2015年10月アーカイブ

理解するということ

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歴史、風土、建物の内部構造、バラバラな知識があるときつながって「わかった」と思える


(*ベルリンのお店やライフスタイルに関しては、在ベルリンガイドの松永さんとの共同ベルリン情報ブログ「おさんぽベルリン」をぜひご覧ください。バリバリ書いてます)


 「理解した」という感覚を持てることが、私には非常に少ない。数年に1回ぐらいか、もっと少ないかも。わかっていると思えることは、ほんのひと握り。だからこの世は、自分にとってわからないことだらけ。

 知っていることと、わかることは全然違う。例えば本を読んだりして何かを知ったとしても、わかったとは思えない。ただ、知っただけ。

 たいがいのことは、知っているだけで終わってしまう。でもごくたまに、急に「わかった」と思える瞬間が訪れることがある。

 そういうときは、バラバラだった知識が急につながったとき。頭でだけ知っていたことが、実際に見たり体験することをきっかけに統合されて「わかった」と思えることが多いかも。瞬時にそう思えなくても、体験を重ねることで、気づいたら理解していたということもある。

 『かわいいドイツに、会いに行く』(清流出版)を書いたとき、これまでにない難しさがあった。それは、私が「わかっている」と思える事柄が少なかったから。
 これまで書いてきたのは、ベルリンのインテリアやお店、街のこと。それについては長いこと取材を重ねてきたので、自分の中で確かな感覚がある。
 でも今回取り上げたのは、ドイツの伝統的なもの。もちろん取材によって得た知識はあるけど、自分で伝統品を制作しているわけじゃない。だから「わかった」という感覚がなかなか得られなかった。

 あと難しかった点は、取材で得た知識と自分の得た印象を、どういうバランスで書くべきかということ。知識だけだと教科書のようで無味乾燥になりそうだし、かといって私の印象だけだと読む人にとって意味ないでしょ。

 そんなわけで、書いている間はかなり苦しかった。

 でも書いている間に、何かを理解したときに訪れる「あぁっ!」という瞬間もあってね。そうした事柄に関しては、わかりやすく書けたんじゃないかなとも思える。
 この本を書くことで、それまでわからなくてほったらかしだった事柄も調べ(ざるを得なかっ)た。無精な私には、ありがたい機会だった。

 何かを「わかった」と思える瞬間って、楽しい。モヤモヤと立ちこめていた霧がすぅーっと晴れる感じ。バラバラに散乱していた細切れの知識が、ひとつにつながって腑に落ちる。
 「かわいいドイツ」という入り口から、「わかった」と思える瞬間まで少しだけたどり着けたかな。いや、まだまだだろうな。

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見本を手にして少しだけほっとしました


(*ベルリンのお店やライフスタイルに関しては、在ベルリンガイドの松永さんとの共同ベルリン情報ブログ「おさんぽベルリン」をぜひご覧ください。バリバリ書いてます)


 新刊『かわいいドイツに、会いに行く』が清流出版より10月17日に発売になりました! 無事にここまでたどり着けて、心からほっとしています。

 でもここで終わりじゃない。売れるように宣伝するのも大切。ということで、しばらくはSNSを中心に、新刊についてPRしていこうと思います。そんな投稿を見かけたら「宣伝してるんだなぁ」と見守っていただければありがたいです。

 この本について書きたいことはいろいろあるんですが、今回は写真について書きたいと思います。

 私は写真を撮るのが趣味で、散歩をしながら気になった建物やトマソン物件、お気に入りの雑貨などを撮るのが特に好きです。

 雑誌やウェブでは自分で撮影を担当することもありますが、これまで自分の著書ではカメラマンさんにお願いしてきました。そのほうが自分で撮るより、きれいな写真が上がるに決まっているからです。

 本は商品です。お金を出して買ってもらうんですから、きれいな写真の方がいいですよね。特に私の本では、写真の占める割合が大きいですから。
 そういう考えで、私はこれまでずっと、カメラマンさんに写真を撮ってもらっていました。

 なのにこの本では、初めて自分で撮りました。それは、本書が生まれるきっかけとなった過去の連載(「NHKテレビ テレビでドイツ語」)で、自分が撮っていたからです。
 当時の写真を編集者さんに気に入っていただけて、撮影に挑戦することになりました。風景写真が多いので、天気に恵まれれば何とかなるかなぁと思ったんです。

