ドキドキ初仕事

2003.02.24 23:34

 ドイツに来た当初、こっちで働くことなんて思いもよらなかった。だって私の仕事は言葉が道具。それをドイツ語でやるなんて、とてもじゃないけど無理だもの。そもそも私のビザじゃドイツでお金をもらうことはできないし。
 ずっとそう思ってたら、ある日友だちから「せっかく長くドイツにいるつもりなら、プラクティコムでもやってみれば?」といわれた。あ、そうか、その手があったか、と目からうろこ状態だった。
 プラクティコムというのは職業研修のことで、無給またはごく少額の給料で働きながらその仕事について学ぶというもの。日本では学校を卒業したらいきなり社員として働くことが多いけど、こっちではプラクティコムをしている学生が多い。学生のうちから仕事になじんでいるから、入社後3日で辞めました、なんてことが起きにくくていい制度だと思う。

 ただ私のドイツ語はいつまでたっても満足いくレベルにならないし(先は長い)、働く自信なんて全然持てなかった。そんなとき、ふと「そのうちどこか出版社でプラクティコムをやりたいなあ」と知人に漏らしたら、じゃあまずは履歴書を送らなきゃ、書くの手伝ってあげるから、ということで話が一気に進んでいった。で、書きあがった履歴書を数社に送ったら、そのうちの一社から返事が来て、あれよあれよという間に本日初仕事という運びとなった。ちなみに無給です。

 いやー、やっぱり働くのって大変。日本語だったら簡単なことも、ドイツ語でやるとなるといちいち時間がかかってしょうがない。ちゃんとできているかどうかも確信が持てなくて不安がつきまとう。
 でも私はここでいろんな体験をしてみたかった。だからこれは本望。これからまた、新しい経験をたくさんしたい。ほんとはお金もほしいけど……。

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春じゃん!

2003.02.22 19:00

 今朝目がさめたら部屋が明るかった。きのうまでとは光が違う。光に力がある。影がくっきりしている。これはもう春、春だよ!
 うれしくなって表へ出た。今日は土曜だから食品の買いだめもしようと思っていたし、市場に行くか。
 土曜は、街のあちこちにある広場に市が立つ。前に紹介した蚤の市とは違って、野菜や花、チーズなんかを売っている市場。値段は普通のスーパーよりむしろ高いときもあるけど、質がよさそうだし、有機野菜もたくさんある。にぎやかなところが好きな私は、その雰囲気に惹かれてよく行っている。

 市場に行く途中、カフェを通り過ぎた。そしたらなんと、路上にテラス席が出ている。お客さんたちはコートを着ながらも、そのテラスにぎっしりだ。
 ドイツ人はきっと、私よりも数倍、光には敏感なはず。私だって今日の光で心が躍ったのだから、彼らの喜びはもっと大きいに違いない。

日常の劇的空間

2003.02.17 23:57

 ベルリン市内は地下鉄がくまなく張り巡らされていて、車なんかいりません。
 地下鉄は駅ごとに造りが違うので、下車する楽しみがあります。
 写真はWittenbergplatz駅。特別好きな地域ではないけれど、老舗高級デパートのKaDeWe(カーデーヴェー)があるので、旅行で訪れた人も多いはず。面白みのない駅が多いなか、ここはちょっと風情があります。構内の窓から光が射し込むと、なんだか劇場みたいでしょ。

インターナショナルね

2003.02.14 00:24

 ベルリンでは16日まで国際映画祭のベルリナーレが開催中。開幕日にはハリウッドスターがベルリンに来てて、そのニュースでもちきりだった。
 このチケットを買うのがけっこう大変だったらしく、発売日の朝から列ができてたらしい。朝早く行って並んでも、自分の番が回ってきたときには、見たい作品のチケットは売り切れてた、なんて話も聞いた。
 私は別段映画ファンでもないのでそんなに興味はなかったんだけど、プログラムを見てたらショートフィルムを何本もやる回があったので、それを観にいってきた。チケットは知人が一緒に買ってくれたのだ。
 劇場の椅子に座ったら、隣からはスペイン語と思しき言葉が聞こえてくる。進行はすべて英語で、各作品の上映後に監督の舞台挨拶があったけど、それも全部英語。うーん、さすが国際映画祭ね。

土曜の夜はギャラリーに行こう

2003.02.11 23:52

 ベルリンにはギャラリーがごまんとあります。特にAugust str.(アウグストシュトラーセ=アウグスト通り)のあたりは、軒並みギャラリー。美術館とはまた違う趣向があるし、何よりただでいろんな作品が観られるので、お金のかからない楽しみ方としておすすめ。
 ギャラリーで新しい展示が始まる日の夜は、オープニングパーティが開かれます。たいてい土曜。私はよく同居人と一緒に、このパーティに紛れ込んでいます。誰でも入れるし、タダ酒も飲めちゃったりする。
 何回も行ってると、毎回同じギャラリーのパーティで、同じ顔にあうようになってきます。それで、馴染みの顔同士でおしゃべりをして過ごす。オープニングパーティって、そんな感じ。オープニングパーティのはしごも、よくやってます。

なんとなく日が延びてきた

2003.02.05 23:07

 語学学校に行っていると、毎日同じ時間に家を出る。これまでは外に出るといつも「暗いなー」と思っていた。でも、最近なんだか出かけるときも、ほの明るいのよね。
 考えてみれば冬至も過ぎたことだし、これからは日が延びるいっぽう。ってことは春も近づいてるってこと。ほんとうにあったかくなるまでには、あと数ヵ月はかかるだろうけど、兆しが見えるのはうれしい。
 日が長くなる時期は、世界すべてが生命力にあふれているようで心がはずむ。逆に日が短くなる時期は、人生の終盤のように思えてさびしい。いまは寒いけど、春への希望がある。明るい気持ちになれるから、秋よりも好き。

入ってみれば別の顔

2003.02.02 16:36

 ベルリン市街の建物の構造は、ホーフと呼ばれる中庭があることが非常に多い。入口から通路を抜けると、そこにぽっかり庭があり、その周りを建物が取り囲んでいる。ガイドブックに載っているハーケッシャホーフもそう。通りを歩いているだけではわからないギャラリーやカフェが、ホーフの奥にあったりする。
 だから、街をブラブラするときは、なるべく建物の奥にまで入ってみるといい。思いがけない光景にめぐり合うこともあるかもしれないから。