なんと先日、大学の講義にベルリンから登場してしまいました! 講義デビューでございます!
......というのはちょっと大げさですが、大学の教室とベルリンのわが家をスカイプで中継して、キッチンの様子をご覧いただいたのです。
その講義は、東海大学文学部ヨーロッパ文明学科で柳原伸洋先生が行われている「ヨーロッパ現代文化論(製品文化論)」。柳原先生は、伸井太一のペンネームで『ニセドイツ』1〜3巻(社会評論社)を書かれていらっしゃいます(ドイツ現代史を製品を通して理解できる、ドイツファン必読の書!本当におもしろいです。私は特に2巻が好き)。
柳原先生とは、先生がベルリンにお住まいだった頃からのおつき合いで、お互いビール好きということでときどき飲んでおりました(まあ要するにビール友)。
その柳原先生からある日、ドイツのキッチンを学生の皆さんにご覧いただくために、わが家のキッチンをスカイプで中継できないだろうかとご相談いただきまして、今回の講義になった次第でございます(なんだか今日は私の口調が丁寧)。
中継するのはウェルカムなのですが、現在日本とドイツには8時間の時差が。講義は日本時間の午後だったので、ベルリンはまだ午前6時台。当然ながら、外は真っ暗です。キッチン中の照明を点けまくって、中継に臨んだのでした。
そして、定刻になって大学の柳原さんからスカイプ通話が。私はウェブカメラを手に、「ここがシンクで...その隣に洗濯機...洗濯プログラムモードがこれです...次が冷蔵庫...冷凍庫は冷蔵庫内の上にある扉を開けるとあって霜取りが面倒...ガス台はここです...ライターがないと、つまみを回しただけでは火が付きません...」といった具合にキッチンの様子をご覧いただきました。
一通りご覧いただいたら教室でグループワークを行い、その後質問タイム。映像で見ただけでは理解しずらく、質問もしにくいのではと思いましたが、「換気扇がないみたいですが」とか「電子レンジがないですね」「収納スペースが少ないですね」など、鋭い質問をいただきました。
いや〜、短い時間なのに、本当によく観察されているなあと思いました。換気扇や電子レンジがないのは、ドイツでは(少なくともベルリンでは)決して珍しくないですが、日本ではあるのが当たり前ですよね。
ドイツのキッチンは、メーカー統一のシステムキッチンでビシーッと決めているお宅がある一方で、わが家のように好きなものを組み合わせているケースもあります。自分でキッチンを組み立てたり(イケアの製品など)、棚やシンクを手作りする人もたまにいるので、日本よりも自由度が高いのではないかと思います。
わが家のキッチンは非常に物が少なく、私は日本人でかなり日本風の食生活を送っているため、製品文化論の講義でご覧いただくには物足りなかったのではないかな〜、と気になっています。
そんなわけで、もし可能ならば一度ドイツで、ドイツ人のキッチンを実際にご覧いただく機会を作れるといいなぁ、と思っております。いかがでしょう、先生?