2010年8月アーカイブ

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 現代よりも50〜60年代のデザインが好みだとたびたび書いているけれど、私がもっとも気に入っているティーカップもやっぱり50年代デザイン。

 この写真のティーカップがそれ。コーヒーのペーパーフィルターを発明したことで有名な、ドイツのメリタ社が50年代に発表した「ミンデン」というシリーズ。おそろいでケーキ皿やコーヒーポット、ミルク入れもある。
 ちなみにミンデンとは、メリタ本社がある都市の名前。一度行ったことがあるけど、本当にこぢんまりとした町。ドイツは中小都市が多くて、なんていうかこう......若い人が楽しめる場所が少なそうな印象の町が多い。

 「ミンデン」シリーズの色は、このペパーミントグリーンの他にイエローやピンク、ブルーがあって、どれもパステルトーンのかわいい感じ。
 でも、私は圧倒的にこのペパーミントグリーンが好き。このなだらかで優美なラインに、この色。文句のつけようがない。
 なんでこの当時のデザインは、こんなに素晴らしいんだろう。そして、なんで現代にはこういうのがないの?

 このカップは、ある日蚤の市で見つけて買ったもの。でも、底に刻印されたロゴに擦り傷が入っている、いわゆる傷もの商品。まあ、私自身はあまり気にしないし、日常でどんどん使いたいから、かえって気軽かもしれないな、とも思ってね。

 好きなものは積極的に使いたい。値段が高かったからといって、戸棚にしまっておくのはもったいない。使ってこそ、その商品も本望じゃないかな、と。

 実は、洗っているときに2客あるうちの1客を落としてしまい、縁が欠けてしまった。でも割れたわけじゃないから、欠けた方は私が使うことにして、きれいな方をお客さん用に。そうやって、これからもずっと使いたい。
  
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秋号No.107がただいま発売中です。
 この号の「世界の雑貨News」コーナーでは、かわいいカフェをご紹介しました。

 このカフェの韓国人オーナーは、パリと東京に住んでいたことがあって、日本語ペラペラ。ベルリンへいらした際は、このオーナーに日本語でベルリンのことを質問できますよ。

 お隣は奥様が経営しているヴィンテージショップで、かわいくてお値段も手頃なグッズがたくさんあります。
 ベルリンへいらした際は、ぜひ。
 
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 いつものように非常に遅い午後に目が覚めると、友人から電話がかかってきた。アーティストの彼女とは、仕事で知り合って以来、ときどきお茶などをしている。
「近くのカフェにいるので、よければ来たら」というお誘いだった。

 彼女といると、非常に勉強になることが多い。センスがよく、発想が自由で、お金をかけなくても素敵なものを生み出してしまう。
 そのクリエイティブな生活を私はとても尊敬しているし、そういう考え方を紹介したいと思って本を書いているつもり。そして、ベルリンにはそういう人が多いんだ。

 日曜の1日を一緒に過ごして、彼女の視点をちょっと学んだ気がするので、ご紹介。

 まずはカフェでラテマキアートを1杯。安い店だったので、わずか1.5ユーロ(余談だけど、今1ユーロが108円台! 超ユーロ安)。

 それから散歩し、その途中で教会に寄る。ちょうど展覧会をやっていたので見学。
 礼拝堂の片隅にピアノを見つけた彼女は、興味津々でそれを弾いてみたいと言う。趣味で音楽活動をしているので「ここでコンサートができたらいいなあ」と言い出した。

 この辺からして、もう発想が私と全然違う。私だったら教会でコンサートをしようなんて、夢にも思わないもの。

 で、許可を求めた結果、別の日なら弾けるかも、ということになった。もしかしたら近い将来、本当にこの教会でコンサートを開いてしまうかも。
 こうやって、新たなことがどんどん開けていくんだよなあと実感した。

 その後、友人のアトリエへ。新しい作品などを見せてもらいながら、おしゃべり。
 
 そして、また散歩。その途中で、路上に放置された家具や食器類を発見。どうやらクローズした飲食店が、店内の什器を放出したらしい。まさに、もってけドロボー状態。
 もちろん、彼女はそこで持ち前のセンスの良さを発揮し、吟味の末に食器類を入手。
 インテリアの取材をしていると「これは道で拾ってきたの」という話をよく聞くけど、今日それを実践したというわけ。

