
登亭は、知る人ぞ知る西荻の揚げ物屋だ。いろんなメニューがあるのだが、何を頼んでもたいがい同じ内容のものが盛り合されてくる。そして、人や日によってその量にかなりの差があるというのが、この店の売り物になっている。
こう書くと、なんだか感じ悪く聞こえるかもしれないけど、店のおやじさんのキャラクターでみんなからとても愛されているのだ。私も好きで、日本に帰るたびに行ってしまう。
その店が、今年いっぱいで閉まることになったという。おやじさんが歳をとって物忘れがひどくなってきたからというのが理由らしい。
これは今回行かないと、きっともう2度と行けない。そう思って行ってきた。
久しぶりの登亭。チキンサラダ盛り合わせを注文。連れはハンバーグを注文。はたして皿に乗っかってきたのは、どちらもハンバーグ、チキンサラダ、カツ、生野菜そしてなんとエビフライも! エビフライがきたのは当たりだった。
でも、おやじさんはもう1人では仕事ができなくなっているようで、仕切っていたのは奥さんだった。仕事で間違うたび「ボケちゃってね~」を連発するおやじさんを見ていたら切なくなった。
きっとこれがラスト登亭。でも行けてよかった。