最近日本づいてて、先週の『GO』に引き続き、きのうは『描かれた顔』を観てきた。これは、坂東玉三郎のドキュメンタリー映画で、玉三郎が女形を演じるということについて語っている部分と、玉三郎自身が演じているシーン、それに加えて杉村春子と武原はん、大野一雄らも登場している。この面々を聞いただけでも、なんかおもしろそうな気がしない?
既に亡くなった人が出ていることからわかるように、この映画が制作されたのは1995年らしい。当時、日本で公開されてたのは知ってたけど、どうしても観たいとは思っていなかったし、そう思わない限り、あっという間にすべてが過ぎ去ってしまうのが日本の生活だったので、観ずに終わっていた。
ベルリンでは基本的に仕事をしていないというせいもあるけど、ちょっと興味を引かれたことを気軽にやれる環境にある。そんなわけで、きのうもヒョイヒョイと観にいったのだ。
いやー、なんか自分の中の日本人の血が騒ぐっていうのか、やっぱり日本のものはいいわ。もともと文楽が好きで、ときどき行ってたけど、あの笛や鼓の調子、そして何より玉三郎の目線や動きの線がなんともいえない。
映画が終わるころには、すっかり自分も踊りたくなってしまった。前にこのコーナーで、オペラを観て小唄をやりたくなったと書いたけど、今は日本舞踊もやりたい。もともと去年の夏、バリ島でバリ舞踊を観て以来、日本舞踊を習いたい気分になってたのよ。そりゃあ、玉三郎みたいな動きができるとは思わないけどさ。