 それからまたまた歩いて、アイス屋へ。アイスはシングル80セント。2個食べても1.6ユーロ。安いでしょ。

 その店先で、彼女は今度は捨てられていた自転車の車輪を発見。ばらされて一つしかない車輪で、普通の人にとってみれば、ただのゴミ。
 でも、何かアイディアがひらめいたらしい彼女は、その車輪を持ち帰ることに。

 そういえば、この車輪を天井から水平につるし、にいろんな飾りをモビールのように下げて、ディスプレイにした例を見たことがある。彼女もきっとゴミ同然の車輪を、素敵なものに変身させてしまうに違いない。

 とにかく彼女には先入観というものがないと思うし、自由な発想ができる。何事も最初からムリと決めつけず、素直に聞いてみる行動力がある。

 そういうの、私ももっと学ばないとなあ。ベルリンに来てから、そういう点はずいぶん経験したけど、彼女からはもっといろいろ学べる気がする。

 東京にいた頃は、お金がないと何もできないように思っていた。でも、ベルリンではまだまだこういう自由さがあって、お金がなくても楽しめる。

 そういうベルリンのよさを、私はもっと感じたいし、紹介したい。
 ちょっと違う視点を知ることで、日本の暮らしがもっと楽しくなったらいいなと思う。
 
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 前回の続きということで、羽を広げる若いオスクジャクの写真を。この写真もテキストに載せたかったのだけど、残念ながらもれてしまった。
 これは5月頃に撮ったもので、今でもアピール中かどうかはわからない。

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 孔雀島では立派な羽のオスクジャクをずっと張ってたんだけど、羽を広げてくれなかったのは前回書いたとおり。この求愛行動は4月頃までらしいので、一足遅かったのかも。

 でも、その横で、この若いオスたちが懸命に羽を広げていた。羽がブルブル震えているのが、なんだか必死な感じで、でもちょっとおかしくて。
 だけど、周りのクジャクは全然見ていない。なんかちょっと気の毒な気もした。

 でも若いからね。これからよ。

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 ドイツ語勉強中のみなさま、今月もNHKドイツ語講座テキスト『テレビでドイツ語』が発売になりました。
 4月から始まったこの講座も、半年で一区切り。仏・伊・西語と共通の企画「EURO24」も9月で終了です。
 10月からは、また新たな形で始まるので、ドイツ語の勉強はこれからも続きますよ。ご安心ください。

 そして、私の連載「ベルリンからの小さな旅」もあと半年続きます。勉強の合間に、この読み物でひと息入れていただけたらうれしいです。

 9月号では、ベルリンの西にある孔雀島へ行ってきました。その名の通り、島内をクジャクが自由にヒョイヒョイ歩き回っています。そして実は、この島はユネスコ世界遺産にも登録されているんです。

 場所はベルリン中央駅からSバーンで30分弱のところ。本当にあっという間で、週末ちょっとリフレッシュするのにもってこいの島です。

 クジャクと出会うのは簡単。「アァーッ」という、ネコが叫んだような声のする方向へ行ってみればいいんです。これまで何回か行った経験では、お城の辺りにいる確率が高いです。

 当然のことながら、オスのクジャクが羽を広げたところを写真におさめたかったのですが、春じゃないと難しいようでした。
 私にもうちょっとメスとしてのアピール力があれば、あるいは羽を広げてくれたのかも。でも、たとえ広げなくても、間近で見る青く、長い羽はとてもきれいです。

 しかし、まだ羽の短い、若いオスは、しきりに羽を広げていました。やっぱり若いからなのか......。
 もっとも、精いっぱい広げたところで団扇ぐらいの大きさですが。
 その写真は撮ったので、次回にでもお見せします。
  
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 ベルリンでも私の食生活は基本的に和食だけど、ときどきドイツパンを食べるとおいしいと思う。

 ドイツパンというと、ライ麦パンを想像する人も多いかも。確かにライ麦パンはドイツ(特に北部ドイツ)を代表するパンだけど、ドイツにはいろいろなパンがあって、種類の豊富さは世界一と言われている。

 私が特に好きなのは、このドライフルーツとヘーゼルナッツがたっぷり入ったパン。だからお値段もほかのに比べてやや高めだけど、たまに贅沢してもいいだろ!という気持ちで買っている。

