2013年1月アーカイブ

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こんなイメージで中継。実際には外は真っ暗でした

 なんと先日、大学の講義にベルリンから登場してしまいました! 講義デビューでございます!

 ......というのはちょっと大げさですが、大学の教室とベルリンのわが家をスカイプで中継して、キッチンの様子をご覧いただいたのです。

 その講義は、東海大学文学部ヨーロッパ文明学科で柳原伸洋先生が行われている「ヨーロッパ現代文化論(製品文化論)」。柳原先生は、伸井太一のペンネームで『ニセドイツ』1〜3巻(社会評論社)を書かれていらっしゃいます(ドイツ現代史を製品を通して理解できる、ドイツファン必読の書!本当におもしろいです。私は特に2巻が好き)。
 柳原先生とは、先生がベルリンにお住まいだった頃からのおつき合いで、お互いビール好きということでときどき飲んでおりました(まあ要するにビール友)。

 その柳原先生からある日、ドイツのキッチンを学生の皆さんにご覧いただくために、わが家のキッチンをスカイプで中継できないだろうかとご相談いただきまして、今回の講義になった次第でございます(なんだか今日は私の口調が丁寧)。

 中継するのはウェルカムなのですが、現在日本とドイツには8時間の時差が。講義は日本時間の午後だったので、ベルリンはまだ午前6時台。当然ながら、外は真っ暗です。キッチン中の照明を点けまくって、中継に臨んだのでした。

 そして、定刻になって大学の柳原さんからスカイプ通話が。私はウェブカメラを手に、「ここがシンクで...その隣に洗濯機...洗濯プログラムモードがこれです...次が冷蔵庫...冷凍庫は冷蔵庫内の上にある扉を開けるとあって霜取りが面倒...ガス台はここです...ライターがないと、つまみを回しただけでは火が付きません...」といった具合にキッチンの様子をご覧いただきました。

 一通りご覧いただいたら教室でグループワークを行い、その後質問タイム。映像で見ただけでは理解しずらく、質問もしにくいのではと思いましたが、「換気扇がないみたいですが」とか「電子レンジがないですね」「収納スペースが少ないですね」など、鋭い質問をいただきました。
 いや〜、短い時間なのに、本当によく観察されているなあと思いました。換気扇や電子レンジがないのは、ドイツでは(少なくともベルリンでは)決して珍しくないですが、日本ではあるのが当たり前ですよね。

 ドイツのキッチンは、メーカー統一のシステムキッチンでビシーッと決めているお宅がある一方で、わが家のように好きなものを組み合わせているケースもあります。自分でキッチンを組み立てたり(イケアの製品など)、棚やシンクを手作りする人もたまにいるので、日本よりも自由度が高いのではないかと思います。

 わが家のキッチンは非常に物が少なく、私は日本人でかなり日本風の食生活を送っているため、製品文化論の講義でご覧いただくには物足りなかったのではないかな〜、と気になっています。

 そんなわけで、もし可能ならば一度ドイツで、ドイツ人のキッチンを実際にご覧いただく機会を作れるといいなぁ、と思っております。いかがでしょう、先生?

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表紙もかわいいわ〜

 インテリア好きな方に人気の雑誌『MAISHA』(マイシャ)に、ベルリンのキッチンが初登場しました!

 『MAISHA』は、海外のおしゃれなインテリアを中心にした隔月刊の雑誌です。これまでパリやコペンハーゲン、ニューヨークなどの素敵なお宅がたくさん紹介されていましたが、ベルリンも今号で初めて紹介されました!

 日頃から「ベルリンのセンス良いインテリアを日本に広めてやるッ」という勝手な情熱をめらめら燃やしている私としては、誠に嬉しい限りであります。

 ベルリンのお宅が載っているのは「みんなのキッチンストーリー」のコーナー。私はコーディネートだけで文章は書いていませんが、2人の女性のキッチンを紹介しています。
 どちらも典型的なアルトバウ(築100年程度の建物)のキッチンで、シンプルで温かみのある空間です。お金をかけずに、素敵でほっとできるインテリアが2人の共通点。ね、ベルリンでしょ?

