ケーキでも買って帰ろうかなと思い、お店へ入った。ショーケースにはいろんな種類が並んでいて、どれもおいしそう。熟考の末、いざ注文。
えーっと、と頼もうとしたら「全部で何個?」と聞かれた。2個です、と答えると、お店の人が紙皿をとって、私が頼んだケーキを並べる。そして上からワックスペーパーをくるくるっと巻いて、どうぞと差し出されたのが写真の状態。
どう思います?この包み。日本は持ち帰るとき、箱に入れてくれるでしょう。それに比べ、この大ざっぱさ。家まで崩さずに持って帰れるかしら。ちなみにこの店はちゃんとしたお菓子専門店で、ほかのお菓子屋でも持ち帰りの包みは同じような状態です。
しかし裏を返せば合理的ともいえるわけ。ゴミが少なくて済むわけだから。ちなみにこの「合理的」という言葉、ドイツのいろんな事柄を一言で片付けることができて便利です。
紙皿の底を手で抱えながら、バスを乗り継ぎ、家に帰った。ワックスペーパーを取ってみたら、ちょっとずれてはいたものの、幸いケーキは無事だった。しかし道中、神経を使ったことといったら。日本なら、1時間ぐらいかけてデパ地下なんかから持ち帰ることもあるけど、ドイツではこの包みからすると、お菓子屋の商圏が極端に狭いのだろうか、などと考えたりする。
ちなみにフランスでは、持ち帰りたいというと、全体をピラミッドのような四角錘に包んで、頂点に紐をつけ、手でぶら下げられるようにしてくれると聞いたことがある。かわいらしい形が目に浮かぶ。
ケーキの包み方ひとつとってみても、お国柄が表れるってことなんだろうか。