
現代よりも50〜60年代のデザインが好みだとたびたび書いているけれど、私がもっとも気に入っているティーカップもやっぱり50年代デザイン。
この写真のティーカップがそれ。コーヒーのペーパーフィルターを発明したことで有名な、ドイツのメリタ社が50年代に発表した「ミンデン」というシリーズ。おそろいでケーキ皿やコーヒーポット、ミルク入れもある。
ちなみにミンデンとは、メリタ本社がある都市の名前。一度行ったことがあるけど、本当にこぢんまりとした町。ドイツは中小都市が多くて、なんていうかこう......若い人が楽しめる場所が少なそうな印象の町が多い。
「ミンデン」シリーズの色は、このペパーミントグリーンの他にイエローやピンク、ブルーがあって、どれもパステルトーンのかわいい感じ。
でも、私は圧倒的にこのペパーミントグリーンが好き。このなだらかで優美なラインに、この色。文句のつけようがない。
なんでこの当時のデザインは、こんなに素晴らしいんだろう。そして、なんで現代にはこういうのがないの?
このカップは、ある日蚤の市で見つけて買ったもの。でも、底に刻印されたロゴに擦り傷が入っている、いわゆる傷もの商品。まあ、私自身はあまり気にしないし、日常でどんどん使いたいから、かえって気軽かもしれないな、とも思ってね。
好きなものは積極的に使いたい。値段が高かったからといって、戸棚にしまっておくのはもったいない。使ってこそ、その商品も本望じゃないかな、と。
実は、洗っているときに2客あるうちの1客を落としてしまい、縁が欠けてしまった。でも割れたわけじゃないから、欠けた方は私が使うことにして、きれいな方をお客さん用に。そうやって、これからもずっと使いたい。
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