ハフィントンポスト紙に「『ドイツにだって待機児童はいる』EU最大の経済大国 子育てと働きかた」が掲載されました

| コメント(8) | トラックバック(0)

tage20140302.jpg

とある日曜の公園で

(*ベルリンのお店やライフスタイルに関しては、在ベルリンガイドの松永さんとの共同ベルリン情報ブログ「おさんぽベルリン」をぜひご覧ください。バリバリ書いてます)


 なんか本当に最近、仕事の告知ばかりですみません。そうじゃないネタも書こうと思ってるんですが、ひとまず告知はタイミングを逃すといけないので......。ということで、お許しください。

 前回の「『仕事が残ってても休みます』経済大国ドイツの人の働きかた」に続き、ハフィントンポスト紙に「『ドイツにだって待機児童はいる』EU最大の経済大国 子育てと働きかた」を書かせていただきました。

http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/28/germany-how-to-work-child_n_4872119.html?utm_hp_ref=japan


 実はこの原稿が掲載になる直前に、日本で「ドイツは待機児童ゼロ目標を達成した」と報道されたんですよ。

 それを見た瞬間、「ええええぇ〜っ?!」ってなって。だって原稿のタイトルが「ドイツにだって待機児童はいる」だもの。
 ビール飲んでぷは〜ってひと息入れていたのに、一気にしらふになりましたよ。

 で、それからいろいろ調べたんですけど、実際に待機児童はいるんです。というか、この記事を書く上で、託児所空き待ちの親も取材しました(詳しくはどうぞ記事をご覧ください)。
 いくら数字の上だけで足りていたって、必要な場所になかったら待機児童はなくなりません。例えば通園に1時間以上かかるとすると、子どもを園まで送って、それからさらに1時間かけて通勤なんて、現実的に不可能に近いです。そういう状況が考慮されていないんです。

 どう子育てするかは、もちろん各家庭が選択すればいいことです。親が働きたい(または働く必要がある)場合に、それが可能な制度や環境があるかどうか、だと思います。

 仕事を続けながら出産・育児をするのは、本当に大変だと思います。会社員は、特にそうでしょう。そこで生まれる悩みは、日本もドイツも大差ないと、取材を通じて思いました。

 ハフィントンポストでは、これまでの分野とは異なるテーマについて書いていますが、もともと私の大きなテーマは「しあわせ人生」なんです(大ざっぱすぎ?)。
 しあわせって、条件じゃなくて、自分の人生を生きられることなんじゃないかな、って。そのためには、自分がいいと思える環境に自ら変えていくほかに、制度などでのサポートが必要なときもあります。

 だから、自分の中ではインテリアもカフェも雑貨も、今回のような社会問題も、全部つながっているんです。いや、こじつけじゃなくて、本当に。

コメント(8)

素晴らしいタイミングでしたね。
昨年の横浜市の待機児童ゼロ宣言を思い出しました。
私も二人の子どもを保育園に(下の子は生後4ヶ月から)預けていました。うちは運よく待機はありませんでしたが、あのころ横浜市は待機児童が多かったはず……そう思ったら、週刊誌などでカラクリが暴露されてました。

待機児童ゼロといえば東ドイツですね。
労働力確保の必要もあって、女性はみなさん働いてました。でも夫の側の意識が高いとはいえず、家事はもっぱら女性に任されていたのではないかな。
そのせいで離婚率がかなり高かったですね。
アイゼンヒュッテンシュタットがとりわけ高かったのか、知り合いはほとんど皆、と言えば大げさすぎるとしても、そう言いたくなるほど多かったです。

東ドイツ時代はいいとして、統一のあと子育て途中だった女性たちは、失業、低賃金、保育所の確保などで、かなり苦労したのではないでしょうか。
ちょっと気にかかります。

falanさん、
本当に、これ以上ないタイミングでした(笑)

横浜市の待機児童ゼロに関する週刊誌の記事をググってみましたが、
保育園の質と保育士の問題は、ドイツでも言われていますね。
旧東ドイツ地域では今でも当時の名残で託児所は多いですが、
一人当たりの保育士に対して、子どもの数が多いです。

東ドイツの男性は、家事は女性任せだったんですか。
それは初めて知りました! むしろイメージとしては逆でした。
社会主義国の方が、性別に関係なく作業を分担するかと思っていたので、意外です。
それなら、離婚率も高くなりそうですよね。経済的に自立できていれば、
我慢して結婚生活を続けなくていいですもんね。

統一後の苦労は、なんとなく想像がつきます。
旧東出身の人に、この辺りの話も聞いてみたいです。

東ドイツでつきあっていたのは、もっぱら工場労働者たち(私もその一人)だったので、私の見方が偏っているということはあるかもしれません。女性は解放的、男性は保守的という印象ですね。会議室や幹部の壁にかかげられた表彰状の類にも、きまって戦車や軍艦が描かれていたり、いたるところでマッチョ体質を感じました。研修という名目で働いているアジア人、アフリカ人に対する差別意識もありました。DDR政府はナチスに抵抗していた自分たちは、ナチスの罪悪と無関係という立場でしたから、教育においても反差別は重視されなかったのではないかな。

