
ネコヤナギがほこっと顔を出していた。本当に猫のしっぽみたいで、すりすりしたくなる。
よくデザイナーやアーティストに、どこから作品のインスピレーションが来るのかと聞くのだけど、「自然から」という答えがとても多い。
きっとこういうネコヤナギの質感とか、例えばプラタナスの実の美しさとか、そういうことなのかな。
twitter:@kubomaga
ネコヤナギがほこっと顔を出していた。本当に猫のしっぽみたいで、すりすりしたくなる。
よくデザイナーやアーティストに、どこから作品のインスピレーションが来るのかと聞くのだけど、「自然から」という答えがとても多い。
きっとこういうネコヤナギの質感とか、例えばプラタナスの実の美しさとか、そういうことなのかな。
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もう何年も前からほしいと思っていた椅子。正確に言うとひとり掛けのソファで、自分の中で形や質感のイメージがはっきりと決まっていた。でも今まで当てはまるものがなくて、数年が経ってしまったのだった。
「このまま見つけられずに、そのうち日本に帰ることになるかもなー」と思っていた矢先、ついにその日が訪れた!
それは、街を歩いていたときのこと。セコンドハンドショップの店先に、いつものように細々とした家具が並んでいた。ここの品揃えと私の趣味は合わないようで、チラッと見つつもいつもは素通り。
ところがこの日は、視界の隅に椅子が入った。えっ、もしかして私がほしいタイプの椅子じゃないか? と思ったものの、急いでいたのでひとまず素通り。
でも、その椅子のことがどうにも気になって仕方ない。とりあえず値段だけでも聞いておこうと、数時間後に戻ることに。
そしたらなんと、数十ユーロ! それって蚤の市価格でしょ!
「あのー、いま持ち合わせがないんですけど、予約したいんですけど......」と、5ユーロ(これまた安い)の手付け金を払ってキープ完了。入店からここまでたぶん1分足らず。
やっぱり、値段は大きなポイントだったね。セコンドハンドショップは、蚤の市より値段が高いのが当たり前。そりゃそうだ、店を構えりゃ家賃に光熱費に電話代、蚤の市よりずーっとコストがかかるんだから。
でもこの椅子は、これまで蚤の市で聞いてきた値段とまったく同じ! しかも状態もとてもいい。出合えてよかった! セコハンショップよ、ありがとう!
この椅子は、50年代ドイツで見られた典型的なデザイン。ベルリンのカフェにもよく置いてあるから(拙著『ベルリンのカフェスタイル』にも載っている)、見たことがある人も多いはず。
だからデザイン自体に稀少性はないんだけど、それでも自分のイメージにぴったりはまるものが今までなかったんだ。
本当のことを言うと、生地の色は山吹色みたいなのがいいかな〜と思ってたのだ。壁の一部をブルーグレーに塗ったので、椅子も青系だと寒すぎるかなと思って。
でも、この青も渋めでとても気に入った。そしてね、これによってまた新たな目標ができたのよ。
「今度は山吹色を買う」。
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『NHKテレビでドイツ語』テキスト3月号が発売になりました。今回の「小さな旅」の訪問地は、クヴェトリンブルクです。
ドイツといえば、やっぱり木組みの家、じゃないですか? クヴェトリンブルクは、その木組みの家がずらーっと並んでいるとってもかわいい町で、ユネスコ世界遺産に登録されている古都です。
そして、昨年4月号から始まった連載「ベルリンからの小さな旅」も、今号をもちまして最終回となります。
1年間のおつきあい、本当にありがとうございました! 無事に1年間勤め上げられて、ほっとしています。
この連載は、毎回とても楽しかったですね。カメラ片手に、気ままにブラブラ、パチパチしていました。
「昼間から飲んだら、この後歩けなくなっちゃうかな〜」と思いながらも、「いやこれは口絵写真のためだから! 旅行に食事の写真はつきものだから!」とビールを頼んで、案の定だるくなったりとか。
ちょっとヘンかもしれませんが、1人で歩いていても頭の中は原稿そのままのノリで、みなさんと一緒に旅している気分でした。
苦労したのは、お天気。4〜6月号ぐらいは冬の暗い時期に旅していたので、写真も暗くて。
しかも昨年の冬は異常な大雪。テキストは春の発売なのに、どうやっても雪がフレームに入ってきてしまいます。表紙をめくって最初のカラーページには、きれいな写真を見たいのが人情ってもんですよね。
それで、天気予報をにらみながら、晴れそうな日を狙って何回か同じ町へ旅をしました。締め切りまで粘って、粘って、粘りまくりました。
これまで行ったことのある町でも、原稿を書くのが目的だとやっぱり心構えが違います。苦手な歴史も調べたりして、新たな魅力をたくさん発見しました。
ドイツの魅力を少しでも伝えられたら、うれしいです。
旅を楽しみ、好きな写真撮影も仕事としてできて、そして皆さんに読んでいただけて。しあわせなお仕事でした。
そして、お知らせです。
なんとうれしいことに、新年度も『NHK テレビでドイツ語』テキストで連載を続投させていただくことになりました!!
