NHK『テレビでドイツ語』11月号発売中!画家・カンディンスキーはひどい男?

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 ドイツ語を勉強しているみなさん、NHK『テレビでドイツ語』11月号が発売になっています。

 今月の連載「南ドイツの小さな町」では、ムルナウを旅してきました。
 ここはもう、本当に風景がきれい! 小さな町の目抜き通りに立つと、目の前にアルプス山脈があるんですよ! この道をまっすぐ歩いて行けば、あの山の頂にたどり着くんじゃないかと思うくらい。
 夕暮れ時、バラ色に染まっていくアルプス山脈を見ていたら、吸い込まれそうな気になりました。

 これは紙幅の関係で原稿には書けなかったのだけど、この町の設計は建築家のエマヌエル・フォン・ザイドゥルEmanuel von Seidlが20世紀初頭に行ったもので、建物の外壁の色もちゃんと決められています。
 それが今でもそのまま! 塗装し直したりして、当時の状態を保っているんです。パステルカラーの建物が並んで、それがアルプスの山々と一つになって、そりゃもうまるで舞台美術のようでした。

 この町はミュンヘンから鉄道が延びて以来、ミュンヘン市民の避暑地として賑わったそうです。そういわれてみると、東京と軽井沢みたいな関係にも似ているかも。ムルナウの町も、瀟洒な店がありますし。

 この町に魅せられたのが、画家のワシリー・カンディンスキーとガブリエレ・ミュンターでした。カンディンスキーとは、抽象画で有名でバウハウスでも教鞭を執っていた、あのカンディンスキーです。
 ミュンターは元々彼の教え子(バウハウス時代よりも前)で、その後恋人同士になったのでした。

 二人はこのムルナウで共に暮らしたのですが、そこへ第一次世界大戦が勃発し、二人は離ればなれに。
 ミュンターは、終戦後に再びカンディンスキーと一緒になれることを祈って彼を待っていたのですが、なんとカンディンスキーは避難先の祖国ロシアで別の女性と、とっとと(本当に「とっとと!」)結婚していたのです。

 それを知らず、ひたすら待ち続けたミュンター。彼の結婚を知ったときは、そりゃショックだったでしょうね......。
 しかも、カンディンスキーは彼女とのコンタクトを一切拒絶してたそうですから、なんと非情な男よ......というのが私の感想です。こんなことも、原稿には書けませんでしたが。
 
 もちろん、画家としての功績と、一個人としての行いは関係ないでしょう。
 でも、ミュンターとは10年以上も一緒にいたんですよ。そんな人を、いきなり何もいわずにポイッて捨てるなんて。情というものはないのかと思います。

 カンディンスキーは、ひどい男!
 あー、この場で書けてすっきり。

 もっと上品な内容については、ぜひテキストをご覧くださいませ。

twitter:@kubomaga

コメント(2)

カンディンスキーとミュンターの話、私は初めて聞いたけど、映画「ひまわり」を思い出しちゃった!

あの映画でも、マストロヤンニがソ連で別の女性と結婚生活をしてたのよねー。(ソフィア・ローレンと結婚してたのに)
でも、あの場合は戦場の雪原で倒れていたところを助けられて、その恩などもあってそのまま…という理由があったけど。
ソ連まで探しに行ったソフィア・ローレンが、何も言わず汽車に乗って帰るとこ泣けたなぁ…(T_T)

ま、あれは反戦映画だと思うけど、この話には何か事情はなかったのかしら?
ただぽいっと捨てたのだったら、やっぱり非情よね〜!

りりあんさん、
そっか「ひまわり」もそういう内容だったっけねえ。今度ちゃんと観てみよう。

カンディンスキーの場合は、彼がドイツで活動しているときに
第一次世界大戦に突入してたのよ。彼はロシア人で、ロシアは敵国だったから祖国に逃げたわけ。
ミュンターは、永世中立国だったスウェーデンで彼をずっと待ってたんだけど、
その間にカンディンスキーはロシアで結婚してたの。ミュンターと別れてすぐにね。
結婚して幸せな生活を送っているときに、昔の女とは会いたくなかったんだろうね。
そもそも、ミュンターと恋仲になったときも、カンディンスキーには
奥さんがいたのよ。
ただ、救いなのはミュンターも後年になって、生涯の伴侶とめぐり会えたってこと。
二人のお墓はこのムルナウにあります。

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