 特集は「グリーンあふれるインテリア」。ニューヨーク、パリ、東京の緑あふれる素敵な住まいが紹介されています。
 前回このクボマガでご紹介した『インドアグリーン・ライフ』(グラフィック社)といい、インドアグリーン・インテリアがブームの兆し?!

 この『MAISHA』、嬉しいのは巻末にフランフランの500円分商品券が付いていること。雑誌の価格は500円(税別)。だから商品券を使えば、雑誌分は無料ということ。嬉しいサービスですよね。
 商品券を使わないという人も、お友だちにチケットをプレゼントして、その代わりお茶をごちそうしてもらう、なんていうのも楽しいシェアの仕方かな〜、と思います。

 本日発売の『MAISHA』、ぜひぜひご覧くださいませ。

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現在発売中です

 発売になったばかりの書籍『インドアグリーン・ライフ』(グラフィック社)に、ベルリンのお部屋が3軒載りました。

 いずれも、観葉植物をお部屋に上手に取り入れています。3軒のうち2軒はそれぞれ『ウォールカラー・インテリアレッスン』『レトロミックス・ライフ』にも載った部屋で、1軒は新規撮影です。

 内容は、日本で植物とともに暮らす人々のお宅やショップの紹介、観葉植物の歴史、観葉植物図鑑など盛りだくさん。まるで植物園のようなお宅もあって、おもしろいです。

 私自身は、鉢植えの植物を育てるのは枯らしてしまいそうで自信がないのですが、植物を飾っている人は口々に「緑があるとほっとする」と言います。きっとそうなのだと思います。

 インドアグリーン・ライフを楽しみたい方、どうぞ書店でお買い求めください。

インドアグリーン・ライフ
グラフィック社
2,100円
ISBN978-4766124453

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ベルリーナーも知らない隠れ名所が続々と

 "111 Orte in Berlin, die man gesehen haben muss"(「ベルリンで見ておくべき111の場所」って感じか。「見逃すな!ベルリン隠れ名所111」とか超訳すると、内容によりフィットする気がする)という本をいただいた。

 これは、一般的なベルリンのガイドブックではない。掲載されているのは、ベルリンにある有名・無名の111ヵ所のスポット。
 いずれもかなりマニア向けで、初めてベルリンに来る人にはピンとこないかもしれない。だけど、ベルリン在住者やベルリンをよく知る人にとっては、きっととても面白いと思う。

 私はこの本の何がいたく気に入ったかというと、写真。
 一つのスポットごとに見開き2ページで紹介されていて、左ページが文章、右ページが写真というレイアウトなんだけど、その写真が素晴らしい。

 文章を補うための写真ではなく、写真だけで一つの作品として成り立っている印象を受ける。写真点数も、1ヵ所につき1点のみドーンと裁ち落としで使っていることが多く、それもまたいい。

 ドイツの書籍・雑誌のレイアウトは、こういう傾向が強い気がする。つまり、アーティスティックな写真を大きくドーンと使う感じ。

 これ、日本じゃなかなかできないんだよね。もちろん出版物のコンセプトによるんだけど、一般書では難しい。

 日本だと、説明的な写真を何点も細々とたくさん載せるのが好きなのよ。
 例えばこの本で紹介されているスポットの一つに、湖底トンネルがあるんだけど、そこの写真はトンネルへ下る階段の一部と、その階段を自転車を引いて下りている人の足、タイルの壁が写っているだけ。
 もしこれが日本の本なら、トンネル入り口、中の通路、細部など、細々と撮って載せるんじゃないかな。

