいかに?

所在の無さも、いつかは

2002.09.20 20:12

 ベルリンに来て、生活のペースもできてきて、襲われたのが「所在の無さ」感。こんな感覚は初めて。2年前ケルンに2ヵ月いたときは、まったく思わなかったのに。あのときは、日本に帰る日が最初から決まっていたからだろうか。それとも、子どもの頃から知っていたケルンと違って、ベルリンは大人になってから知った街、つまり私にとってまさに「外国」だからだろうか。
 ベルリンには、郊外のRathenowに住んでいる友人しか知り合いはいない。あとは、いま部屋を借りているところのファミリーと、語学学校の友人と先生。
この街にしばらく長居するつもりだから、自分の足場がほしくなった。

 ……ということを私の友人にメールしたら「上京の経験がない私たちは、本当に一人になったことがないから」という返事が返ってきた。
 彼女は私と同い年で、生まれも育ちも同じ中央線沿線、職業も同じくライター、興味の対象も似ているときてる。お互いの持っていたカメラが、偶然すべて同じ機種だったというのにも笑った。
 そんな彼女のいうことは、いつももっともだ。私には上京の経験がない。私はずーっと家族とともに住んでいたし、やっと家を出たあとも隣の駅に住んでいるという弱々しさ(ただし、それは家族のそばにいたかったからじゃなくて、その駅に住みたかったから)。
 進学や就職で上京した経験がある人なら、きっともっと強いのかも。

 でも最近、すこぉーしずつ、いろんな人と知り合いはじめているので、この「所在の無さ」感も、きっともうすぐ消えていってしまうんだろうな。半年も過ぎる頃には「私、そんなこと思ってたっけー」なんていってるに違いない、きっと。

ベルリンでアルモドバルを観る

2002.09.16 17:01

 土曜の夜、映画を観にいった。タイトルは“Sprich mit ihr”(原題はHable con ella)。
 これは私の最も好きな、スペインのペドロ・アルモドバル監督の作品。彼の作品が今ちょうど上映中だと知り、小躍りして映画館に行ったというわけ。

 意識がない、昏睡状態に陥った2人の女性をそれぞれ世話する2人の男性の話なんだけど、よかったと思う。私が彼の作品でいちばん好きなのは「神経衰弱ぎりぎりの女たち」。その次が「ばちあたり修道院の最期」、それから「ハイヒール」、「オールアバウトマイマザー」って感じで続くんだけど、今回の作品はその次あたりに入るかどうかという印象(ってことはベストではないってことでもある)。この作品、日本でもう公開されてる?

 うれしかったのは、冒頭のシーンがピナ・バウシュ(ドイツのダンサー。彼女の作品を今年の5月に日本で観て、このコーナーで書いてます)のダンスシーンで始まること。ラストシーンもピナの作品。

 しかし、私の大好きなアルモドバル作品をベルリンで観られるとはね!
 ドイツでは、外国映画はドイツ語に吹き替えられているのが普通。でも、吹き替えは、役者の演技を半分以上失わせることになると思うから、私はどうかと思うのだが。そのことを語学学校の授業で話したら、逆に字幕は読むのに集中してしまって作品を楽しめないといわれた。なるほど、そういう考え方もあるわけね。
 ただ、仮にドイツ語の字幕だったとしたら、きっともっとわからなかった。読んでるヒマないはずだもの。もちろんドイツ語の吹き替えでも、細かい状況は理解できなかったけど、映像に大いに助けられてストーリーはつかめた。

 映画終了時はもうすっかり夜。人々が行きかうのを見ていたら、ベルリンは夜のほうが活気づく街だなあという気がした。まだあんまり夜遊びしてないからわかんないけどね。

ほんとの秋が来るのかな

2002.09.14 16:44

 9月1日にベルリンに来て、2週間とちょっと。これまでずっと青空が続いていたのに、今日初めて小雨に降られた。服装も、今までは長袖シャツ1枚でちょうどいいくらいだったけど、今日はジャケットを羽織らないと寒い。いよいよ本格的な秋がやってくるのね。
 秋が来たら冬もすぐそこ。ドイツの冬の厳しさは、さんざん人から聞かされてきたから覚悟はしてるけど、やっぱり憂鬱。日本でさえ、冬は日が短くて、寒くて嫌なのに。

熊コンベンションだ

2002.09.11 05:24

 ベルリンの紋章といえば熊。ここには今、125カ国からやってきた熊が大集合しています。黄色とかストライプとか、いろんな種類があるんですよ。
 実はこれ、互いの国をよく知ろうという企画で、各国から選ばれたアーティストが、自国のイメージを熊のボディにペイントするというもの。見てて飽きない。楽しいです。ブランデンブルク門そば。

