2015年6月アーカイブ

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表紙です! お求めは全国の書店でね


(*ベルリンのお店やライフスタイルに関しては、在ベルリンガイドの松永さんとの共同ベルリン情報ブログ「おさんぽベルリン」をぜひご覧ください。バリバリ書いてます)


「フリマメイドのインテリア」「世界のインテリアTOPICS」の2本を連載しております『Plus 1 Living(プラスワンリビング)』No.91 Summer2015(主婦の友社)が発売になっています!

 ええと、まったく知られていなかったようなのですが、「フリマメイドのインテリア」の撮影は、毎回わが家で行っているんですよッ(←どや顔)。
 ページに登場する背景や家具、小物はぜ〜んぶ私が日常で使っているものなんです。撮影用に借りたりはしてないです。

 なので毎回、テーマに合わせてどこでどう撮るかを、カメラマンのハンスさんと相談しながら撮っています。これは楽しい作業ですね。いつも同じものが登場しないように、っていう言い訳で、家具や雑貨をフリマで買えますし。

 今回はフリマでときどき見かける「初日カバー」という記念切手+封筒アイテムを使ったアイディアをご紹介しています。

 この撮影場所となったのは、キッチン。いつもはこんなふうです。誌面と見比べてみてください。
 私は、明るくて、緑が見えるこのキッチンが、だい好き。朝、ここでコーヒーを飲むのが至福のひとときですね。

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誌面と同じでしょ

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いつもはこんな感じ


  「フリマメイドのインテリア」企画は、次号から少し模様替えする予定です。フリマの楽しさをもっともっと伝えるような誌面にしますので、次号発売となる8月まで楽しみにしていてくださいね。

 そしてなんと! 『Plus 1 Living』がデジタル版で読めるようになりました。No.83〜90まで購入できて、この号も6月30日に発売される予定だそうです。
詳しくはホームページをご覧ください。→http://natural-life.shufunotomo.co.jp/blog/fromeditors/?p=378

 紙でも、デジタルでも。
 お好きな方でお楽しみくださいね〜。

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スマデリ店内レジ脇に、署名用紙や意見募集メモが置かれています


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スタッフ、お客さんみんなでコミュニティを築き上げてきました


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ベルリン・ミッテ地区にある、和食カフェレストラン&食品店「smartdeli(スマートデリ)」(以下スマデリと略します)が、現在の場所を強制退去させられる危機に立たされています。家主が、賃貸契約の延長を認めないからです。
 そこで契約延長を求めるため、スマデリと有志が署名運動を始めました。店内レジ脇にある用紙に署名を書き込めるほか、ネットでもできます。

 ネットでの署名運動はこちらです→https://www.openpetition.de/petition/online/smart-deli-muss-bleiben-neuer-mietvertrag-fuer-nachhaltiges-restaurant-in-der-chausseestr


 集まった署名は、ベルリン・ミッテ地区の役所に届けられる予定です。そして賃貸契約延長ができるよう、役所・家主・スマデリによる話し合いの場を設けることを目標にしています。

 私は、オーナー夫妻からこの話を聞いたとき、これはスマデリだけの問題じゃないと思ったんですよね。ベルリン市という街の将来に関わる問題だと。

 私がスマデリオーナー夫妻と知り合ったのは、ベルリンに来てから間もない頃です。ちょうどスマデリも、当時オープンしたばかりでした。
 それからスマデリは、現在の所在地であるChausseestr. 5 に引っ越しました。いつも大勢のお客さんでにぎわっていたので、店が存続の危機に立たされるなんて、思ってもみませんでした。


 オーナー夫妻から聞いた、契約に関する話はこうです。

・現在交わしている賃貸契約は、契約満期時に延長するかどうかは、家主が一方的に決められる内容となっている。そして家主は、来年1月の契約満期をもって、スマデリとの賃貸契約を終了すると言い渡した。延長は不可。

・スマデリ周辺のお店も同じ内容を言い渡され(家主は異なる)、既に移転、あるいはこれをきっかけに閉店した店もある。

・周辺のお店も一斉に退去させて、その後この場所をどうするかは、家主は店子に言う必要はない。

・スマデリが現在の場所で営業を始めてから、家主は3代ぐらい代わっている。

 以上のような状況に「納得できない」と、スマデリは周囲の人々と相談し、上記の署名運動を始めたのです。


 私はこういうことについてまったく知識がないので、詳しい人に聞いてみたところ、店舗契約満期時には家主が更新の有無を決める権利があるのが普通とのことでした。個人宅の賃貸契約とは違い、店子が店舗の場合は、家主・店子とも企業ということで、同等の立場と見なされるそうなんです。
 ですからスマデリの家主は、法的に違反しているわけではないんです。

 スマデリが今回署名運動を始めたのは、現在の場所で営業を続けたいからというのはもちろんですが、それよりももっと別の理由があるそうなんです。

 その理由の一つは、「自分たちだけが満たされればOKという社会に対してNOを表明したかったから」。そしてもう一つの理由は、「これまでお客さんたちと一緒に創り上げてきた地域コミュニティを壊されたくないから」ということでした。

 スマデリではオープン当初からこれまで、お店の営業を通じて社会に還元できることを少しずつ行ってきたそうです。例えば自然エネルギー(Naturstrom)やBio パッケージ(Green Box)を採用したり、飢餓を救う活動のために売上の一部を使うドリンク商品(Lemonade, Charitea, Viva con Agua)を販売しています。お客さんが来店することで、自分だけでなく誰かのためにも何かをできるようにしたい、そういうポリシーがあるとオーナーさんは話していました。