新年度の番組の舞台は、シュヴァルツヴァルト(黒い森)のファームステイとミュンヘンです。
そうです、そこで私も新年度は南ドイツを旅します!
4月号からの新連載、題して「南ドイツの小さな町」、どうかお楽しみに! 今度は南ドイツでドイツ語を勉強しましょう!
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昨秋の一時帰国時に、またまたバンド仲間と曲を録音しました。その時の1曲「胸の振子」をYou Tubeにアップしました。
http://www.youtube.com/watch?v=b22uu8utWQo
この曲は、私が歌いたくて録音したもの。作曲・服部良一、作詞・サトウハチローという素晴らしいコンビによる、昭和の名曲。
その名曲をずーっと昔、別の友人とカバーしたことがあって、とても好きで。今回の録音に当たり、私の中では「こう歌いたい」という明確なイメージがあって、それに合わせてギター担当にアレンジしてもらいました。
なのに、一時帰国中に私は声がまったく出なくなってしまい、録音も無理かとあきらめかけたくらい長期間続いてしまいました。
そんなわけで、声はガラガラだし、まったく歌えてなくて情けないけれど、せっかくギター&アレンジ担当やピアノ担当の友人との作業なので、公開することに。
あと千回ぐらい歌えば、もうちょっとマシになるのかも、と思いつつ。
気が向いたら、聴いていただければと思います。
また、この機会にこれまでYou Tubeで公開している曲を再度ご紹介します。
「上を向いて歩こう」カバー
http://www.youtube.com/watch?v=vYfZ4OufVms
「私小説」(オリジナル曲)
http://www.youtube.com/watch?v=fwm38aFxaa4&feature=channel
まだほかにも未公開曲があるので、まあ、そのうちに。
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なんとうれしいことに、このたび私の『ベルリンの大人の部屋』が中国語に翻訳され、中国で発売されることになりました!
思えばちょうど3年前の今ごろ、締め切りに追われてヒーヒーいいながら、本の原稿を書いていました。まさかそれが中国語になって、中国の方に読んでいただけるようになるとは、夢にも思っていませんでした。
本書は、出版社や書店の方々、そして何よりも読者の皆さんが育ててくださったのだと思います。本当に、どうもありがとうございます。
そして、本書が中国でも多くの方々に読んでいただけることを願っています。
私のやっていることは小さなことですけど、例えばこの本を通じて日本や中国の方がベルリンやドイツという国に興味を持っていただけたら、そしてもしかしてそれが母国や世界について考えるきっかけとなれば、とってもうれしいです。
世界に触れる入口は、何も政治や経済、歴史ばかりじゃないと思うんです。おしゃれなインテリアとか、ファッション、スイーツといった、その人にとって身近なテーマから入っていって、結果的にある国が身近になるって、自然な流れですよね。
自分とは違う国のことを知るととても楽しいし、いろんな考え方があるんだと思います。そして私の場合、それは日本や自分のことを考えることにつながります。
もちろん私は、世界平和を願ってとか、そんな大仰な気持ちで書いているわけではないんですが、読者の方が「これが好き!かわいい!」と感じてくださることが、世界をつなげていく一歩につながっていくのではないかなあと思っているんです。
私が興味があるのは、市井の人々の暮らし。インテリアにせよカフェにせよ、そこに関係する人々の日常を伝えるのが、私のテーマかと思います。
これからも書く機会を与えていただける限り、書いていきたいと思います。
*『ベルリンの大人の部屋』中国版は中信出版社から発売されます。
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先日、旧正月の新年会にお邪魔してきた。なんでかというと、私が行っている中国ダンス教室の上級クラスの生徒さんたちが、そこで発表したから。
ステージでいろいろなイベントが繰り広げられた後、いよいよ中国ダンスの始まり。上級クラスの生徒さんたちが、各々両手にハンカチ大の赤い布を手に登場し、音楽に合わせて2演目を踊る。
振りは曲によって違うけど、みんなで輪になったり、数人が対になったりして踊る。
