
今年はどうしてもロングコートを買わなければならなかった。去年までのものが、脇がビリビリに切れてしまい、いくらなんでもこれ以上着るのが無理になったので。
でもロングコートはやっぱり高い。なるべく価格が控えめで、かといって○&Mほど安っぽくない(なんで日本であんなに人気があるのか、まったく納得がいかない)ものを探そうと、日本でも展開しているスペイン系の○ARAに行った。
探した結果、デザイン、質感、価格ともいいと思えるものを発見。買うことにする。でもよく見たら、袖の部分のボタンが一カ所取れてなくなっている。普通はスペアのボタンがどこかに付いているはずなのに、それもない。しかもそのサイズは、私が見つけたその一着だけ。
それで、店員さんに、コートを買いたいので、スペアボタンがないかどうか聞いてみた。店には絶対にボタンのストックがあるだろうと信じていた。
そしたら、店の奥から店員さんが持ってきた箱の中には、がらくたと呼んだ方がよさそうな古いボタンが、申し訳程度にしか入っていない。こんなのとっといても意味ないよ。
あいにく在庫を調べても、私の見つけたコートが最後の一着のようで、「どうする?」ということに。ほかの店に行くのもしんどいし......と思っていたら、ふと見た先に、同じデザインで色違いの商品が。そして、それはボタンが半分ぐらいなくなっていて、見るも無惨な状態で陳列されている。
近寄ってみると、なんとそのコートには、裏地部分にスペアのボタンが付いている。店員さんに「これこれ」と見せたら、その店員さん、いきなりブチッとそのスペアボタンを取って、私に「はい」って。すべてオッケー!って勢いで。
ま、私はボタンももらえたし、確かにオッケーなんだけどね。日本の○ARAなら、こういうのは許されないんじゃないかなあ。その前に、ボタンがなくなった商品を陳列してないと思うけど。日本のみなさん、どうでしょうか?
こういうので商売が成り立っているベルリン(ほかのドイツの都市がどうかは私は知らない)は、良くも悪くもすごいなあと思う。
ベルリンにいて私がよく思うのは、日本ではすべてがきちんとしているのはいいけど、逆に「失礼がないように」という思いが行き過ぎて、誰もが息が詰まりそうになっているのではないかということ。
ベルリンは、ルーズでおおざっぱだなと思うけど、互いが納得すればそれで成り立つ。私は今回、ボタンがもらえて納得したので買ったし、人によっては値引き交渉をするかもしれないし、そういうのでもいいんじゃないかと。
と思うけど、どうですかね。