西のほうが男女同権と感じたのは、まわりが大学生たちだったせいかもしれません。先日妻が言ってましたが、ドイツの大学で最初に驚いたのは、授業中編み物をしている学生がやたらと多く、しかも男子学生のほうが多いくらいだったそうです。学部は違うけど、私のところもそうだったなと思い出しました。WGでは一軒の農家に私を含めて男2人と女性4人の6人で暮らしていましたけど「食事は女の子が作って」などと言える雰囲気は皆無でした。

でも西の人といると緊張感が高くて、東の人たちといっしょだと自然体というか気楽だったのはどうしてだろう。どちらもduで呼び合うのは同じでしたけど。

falanさん、またまた興味深いコメントをありがとうございます。
私の中ではどちらかというと東の方が男女同権意識が強く、
西の方が性差による役割の違いが大きいイメージがありました。
でもfalansさんの周囲ではそうではなかったんですね。
人種差別は、もしかしたら今でも旧東の人の方があるかもしれません。
もしかしたら、自分たちよりも下の存在を見つけることで、当時の西欧への憧れを紛らわせていたのかもしれませんね。
編み物をしている学生が多かったとは、面白いです。しかも男子学生が。

私は東の方の人には、日本人に相通ずるような「周囲の目を気にする」気質を感じます。西の人は、もっと個人的で自己主張の強さを感じますね。
これも個人的な印象です。何歳までどちらの国で育ったかで、また大きく違いそうですね。

お久しぶりです〜。
ハフィントンポストの記事、2つとも、興味深く読ませてもらいました。
「あれ、久保田さんって、こういう堅めの社会問題の記事も書かれるのね〜」と新鮮に思ったのですが、「大きなテーマはしあわせ人生」というのを読んで、なるほど! 納得しきり。
社会問題も、小難しくならず、かつデータや数値も添えながら書かれているのがさすがです!

待機児童問題は、日本にいる友だちがちょうどメールで愚痴っていて、「そっかー」と思ったところです。子どもを預かってもらえないので、育児休業後、会社に復帰できず、そのままやめちゃったとか…。
これって、大きな社会損失ですよね。彼女は、20年近く総合職で働いてきた大ベテランなのに。

私もこのあいだのNHKの報道(「ドイツで待機児童ゼロに」というもの)見ました。ドイツも確かに問題含みなのでしょうが、日本よりは問題を解決しようという真剣味が感じられると思いました。

日本の少子化対策って、「恋届」とかですもんね…。
(このニュース、あまりのアホらしさに死ぬかと思いました。)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140310/k10015846381000.html

あと、高等教育の教育費がドイツは安いので、それも効いているかなと思います。
少子化対策というと、独身者・新婚夫婦・妊婦・乳児・幼児などへの予算に注目が集まりますが、一番子どもにお金がかかるのは大学だと思うんですよね。
「1人目はともかく、2人、3人と大学に行かせるのはうちは無理」と思っている日本の夫婦は、たぶんすごく多いのではないかと思います。

みづさん、ご無沙汰しています! いまベルリンですか?
私がこういうテーマを取り上げるのって、私のこれまでの
活動をご存じの方にはすごく違和感があると思うんですよ。
この分野の専門家ではない自分が、こういう記事を書いても
いいのかな?って思ったりもしましたが、前回のハフィントンポストの
記事と併せて、興味のあるテーマでした。
純粋に、「実際どうなの?」というのを聞いてみたかったんです。

ドイツも育休復職後にポジションが変わったとかも聞くので
理想の国では全然ありませんが、そうのも含めて実例を書きました。
もちろん、この事例だけで「ドイツはみんなそう」とは言いませんが、
少なくとも取材に応じてくださった方々のケースは、記事の通りでした。

社会問題というと何か難しそうだし、自分には関係ないと
思ってしまうかもしれませんよね。
でも、自分の半径3mのしあわせは、社会につながっていると思うんですよ。

恋届のニュースは、初めて見ました……。
結局のところ経済なんだよなー、と感じました。
でも少子化対策になるとは……思いませんけどねえ。

はーい、ベルリンに帰ってきてもう4か月近く経ちます。
久々にお会いしたいですね。
あれ、でも、久保田さんは、春はまた日本?

みづさん、
そうなんです、いま一時帰国中なんですよ。
1ヵ月後にはまたベルリンに帰ります。
ベルリンはこれからどんどんいい季節になるので、楽しみですね。

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://www.kubomaga.com/cgi-bin/mt5/mt-tb.cgi/814

2022年11月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

アーカイブ

メールください
info@kubomaga.com