 そのパンに、Almetteというフレッシュチーズを合わせるのが大好き。私はチーズはどちらかというと苦手だけど、これはクセがなくておいしい。
 このチーズとママレードを合わせて、それだけで食べてもいいと思う。

 ドイツは、本当に乳製品がおいしくて安い。日本では、なかなかおいしい乳製品に巡り合えない。しかも最近じゃ、いろいろ混ぜた牛乳もどきの飲料も売れているとか。

 味の好みはまったくもって個人の自由だけど、牛乳にしろビールにしろ、私は「もどき」商品は好きではないなあ。
 値段が安いからという理由でもどき商品を買うのなら、その分回数を減らしても好きなものを買いたい。
 ま、自分1人の生活だから、それが可能なんだろうね。育ち盛りの子どもがいたら、話はまた別なのかも。

 とにかく、ドイツでおいしいパン&乳製品を買えるのはありがたい。そのかわり、ドイツでまずいものもいっぱいある。食材はいいけど、調理されたものは期待しないようにしているし。

 総合的に見れば、食のレベルは圧倒的に日本の方が高いと思っているので、日本では日本のおいしいものを食べるのが楽しみ。
 って、さっきからネット上に刺身のバナー広告が繰り返し表れて、私を日本に帰らせようとしているんだよな......。

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 前回「ドイツのレトロでかわいいデザインを紹介できるようにします」とか書いておきながら、いきなりデンマークのデザインですみません。でも、念願のスタンドライトを購入してうれしいので、書いてしまう。

 壁の色と同様に、数年前からずーっとスタンドライトがほしいと思っていた。天井からのライトが疲れるなあと感じることがけっこうあって、間接照明を増やしたかったから。
 
 私が求めていたタイプは、移動が簡単にできてライトの角度が変えられ、高さも調節可能なもの。もちろんデザインが気に入ることが大前提。

 でも、スタンドライトというのは、意外に選択肢が少ない。自分の好みを考えると新品を買うつもりは毛頭なかったから、機会があるごとにセコンドハンドショップを見て回っていた。
 それでもなかなかいいのがなくて、そうこうするうちに数年が過ぎていた。

 モノとの出合いというのは、本当に縁だと思う。いくら探しても、縁がないときは出合えない。
 でもついに!その日がやって来た。

 ある日街を歩いていたら、ショーウィンドウに白いスタンドライトが立っている。何だかよさそうなたたずまいだけど、あいにく店は閉まっていた。
 家に帰ってからもずっと気になっていたので、次の日出直すことに。「冷静にならなきゃ」と言い聞かせつつも、まっしぐらに店に向かい、いきなり「これはいくらですか?」とお店の人に聞く。

 ちょっとしたヴィンテージのライトだと、ヘタすると100ユーロ超えることもある。でも、これはそれよりもはるかに安かった! 買うこと決定!

「これは60年代のデンマーク製なんですよ」と、お店の人。あぁ、やっぱり私はこの時代のデザインが好きなんだな。どうして現代にはこういうデザインがないんだろう。

 そして今、私の部屋で大活躍。夕方は壁を照らしてほどよい明るさにし、寝るときはベッド脇に移動させ、ライトを下向きにして読書灯に。

 これで、だいぶ好きなものが集まった。欲を言うとあと一つだけ、ほしいと願っているものがあるんだけど、それはいつかご縁が来る日まで待つことにしようっと。
  
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 現在発売中の『カフェ‐スイーツ』(柴田書店)9月号vol.114の特集は「カフェのインテリア」。
 この号の「ベルリン&サンフランシスコのカフェインテリアに学ぶ!」コーナーで、ベルリンのカフェをご紹介しています。ぜひ書店でご覧ください。

 ドイツのインテリアというと、「質実剛健な感じなの?」と言われることが多いんですが、ベルリンは違うんです。
 全般的にミックステイストで、クリエイティブ。センスが良くて、私はいつも感心しています。インテリアやデザインに興味のある方は、ぜひ一度ベルリンにいらしていただきたいと、切に願っています。

 この号を読んでいて感じたのは、ベルリンのほうが日本よりミックステイストインテリアで、より多くの色が使われる傾向があるということ。
 壁に色をペイントしたり、壁紙を貼ったりと、空間の広い面積を占める部分に色や柄、または質感で変化をつけていることが多い。

