
ベルリンで評判になっている歌舞伎公演。私もこの機会を逃すまいと観に行ってきた。だって、中村勘三郎一座がやってきてるんだよ。これは行くしかないでしょうが。
演目は夏祭浪花鑑(なつまつりなにわかがみ)。日本では文楽で見たことがあるけど、歌舞伎ははじめて。
しかもこの公演の前に、すでにこの演目を日本やニューヨークで演出している串田和美さんのご本『串田戯場』(ブロンズ新社)を読んでいたので、どんな演出がされているのか、とっても楽しみだった。
で、観はじめるとこれがどんどん芝居に引き込まれる。涙ぐんだり、ニヤニヤしたり。設定が夏祭だから、お囃子や鳴り物も聞こえてくる。まずい、この音、阿波踊りを思い出す。「血湧き肉躍る」とはまさにこのこと。鳴り物を聞くとじっとしていられなくなるし、涙が出てくる。これはもう、私の場合、条件反射。
そんなふうに、ひたすら純粋に楽しんだ。だから演出についてとか、むずかしい感想はなし。
そうそう、一つだけ。歌舞伎役者というのは、なんであんなにセクシーなんだ? あのキリリとした色気は西洋人の男には絶対真似できないな。日本男児はみんな歌舞伎の格好をすればいいんじゃないのか? そしたらみんなセクシーだぞ。