ヤクが切れた

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 私はアトピー持ちだ。アトピーの人なら知っているだろう、少なくとも聞いたことがあるだろう、ステロイド薬中止によるリバウンドがどれほど恐ろしいものかを。

 私もリバウンドの地獄を味わった一人だ。あれはもう、筆舌に尽くしがたい。全身が真っ赤にはれ上がり、熱を持ち、眠れない。まさに生き地獄。あの苦しみはもう2度と味わいたくはない。

 その後紆余曲折あって、現在は日本で買いだめしているステロイド剤2種とプロトピック剤を常備し、連続使用は避けるように注意しながら使っている。これがなくなったら大変なことになるから在庫には気をつけていたのに、まったくうかつなことにプロトピックのほうがなくなった。

 これはまずい。プロトピックはステロイドのような副作用はないと聞いてはいるものの、薬品である以上、なんらかの副作用はあるはずだ。案の定、しばらく使っていなかったから、首の部分が象の皮膚のようにガサガサになってきた。リバウンドのときと似たような症状だ。
 当時の苦しみがよみがえる。あの状態は避けなければ。日本から薬を送ってもらうなんていう、悠長なことをしている場合ではない。こっちで皮膚科に行かねば。医師の処方箋がなければ、この薬は買えない。

 そういうことで、皮膚科に電話をすると「まずは予約を入れてください。早くてもイースターの連休明けになりますが」といわれた。だから、そんな余裕はないんだよ! いいからヤクくれ、ヤク!!
 という気持ちが通じたのか「どうなさったのですか?」と聞かれたので、とにかく薬が切れてやばい旨を伝える。すると、相手はすぐさま状況を察し、「今日、診療時間の終わりに来てください」ということになった。
 助かった。処方箋さえ書いてもらえばこっちのものだ。

 診療所に行くと、医師が状況を聞く。説明するとすぐに「わかった」という感じで「で、何の薬がほしいの?」という。そこで、私は日本から持参した薬のチューブを並べる。当然日本語だから向こうはわからないのだが、そこにはカタカナで成分が書かれている。「プロトピック0.1パーセント、こっちはヒドロコルチゾン......」とそのままカタカナ読みしたらばっちり通じた。

 プロトピックは比較的新薬で、私がベルリンに住み始めた当時は、ドイツではまだ容認されていないと聞いていたが、今では普通に入手できることがわかった。それでもまだ、ステロイド(ドイツ語ではコルチゾンという)に比べてポピュラーではないらしい。3軒の薬局を回ったが、ステロイドはあっても、プロトピックは置いていなかった。結局注文して取り寄せた。

 こんなに苦労して入手した薬なのに、定期的に通っている鍼治療のせいか再び皮膚が持ち直してきたので、しばらく塗らないで様子を見ることにした。でも、「薬を持っている」というだけで非常な安心感がある。アトピー患者にとって、薬はお守りなんだよ。

コメント(4)

アレルギーがある方は、合う薬を見つけるだけでもたいへんですね。

幸い、というか、自分はお世話にはなっていないのですが。。。

>「薬を持っている」というだけで非常な安心感がある

という一言に納得。

薬が切れるのは大変ですね。
人によって症状は違うと思うけど。
僕も3年前からまたアトピーが出てきた。
3年前が背中とおなか。2年前は両指、昨年はまた背中だった。
今年はなんとか今の所出ててない。
ストレスが原因だと僕はいつも思っている。

アトピー治療はこれまでいろいろ試してきましたが、
今のところ完治してはいないですね。現在は鍼治療も
平行してやってます。
でも、喘息の人は薬が切れたら本当に命取り。
その点アトピーで死ぬことはないから、まだ
のんきなものなのかもしれないですが。

私の甥っ子もアトピーで、しかも喘息持ちなんですよ。
子どもなのに薬は欠かせないみたいで、ホントかわいそう。。
何か画期的な治療法とか治療薬とか(?)早く見つかるといいのにねぇ。

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