ベルリンに好んで住み続けている日本人は、ここが好きだからそうしているわけで、価値観が似たような人たちが自然と集まっているような気がする。
今日も日本人の友人と話していて「衣食住で大事な順番は?」となったときに、彼女も私も「住>食>衣」の順番だった。
「住」と「食」の間はそんなに差がなくて、ほぼ同じぐらい。で、ダントツで「衣」が最下位。服に関しては、2人ともかなりどうでもよくなっていた。
日本にいた頃は違ったよね、と。たぶんそのまま日本(東京)で暮らしていたら、衣>食>住と、今とはまったく逆の優先順位だったんじゃないかな。
価値観は環境に左右される。ベルリンでは、東京に比べたらはるかに安い家賃で広いアパートが借りられる。だからこうなった。
でも「住」が大事といっても、決して高価な家具を買っているわけではない。人から譲ってもらったり、蚤の市で見つけてきた家具を集めながら、徐々に自分のイメージに近づけていく。自分でできることは自分でやる。
だから、すごくスローテンポ。年単位で考えていたりする。
そういう過ごし方は、日本から見たら貧乏くさいと思われるのかもしれない。
でもベルリンに来て、豊かな暮らしとはこういうことを指すんじゃないかと思うようになった。少なくとも私は、こういうのが豊かだと思う。
住まいは、生きる上での基本。
食も体を作るから、生きる上での基本。
着る物は、基本があった上での楽しみかな。
日本の住環境がベルリンとは違っても、身の回りを整えて自分の好きなイメージに近づけていくことはできる。
私はこれまで「インテリアとは室内を飾り立てるものではなく、自分が気持ちよく過ごせるように整えること」と折に触れ書いてきた。住まいが自分にとって心地いいと、気持ちいい循環が生まれる気がするんだよね。