 昨日は警察に行って、Polizeiliche Anmeldung(住民登録)をしてきました。何の手続きをするにも、このPolizeiliche Anmeldungを済ませていることが前提なので、ひとまずホッ。この手続きについては、近日中にEssay01で詳しく書くので、興味がある方はそちらへどうぞ。

ベルリン郊外・お祭り見学

2002.09.09 19:55

 週末、ベルリン郊外のRathenowというところに行ってきました。ここに友人(日本人女性)が住んでて、週末はちょうど街のお祭りがあったので、遊びに行くことにしたんです。Berlin Zoo駅からREという列車で1時間弱。川と緑に囲まれた気持ちのいいところでした。

 祭りはというと、広場に仮設の舞台がこしらえてあって、わりとのんきなコンサートが開かれてたり、移動遊園地が来てたり、ビールや豚の丸焼きの屋台なんかが出てるというもの。食べましたよ、豚の丸焼き。ぜんぜん脂っぽくないの。焼いてるうちに全部流れちゃうのね。豚はほんとにあの姿のまま串(棒というべきか?)に刺さっていて、ぐるぐる回っていて、しまいには肉がそがれて骨が丸出しというむごい姿に。

 夜は友人の家に泊まったのですが、そこで気に入ったのが“Gesichts–Sauna”。顔サウナ、要するに顔にスチームを当てる器具。はるか昔、日本で一瞬流行った超音波美顔器を思い出したわ。
 実際やってみると、ボウル状の容器の中からぶわっと蒸気が。そこに顔をパカッと当てるといい気持ち。毛穴が開いて肌がきれいになるらしい。いいなあ、これ。値段も5オイロ(ユーロ)ちょいだというから安いし。ずーっと続けたら、赤ちゃんみたいなつるつる素肌になれるかも?

 それにしても、友人はお菓子職人で、料理が上手。パパッと夕飯を作ってくれたりなんかして、感激。やっぱり料理ができるって素敵。私もいつかは料理上手に……あれ、10年ぐらい前からおんなじこと考えてなかったっけ。

わたし的ドイツ

2002.09.07 17:33

 私が持ってるドイツの住宅のイメージって、こんな感じ。このそっけなさとか、街路樹とか。もちろん、ほかにもいろんな雰囲気の住宅があるので、これがすべてじゃないですよ。あくまでも、私にとっての典型です。

ベルリン市内観光ですよ

2002.09.04 05:13

 語学学校の時間割というのは、たいがい午前中が授業で午後からはフリーということが多いんじゃないかと思う。それで、午後は生徒が自由参加できる、いろんなプログラムが用意されていたりするんです。
 今日はベルリン市内観光のプログラムがあったので、街の様子をよく知らない私はそれに参加。先生がベルリンの見所をたっぷり1時間半以上かけて案内してくれました。もちろん全部ドイツ語ですよ。

ベルリンは広いので、ドイツのほかの都市みたいに徒歩で市内を回るのはとてもムリ。でも、1日券を買えば、市内のバス、Uバーン(地下鉄)、Sバーン(いわゆる電車)、市電がどれも乗り放題なので、旅行でくるならぜひこれを買いましょう。
ベルリンのイメージといえばブランデンブルク門かな? ところが、行ってみたらなんと工事中。あらら。いつまで続くかわからないといわれてしまった。最近のシンボルならソニーセンターかも。その周辺は相変わらず工事が続いていて、クレーンが建ち並んでます。でも2年前に私が旅行でちょろっと来たときは、あたり一面工事中だったので、そのときに比べればだいぶ整ったという感じ。

 ベルリンに来て思ったのは、みんな話す速度が速いなあということ。そのことを先生にいったら「でも私はオーストリアから来たのよ」だって。ほかの先生もミュンヘンから来たといってたし、生粋のベルリンっ子っていうのは少ないのかもね。

ここはベルリン

2002.09.02 20:32

 きのう(9月1日)ケルンからベルリンへ移動して、無事ベルリン到着。
 2年来お世話になっているケルンの元ホストファミリーは、相変わらず親切でいろいろと連れてってくれた。2年前に知り合ってから毎年夏にあってるけど、行くたびにすぐになじむ気がするのよね。「ベルリンに行って何か困ったことがあれば、いつでも電話して」と言ってくれた。ありがとう。
 ベルリンでのホストファミリーはというと、これがケルンのときとはまただいぶ感じが違う夫妻なのだけど、やっぱり親切。今日は学校が初日だったので、学校までファミリーがついてきてくれて、どの電車に乗ったらいいのか、どこで乗り換えたらいいのかを教えてくれた。
 ベルリンの街の様子はこれからだんだんと書いていくので、お楽しみに。写真もアップしますよ。