
こうなったらもう冷蔵庫が是が非でもほしい。新品でもかまわない。そう思って街を歩いていたら、店頭に小さい冷蔵庫がぽんと置いてあった。扉を開けてみると冷凍室もついている。いくら?と聞いたら70ユーロだという。悪くない。
この大きさで冷凍室つきの中古というのが、実はありそうでなかったのだ。買うかどうか迷っている場合ではないかもしれない。でも、ほかの中古店も見てみようと、近場を一周した。
結果、私の条件にかなうものは見つからなかった。そうなると、とたんにあせってくる。あの冷蔵庫はもう買われてしまったんではないだろうか、小型のをほしがっている人はたくさんいるはずだ、と。小走りで元の店に向かうと、ラッキーなことに冷蔵庫はまだ同じ場所にあった。
「これ買います」と、速攻でいう。でも70ユーロなんて現金を、普段持ち歩いているわけがない。そもそも、家までどうやって持って帰るんだ。
結局、20ユーロの手付金を払って、ピックアップの段取りができたら再度来ることに。と同時に車を持っている知人に、冷蔵庫を運んでくれるか打診。
こうしてついに我が家に冷蔵庫がやってきた。もうマグロを鳥なんかにやりはしない。