 自己利益だけでなく、世界にも目を向けている会社を選ぶことで、スマデリなりに少しずつ社会とつながってきた。でも、立ち退きを要求している家主の会社は、もしかしたらそんな視点はないかもしれない。だから、自分たちの視点を表明したい、と。
 オーナーさんが署名運動に至ったのは、そういう理由からでした。


 私は、街は生きものだと思っています。
 いろんな考え・バックボーンを持った人々が集まり、コミュニティが生まれていきます。そこからさらなる魅力が生まれ、より多くの人を引き寄せます。
 街を創り上げているのは、そこに生きるひと、一人ひとりだと思います。

 もし、さまざまな人々が営む(または集まる)個人店が消えて、資金力があるチェーン店のみになったら、便利にはなるかもしれませんが、街の魅力は色あせるでしょうね。自由でクリエイティブなベルリンのよさは、ここに集う人々が創り上げてきたのですから。
 でも、家主にとっては高い家賃が取れた方がいいに決まっていますし、ベルリン市も税収が増えていいことでしょう。

 スマデリが今回の署名運動で求めている、役所・家主との話し合いは、たぶんとても難しいと思います。法律を変えて、契約を更新するなんてことは、夢のような話かもしれません。ですが、自分たちの意見を明確に表明したスマデリを、私は支持したいです。

 そして私は、ベルリンがこれ以上退屈な街になっていくのを見るのは、嫌です。

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このページを見てね! 詳しくは以下で


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 ベルリンに興味があれば、その存在を知らない人はいないであろう、「べるりんねっと789」
 日本語によるベルリン情報がぎっしり詰まった、在住者はもちろん、日本にいる方も必読のサイトです。
 
 その「べるりんねっと789」で、このたび私の『歩いてまわる小さなベルリン』を販売いただけることになったんですよ! いや〜、なんて光栄なんでしょう。

 本は「べるりんねっと789」ミーティングポイントで直接お求めいただけるほか、ドイツ国内およびEU内への発送もOKです。

 セールスポイントになるのかわかりませんが、本にサインも入れておきました。なので、売れ残ったら悲しいので、まだお持ちでない方は、この機会をぜひご利用くださいませ! 数に限りがあるので、お早めにお求めくださいね。

 詳しくはこちらのページをご覧ください→
「べるりんねっと789」SHOP『歩いてまわる小さなベルリン』


 私がなんとな〜くベルリン行きを考え始めた2001年ごろ、日本語によるベルリン情報は、そりゃもう、ぜんっぜんなかったんですよ!

 そんなとき、唯一の情報源だったのが、この「べるりんねっと789」です。ここで情報を得て、恐る恐る住民登録を済ませ、滞在許可の申請に行き、在留届を出し、そんなこんなで私のベルリン生活は始まったんです。「べるりんねっと789」がなかったら、私は右往左往していたに違いないんですよ。
 そんなふうにお世話になった(今でもお世話になっている)サイトで拙著を扱ってもらえるとは、非常に感慨深いです。

 みなさんご存じでしょうが、「べるりんねっと789」を運営されているお一人、六草いちかさんは、
『鴎外の恋 舞姫エリスの真実』『それからのエリス いま明らかになる鷗外「舞姫」の面影』を書かれています。ベルリンの歴史について知りたい方は、必読です。六草さんのお書きになったものも、お話も、本当に引き込まれますよ。

 そんなわけで、またひとつ、うれしいことが増えました。
 これからも、どうかよろしくお願いします。

パリの色

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例えばこういう色


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 5月下旬にパリに行ってきた。

 本来の目的は、阿波踊りパリ公演を観るため。私は阿波踊りが好きだ。パリで踊る計画があると聞いたときから、その日を待ちわびていた。
 だから今年5月にパリ公演が決定したとき、すぐにフライトを予約した。だって観に行くに決まってるからさ。

 そうしたら、今年1月に起きたテロの影響で、公演は延期。寂しかった。でもせっかくフライトも予約したしね......ということで行ってきたんだ。

 だから私の中ではもう、パリに行っても空っぽのようなものだった。阿波踊りだけが目的だったのに、それがなくなってしまったんだもの。

 これで何度目のパリ旅行になるのかは、もう覚えていない。西ドイツに滞在していた子どもの頃に行ったのを含めれば、そこそこな回数になっているはず。
 それでも、行くたびに新たな発見はある。今回、空っぽだった心に印象に残ったのは「色」だった。

 印刷に携わっている人なら知っている、カラーチップが束になった色見本というのがある。この色見本にフランスの伝統色というシリーズがある。
 街を歩いていて、扉やファサード、室内の壁の色を見るたびに、この「フランスの伝統色」を思い出した。
 何度も見ている景色だろうに今回印象に残ったのは、自分のベルリン滞在がそこそこ長い期間となり、ベルリン視点になっているからなのかもしれない。


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 パリでは、フランスの伝統色の色見本に見られるような、ニュアンスのあるブルーや、鮮やかな青、緑が目に入った。
 こういう色は、ベルリンでは見かけない。ドイツ、というか少なくともベルリンでは、もう少しはっきりした色合いが多い。場末感があるダサい(この場合褒め言葉)ベルリンの飲み屋の壁やベンチに顕著な、えんじ色や黄色、そんな色はパリでは見当たらなかった。
 ベルリンの方がパリより暗いだろうから、ニュアンスのある中間色より、もう少しはっきりとした色の方が好まれるのかもしれない。

 ただ、自分がフランスの伝統色に囲まれて暮らしたいかといえば、それはちょっと違う。ポイントとして取り入れるぐらいの割合でいいかも。基本的に私は、ベルリンの比較的シンプルな街並みやインテリアが好きだから。

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