そして、子どもクラスの発表と、先生のソロ。さすが先生、体のキレが全然違う。踊りをやっている人って、A地点からB地点へ体を動かす軌跡と速さがまったく違うと前々から思っているけど、それを実感した。
私がこのダンス教室へ行っているのは、日頃の運動不足をなんとかしなきゃと思っていたところへお誘いを受けたからで、別に中国に興味があったからではない。
けど、教室に通ううちに、ダンスを通して中国文化を感じたり、中国人と知り合うのがおもしろくなってきた。私がベルリンに来なければ、中国人と知り合うことも一生なかったかも。ドイツに来て知り合うのは、ドイツ人だけじゃない。
ところで、この中国ダンスやベルリンで西洋のバレエを観て思うのは、日本舞踊ってまったく別の世界なんじゃないか、ということ。
ダンスというのは、宗教的な意味や、体を動かしたいという人間の本能から来るものなんじゃないの? とすれば、高くジャンプしたり、素早く回ったりする動きが普通なはず。なのに、日本舞踊(特に舞かな、詳しくないけど)は、重心を低く落として動きを抑制する。まるで反対方向じゃない? そういう方向に行く日本人の感性が、私はつくづくすごいと思う。
歌とかもそうかも。オペラみたいに、人の声を大きく美しく響かせようという方向性って、わかりやすい。でも日本の唄の方向性って違うような気がする。
建築もそうかな。ロココみたいな装飾いっぱいの様式は、誰が見てもわかりやすい。日本はとても簡素。それでいて美しい。
どっちがいいわけでなく、日本のそういう感性が本当にすごいと、ベルリンに来て思うようになった。なんか、エキゾチック・ジャパンって感じか。
子どもの頃、いっとき父方の祖母に無理やり日本舞踊を習わされたことがあった。その時は、やる気ゼロだったのですぐに止めてしまった。
あのとき続けてたら、こういうテーマがもっと理解できるようになっていたのかな......でも、やる気がないと何も身につかないので、止めたことに対する後悔はない。
でも中国ダンスを習い始めてから、日本舞踊に興味が出てきたのは事実。いや、日本で習うかはわからないけど。
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きのう4日は立春だったでしょ。
その日、外に出たら中庭にアムゼルという小鳥がいて。アムゼルは黒くて、英語ではブラックバード、日本語ではクロウタドリと呼ぶみたい。
とてもいい声で鳴く鳥で、アムゼルが鳴き始めると私は春が来たなあと思う。たとえ寒くても、小鳥がさえずり始めれば、私の心の中では春なのよ。
立春だし、アムゼルはさえずり始めたし、これはもう春。最近ちょっと立て込んでいたので、心に潤いもほしくて、花屋さんにあった小さなブーケを買った。
バラやガーベラ、ラナンキュラス、トルコキキョウなどがきれいな色合いでまとまっていて、うっとり。一種類の花だけでまとめるのもいいけど、ときにはこういう花合わせもかわいくていいなと思う。
さらに蝶のクリップや小鳥も、花に留まっているようにつけてみた。
心の中にだけでなく、私の部屋にも春が来た。
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新年度からのNHK「テレビでドイツ語」には、フリーアナウンサーのウッチーこと内田恭子さんが出演するんだってね。
http://www.asahi.com/showbiz/tv_radio/TKY201102010202.html
これを機に、ドイツ語を勉強する人が増えるといいな。
テレビの語学講座って、あいさつから始まるから「外国に行ったときに、お店とかでちょっとだけでも現地の言葉で話せるといいな〜」と思う人にちょうどいい。以前にちょっとだけ勉強した人が、もう一度やり直す入口にも最適。
初級〜中級の人は、ラジオ講座がいいと思う。
日本国内で暮らしている限り、外国語ができなくても問題なく生きていける。母国語だけで大丈夫なのは、それだけその言語人口が多くて、流通しているということになるだろうから、すごいことだと思う。
でも外国語ができれば、日本語では得られない情報を得られたり、いろんな考え方を知ることができるのがおもしろい。
私はドイツ語を習ったことで、ドイツ人とコミュニケーションできるようになったのが最大のメリットかな。人の話を聞いたり、会話をするうちに、私自身がラクになった気がする。「あー、こんなこともアリかー」みたいな。
今はネットで世界中とつながれるから、外国語を勉強する楽しみも増えたんじゃないかなあ。
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