 この写真だけだと、トンネルの全容はわからない。でも、逆にすごく興味をそそられる(行ったことあるけど)。

 確かに読者の人は、いろんなカットを見たいんだろうと思う。でもコンセプトによっては、こういうデザインがあってもいいんじゃないかと思う。

 私は、できるだけ写真をバーンと使いたい方。
 雑誌に書かせていただくときは、その雑誌の編集方針に従うのでレイアウトには口出しはしない。
 だけど、自分の著書ではいろいろと意見を言ってみる。幸い、編集者さんやデザイナーさんと意見が合うことが多く、好きなテイストに仕上がることが多い。11月に出た『レトロミックス・ライフ』も、大胆に載せる写真と、細かく説明的に見せる写真のメリハリをつけるようにして、すごく好きな1冊になった。

 独りよがりはいけないけど、"111 Orte in Berlin, die man gesehen haben muss"のようなレイアウトの本がもっとあってもいいんじゃないかと思う。
 その一方で、「写真点数が多いと、お得感がある」という価値観があるのも知っている。
 今は本が売れないから、みんなどうしても安全パイを選んでしまうんだけどね......。

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ぼく、じゃがいぬくん。カレンダーには4コマが載ってるんだよ

 「じゃがいぬくん」の作者、すぎやままさこさんから、今年もカレンダーが届きました。

 「じゃがいぬくん」は、最初4コマ絵本から始まって、朝日小学生新聞に連載、アニメやDVDにもなり、現在は『子供の科学』(誠文堂新光社)で連載されているお話です。

 主人公のじゃがいぬくんは、その名の通りじゃがいものイヌ(のような動物)。じゃがいぬくんがいる「べじた村」には、「はりぽてとちゃん」や「ねぎわにくん」など、たくさんの仲間がいるのです。

 作者のすぎやままさこさんとは、「じゃがいぬくん」が生まれたときからのおつき合い。もう15年ぐらい前になるでしょうか。こんなに長寿なキャラクターの誕生に立ち会えて、ラッキーでした。

 すぎやまさんの頭の中には、べじた村で暮らす不思議な動物たちのお話がいっぱい詰まっています。次から次へと楽しいお話が繰り広げられる一方で、すぎやまさんご本人はとても頭の切れる、知的な方なので、いったいどこからこういうお話が生まれるのだと思っています。きっと、それが才能というものなのかもしれません。

 じゃがいぬくんカレンダーを見ながら、じゃがいぬくんのようにほんわかと今年1年を歩んで行けたらと思います。

じゃがいぬくんについてはこちら。http://www.jagainukun.net/

かわいいの進化

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この立ち方、日本の女の子っぽいでしょ

 何回か書いたことがあると思うんだけど、日本人が思う「かわいい」っていう感覚、ドイツでは理解してもらうのが本当に難しい。
 女の人のファッションはどちらかというとセクシー志向で、かわいいベクトルはなかった。
 日本人がかわいいと思うようなものは、子どもっぽいと思われていた。

 だけど、ここ数年でどうも様子が違ってきたことを感じている。日本的なかわいさが、徐々に大人にも浸透しつつあるように思うんだよね。

 で、駅のホームでふと見たポスター。子ども向けショーの広告なんだけど、そこに描かれている女の子たちのイラストが、どう見ても「かわいい」感覚なのよ。
 顔の描き方、服装、そして何といってもこの立ち方。脚を開き気味にして内股って、以前のドイツじゃこういう感覚はなかったでしょ。

 こういうのを見て育った子どもが大人になる約10年後、人の感覚はどう変化しているかなあ。
 パリでは「かわいい」という日本語がそのまま受け入れられていると聞いたことがある(本当かどうかは知らない)。ドイツは日本のカルチャーを受け入れるのが、フランスより常に相当遅れていると聞くけど(私も何となくそんな気がする。フランス人の方が日本の感性を理解しやすいんじゃないかと思う)、いつかはドイツで「かわいい」という日本語をみんなが理解する日が来るんだろうか。

一歩先は外国

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ポーランド、Swinoujscie Centrum(発音わからず)駅