 それに対して、日本は白×ウッドの茶色でナチュラルにまとめているケースが多いみたい。シックよね。和×北欧デザインも相変わらず人気のよう。

 日本人のほうが、インテリア感覚がよりナチュラルなのかな。まあ、今みたいな暑い夏には赤く塗った壁だとより暑く感じたりするんだろうけど......。
 白×ウッドももちろん素敵だけど、グレーとか、モーヴ色とかを一部分でいいから壁に塗ると、ぐっとおしゃれな感じになると思うんだけどな。どうだろ。

 または、こういう空間に、ドイツの50年代の布張りひとり掛けソファを置いてもかわいい気がする。オレンジやモスグリーンとかの。差し色としても効果的だと思うし。あの椅子なら小さめだから、日本のサイズにも合いそう。でも、そういう商品が輸入されてないのよね......。

 最近繰り返し書いているけど、本当に50〜70年代のドイツデザインはいいんだけどなあ。
 北欧インテリアも素敵だし、実際私も好きだけど、ドイツのレトロでかわいいデザインを、みなさんにもっとご紹介できるようにします。
 
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 この「わが家改造計画」シリーズ、一応今年の2月から続いている。前回はキッチンに棚をつくった話をこのコーナーに書いたけど、今回は壁のペイント。

 もう何年も前から、私は部屋の一面だけをブルーグレイに塗りたかった。私のアパートは日本式に言えば1Kの間取り。つまり一つしかない部屋を、仕事部屋・リビング・寝室として使っている。
 いつもこの部屋で仕事をしているもんだから、もっと落ち着ける空間にしたかった。ブルーグレイにすれば、きっと心穏やかに仕事ができる(別にいつもカッカしてるわけじゃないけど)と思ったのだ。

 そうは思っても、実行に移すのはなかなか面倒というのが現実。しかし、ついにその機会が訪れた。

 まずはホームセンターに行き、道具一式を購入。ペンキの色は、お店にあるカラーチップの中から自分のイメージに近いものを選ぶと、その場で指定通りの色にブレンドしてくれた。ブレンドは全部コンピュータ制御らしい。驚く。

 そして、いよいよペンキ塗り。最初はビクビクしながら塗ってたけど、だんだん調子に乗って、ローラーでゴロゴロ塗っていく。一面塗っただけなので、3時間弱ぐらいで終わった。素人目には、ムラもなく、きれいに仕上がった。

 色がつくと、部屋の印象がまったく変わる。それまで使っていた家具やライトが、なんかきれいに見えてきたから不思議。すごく満足。うれしい。

 このペイント体験の様子は、いつかきちんとした形で紹介する予定です。そのときはこのコーナーでお知らせします。

 インテリアをいじり出すと、どんどん変えていきたくなる。次は......本棚かな。

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 5月26日付のこのコーナーで、友人のクラインガルテン(ドイツ版市民農園)でズッキーニの苗を植えてきたと書いたけど、この前久々に行ったら実がなっていた!
 あんなヒョロヒョロだった苗が、こんなに大きくなっちゃって......。感激!

 とにかく2ヵ月前はほとんど何も植わっていなかった庭が、今は野菜でいっぱい。友人に言わせると、「ちょっと目を離したすきに、どんどん伸びてる」んだそうだ。それがわかるような気がする。

 今は、ジャガイモ、トマト、ズッキーニ、豆類、トウモロコシ......たちが日々生長している。どんどん大きくなって、どんどん収穫。食べるのが追いつかなさそう。

 おみやげに、ズッキーニをもらってきた。私が植えたズッキーニ(植えただけだけど)。絶対においしい。おいしいに決まってる!
 
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 1000人以上の人の前で歌う機会って、人生でそうそうあるもんじゃない。でもね、ベルリンなら、それがいとも簡単にできるんだな。

 我こそはという方は、日曜の午後にマウアーパーク(壁公園)で開かれているカラオケ大会へ。丘の斜面にずらーっと観客が座っているからすぐにわかるはず。
 そこへ行って、曲を選んで、あとは歌うだけ。「イェ〜イ」と叫べば、1000人を超す観客が「イェ〜イ」と返してくれる(はず)。
 
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