たとえばこれが好きな物
ソファを買ったのなんだの書いていると、余裕があるように見えるかもしれないけど、そんなわけがない。フリーランスって仕事が来なければ失業状態だし、原稿料だって仕事量を考えたら悲しくなるぐらい少ないときもある(う、ちょっとグチになった)。余裕なんか、この先ずっと生まれないんじゃないかと思う。
だからお金の使い道は、嫌でも考えるようになった。家賃、食費など必要最低限のこと以外に、何にお金をかけるか。
私は、自分の好きな人や物にかけたいと思うようになった。私が取材する人は、何かを作っている人がとても多い。自分好みの物は純粋にほしくなるし、品を買うことでそういう作り手たちを支持したいという気持ちが生まれた。日本で勤めていた頃は、あんまり真剣に考えたことはなかった。
お金を使うということは、選挙みたいなものかなとも思う。使う先の人や企業を支持することだと思う。
そういえば以前、個人経営の食料品店のそばに安売りスーパーができることになって、その食料品店を利用していた人はそのことを気の毒がっていたことがあった。でも、いざスーパーがオープンしたら、そっちを利用してんのよ。個人経営店に同情するなら、たとえ多少値段が高くてもその店で買えばいいのにと思った。
かと思うと、ある人は「若いアーティストの作品を好んで買っているの。そういう形で若い人を支援するのは悪くないと思う」と言ってた。
お金の使い道って、人の個性が表れる。