 写真はデジカメで撮った後に現像するんですが、それが難しかったですねぇ。ウェブよりも紙に印刷する方が、シビアな仕上がりを求められると思います。私には経験が少ないので、写真をどう現像すべきか迷いました。

 だから、印刷が上がるまで心配で、心配で......。担当編集者さんやデザイナーさんを心から信頼していたので、おかしなことにはならないと思ってはいましたが、それでも完成するまでは不安でした。

 自分で撮ることのメリットは、自分なりの視点で撮れることでしょうか。何をどう撮るのかという点において、相当自分好みにやりました。これまで趣味でいろいろ撮ってきましたから、自分なりのスタイルというか、好みの撮り方があるんです。楽しかった!

 できあがった本を見て、どうでしょうねぇ、なんとか合格点をもらえたら嬉しいんですけど。

 本書で写真を担当したからといって、「私はカメラマン」などとは、もちろん言いませんよ。そんなの、カメラマンさんに対して失礼。ふだん一緒に仕事をしているカメラマンさんの仕事ぶりを見ていますから、その職業をリスペクトしています。

 私がこれからも仕事で撮れるとしたら、それはあくまでも自分が書く記事の補足としての写真。それも、商品写真のようなきっちりとした写真ではなく、あくまでもスナップ。自分が感じた雰囲気を伝えられるような写真ですね。

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詳しくはお店のHPで!

(*ベルリンのお店やライフスタイルに関しては、在ベルリンガイドの松永さんとの共同ベルリン情報ブログ「おさんぽベルリン」をぜひご覧ください。バリバリ書いてます)


 ちょっと前に一時帰国しました。いつもは10月中旬以降に帰ってくることが多いので、今回はちょっと早めの帰国。日本は暖かいのね、やっぱり。ベルリンはもう、日本の初冬のような寒さになっていたから。

 日本に着いてまず思ったのは、虫の音ってこんなににぎやかだったっけ、ということ。ベルリンでは虫の音を聞いた記憶がないから、日本の秋をいきなり堪能した思い。
 それから、チョウがよく飛んでいるなと。モンキチョウとか、名前は知らないけど、グレーのチョウとか。ベルリンは大きな公園がそこかしこにあるし、街路樹も多いから自然が豊かなんだけど、それとは違う生態系なんだなと感じる。

 さて、前回のブログで10月18日に東京・日独協会でのイベント開催をお知らせしましたが(ありがたいことに一般枠のご予約がいっぱいになりまして、現在キャンセル待ちで受付中です)、11月6日(金)には私のホームタウンである東京。西荻窪の「旅の本屋 のまど」でスライド&トークイベントを開くすることになりました!

11月6日(金)19:00開場 19:30スタート
会場:旅の本屋 のまど
東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1階
参加費:900円
お申し込み・お問い合わせ:http://www.nomad-books.co.jp/event/event.htm

 日独協会のイベントでは、デュッセルドルフ在住ライター・坪井由美子さんと一緒に話しますが、「のまど」イベントでは一人で喋ります! テーマは日独協会のときと同じ「かわいいドイツ旅」ですが、お話しする内容や映す写真を部分的に変えようと思っています。

 19時半から始めて、だいたい1時間半ぐらい写真を映しながら話します。スタート時間が遅めなので、スナック菓子とお飲み物もお出しするつもりです。じゃないとお腹すいちゃいますよね。私は自分がお腹が空くと何もできなくなるタチなんで、気になるんですよ。

 西荻という場所柄、ゆる〜くやろうと思います。トーク終了後には本の販売会&サイン会もやりますよ(サインは希望される方にね。強制はしませんから安心してください)。

 西荻には、イベント終了後に一杯やるのにちょうどいい店がたくさん。金曜の夜、ドイツと西荻(この組み合わせ、まさに私の生活そのもの)で楽しみましょう〜。

 お申し込みは、「旅の本屋 のまど」さんのHPからどうぞ!
 http://www.nomad-books.co.jp/event/event.htm
(下へスクロールさせてくださいね)

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