
ドイツ人、日独両国で働いた日本人の方に取材させてもらいました
(*ベルリンのお店やライフスタイルに関しては、在ベルリンガイドの松永さんとの共同ベルリン情報ブログ「おさんぽベルリン」をぜひご覧ください。バリバリ書いてます)
このたびハフィントンポスト紙に、ドイツの働き方について書かせていただきました。
題して「『仕事が残ってても休みます』経済大国ドイツの人の働きかた」。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/01/31/germany-how-to-work_n_4700160.html?utm_hp_ref=japan-lifestyle
いつもインテリアやカフェについて書いている私が、働き方に関する記事を書くなんて、これまでこのクボマガを読んでくださっている皆さんには違和感ありまくりだと思います。
でも私はずっとこのテーマに興味があって、取材したかったんですよ。
これまで私は、ベルリンのインテリアやカフェ取材を多く行ってきましたが、アポを入れようとすると、「この日からウアラウプ(休暇)でいないのよ」と言われることが頻繁にあって、ドイツ人はしょっちゅう休んでいるな〜という印象があったんです。
なにしろドイツでは、多くの会社で年次有給休暇が30日あって、基本的に消化しているのですから、そりゃあ休みが多いわけですよ。
だけど、日本の状況を考えると、何で30日も休めるんだって疑問だったわけです。
自分が会社員時代(もうずいぶん前ですけど)は、夏休みを取るために前後にしわ寄せが来ていました。そのぐらいなら休まなくていいから、毎日の仕事量を減らしたいと思ってましたよ。
それなのに、ドイツでは30日休んで、しかも1時間当たりの労働生産性は日本よりドイツが高いってのはどういうわけ?って謎でした。そういう自分の素朴な疑問に対する答えが、取材を通して見えてくるのではないかと思ったんです。
ドイツの働き方と休暇について、詳しくは記事をご覧ください。
取材して思ったのは、ドイツには日本とは異なる大変さがあるということでした。
その上で私が言いたいのは、日本とドイツ、どちらがいいという内容ではないということです。
よく「日本人とドイツ人は似ている」と言われるのですが、現地に暮らす私はそうは思いません。表面的には似ているように見えるかもしれませんが、根本が大きく異なると感じています。
ベルリンに10年ちょっと暮らしての感想ですが、ドイツ人は個人主義ですし、合理的です。合理的というのは、別の言葉では「ドライ」「情緒がない」と表現できると思います。
日本人は正反対ではないでしょうか。情緒的(それがいい、悪いと言っているのではないです)で、感覚が非常に繊細です。周囲の人の反応を気にします。
合理的なドイツ人にとって、仕事は仕事でしかないと思います。だから早く終えるために、効率化する。仕事の目的を考えるから、無駄なことはしたくない。多かれ少なかれみんながそういう価値観を持っているので、そういう基準で回ります。
その代わり、きめ細かいサービスが受けられなかったり、仕事の進行が遅いことがあります。
日本は仕事に熱意を持っている人が多く、それ故に長時間労働につながる一面があるかもしれません。
それに、日本のサービスは非常にきめ細かいです。日本国内では当たり前と思われていることが、外国では驚異的だったりします。
だから、細かい仕事が増えてしまうこともあるでしょう。当たり前の基準もどんどん上がっていくと思います。
国によって価値観も環境も大きく違うわけですから、真似をするのは意味がないと思います。ドイツのやり方そのままでは、日本では通用しないはずです。
どちらの国がいい、悪いではないんです。他国の事情を知れば、自分たちが今後よりよい環境を築くための参考になると思うんです。そういう参考資料を提示するのが、私にできることだと思います。
お伝えするテーマが労働状況でも、インテリアでも、その思いは一緒です。