 ウーゼドム島の東側は、ポーランド領になっている。島を走っているUBBというドイツの列車がポーランド領まで乗り入れているので、終点で降りればそこはポーランド。EUなので、パスポートチェックもない。

 降りた途端に、はっきりと違う国だとわかる。言葉が違うし、建物の雰囲気も違うし、沿道にはドイツ人客を当て込んだ安いマーケットが並んでいる。明らかな経済格差がある。

 そういえば、やはりポーランド国境に接しているフランクフルト・アン・デア・オーダー(国際空港があるフランクフルトではなくて、旧東ドイツのフランクフルトという街)に行ったときも、こんな感じだった。タバコやお酒を売っているお店が、やたらとあった。

 もし国境沿いの街に生まれ育ったら、何を思ったかなあ。「あっち側の国に生まれたかった」「こっちでよかった」とか思うんだろうか。
 常に他国の存在を意識しているから、いろいろな面でタフにもなるかもしれない。

 大陸では国境は、何度も書き換えられている。日本で育った自分には、外国がすぐ隣にあることや、領土が時代によって変わるという感覚がつかめない。

都市と外国語

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いろんな言語が飛び交うベルリンのカフェ

 年末に旅行したウーゼドム島では、ほとんどドイツ人の旅行者しかいないようだった。
 旅行前、ホテルを予約しようとブッキングサイトの宿泊者レビューを見てみたら、ほぼドイツ語で書かれたものばかり。これまでは大都市を旅行することが多く、英語を始め多くの言語で書かれたレビューが多かったので、まずその時点で「へぇ」と思っていた。

 そして実際に島に来てみると、外国語が聞こえてこない。ホテルでも普通にドイツ語で話しかけられた(もっとも、こちらがドイツ語で挨拶しているからだろうけど)。
 さらにホテル館内の表示もドイツ語のみ。レストランのメニューもドイツ語のみ。
 アジア人は私たちぐらい(ちなみになぜ「日本人」ではなく「アジア人」と書いているかというと、ドイツ人は私を「アジア人」として見るから。アジア各国の人の違いは、まず見分けられない)。

 これは新鮮だった。ベルリンにいると、エリアにもよるけど3〜4割ぐらいの確率で英語で話しかけられたりする。ホテルのフロントなら、たぶん間違いなく最初は英語だと思う。

 ベルリンでカフェを取材していて、ここ3〜4年ほどで英語がネイティブのオーナーやスタッフがいる店が本当に増えたと思う。ベルリンは常に変わり続けていると思うけど、特に英語に関しては聞く機会が急速に増えている。
 英語以外にもトルコ語、ベトナム語......いろんな言葉が聞こえてくる。

 それだけいろんな人がいるということなんだよね。大都市では、いろんな人種の外国人が暮らせる環境であることが多い。だから私は都市に住むのが好きなんだと思う。
 もちろん、多種多様な人種が同じ場所に住むのは難しい。トラブルも当然起きる。つきあい方とか距離の取り方に、各人の経験が必要なのかもしれない。

 でも旅行で行くなら、小さい街は大好き。ウーゼドム島にもまた行きたい。

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元旦の日の出じゃないけど、ウーゼドム島で見た日の出

 2013年、あけましておめでとうございます。
 本年が皆さまと私にとって良い年となりますように。

 新年はベルリンで迎えました。あちこちで花火が上がる中、ぼんやりあれこれと考えていました。

 こうやって花火を楽しめるのは、平和だからできること。自分はずっとそういう環境で生きてこられたけど、平和を保つというのは大変なことなんだろうなぁ、とか。

 自分が選ぶもの一つ、買うもの一つとってみても、世界とつながっているんだよなぁ、とか。

 一年は、あっという間。一日いちにち、自分なりに考えて大切に過ごしていきたい。なんて、こんなことも、来年の今ごろには忘れているかもしれないけど。

 自分なりに進んでいきたいと思います。
 本年もどうかよろしくお願いします。

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