町のコンセプトと景観

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 バルト海に面した北部ドイツの港町、キールに初めて行ってきた。
 仕事だったので日帰り。ベルリンからキールまでは特急で片道約3時間。さすがにちょっと疲れた。

 それでもキールで1時間ぐらい自由時間が取れたので、ほんのひととき市街を散策。ドイツの歴史ある町を観光するのなら、まずは旧市街へ。歴史的建築物が残っていて見応えがあるしね......と思ったら、新しい建物ばかりで拍子抜け。せっかくカメラ持ってるのに、全然撮りたい気分にならない。

 帰ってきて調べてみたら、キールはドイツのほかの町と同様、第2次世界大戦で町がやられて、そこから元通りの景観にはせず、新しい建築にしてしまったらしい。
 確かに目抜き通りと思われる道には、現代建築が多い。私が好きな、レンガ造りのごつい建物は少数派。

 ドイツの町々を観光していると、第2次世界大戦後にどのような町づくりをしたかで、観光地としての魅力に大きな違いが出てしまっているように思う。
 戦争で壊された町をどう再建するか。
 ある町は戦前と同じ町並みを再現し、ある都市は戦後の時代に合わせた建築を取り入れた。

 これまでいろんな町でいろんな人から聞いた話をまとめると、50〜60年代は時代に合った当時の最先端の建築が好まれていたとか。
 今でこそ、中世の面影そのままの都市は「ロマンティックだわ〜」とか言われて人気があるけど、戦後直後は古くさいと感じる人も多かった。

 50年代〜の時代に合わせた建築を取り入れた都市は、その当時はモダンでよかったのかもしれないけど、2011年の現代から見れば美しくはないというのが正直な感想。
 効率重視で立てられているから、軽っちくて安っぽい。戦後直後は資材が不足していたという背景もあるはず。
 ベルリンにある普通のアパートも同様で、50〜70年代ぐらいに建てられたものがもっとも美しくないように思う。あくまでも私の印象だけど。

 一方、戦前の景観をそのまま再現した町は、観光地として大きなセールスポイントになっている。
 当然ながら第2次世界大戦以前にも何回も戦争はあったわけで、それ以外に大火災とかも起きる。中世の面影をとどめているような町は、何回も何回もそこからよみがえってきている。まさしく町そのものが価値がある。

 まあでも、観光地として考えれば古い景観を維持することが大切かもしれないけど、観光で売っていない町もある。
 大きな産業で潤っている町なら、何も古い景観を売り物にすることもないだろうし。産業の発展には、古い建築だと効率が悪くてやっていられないのかもしれないし。

 町のコンセプトに合った景観っていうのがあるんだろうな。いや、コンセプトが先じゃなくて、自然の流れから行き着いた結果が現在の景観ってことか。

 などと、キールの町をぶらつきながらぐるぐる考えたのでありました。

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