
春である。動物は発情期である。人間もまた動物である。さらにここ連日の陽気は、春を通り越して一気に夏になっている。人々はどっと外へ出る。
かくしてベルリンの街のいたるところでは、公然といちゃつく男女の群れでいっぱいだ。
路上でチュッ。
カフェでチュッ。
ホームでチュッ。
......こんなにあちこちでカップルがいちゃついている都市を、私はベルリンのほかに知らない。それとも私がここに住んでいるからそう思うのだろうか。
日本は最近どうだか知らないけど、ベルリンよりは確実に控えめなはずだ。
そういえば昨年の夏にいとこ家族がやってきたとき、8歳になるそこの息子がこの有様を見て「やりすぎなんだよッ」と言っていた。確かに8歳の日本人には刺激が強すぎたに違いない。
しかし、ドイツ人ならこの光景には慣れっこだと思っていたら、案外そうでもないらしい。ちょっと前に、「そのイチャイチャ、吐き気がする」という内容の新聞記事を見かけので、ドイツ人でも嫌なものは嫌なのだろう。
私は公のいちゃつきを見て、自分も温かい気持ちになることもあったし、うっとうしく感じるときもある。
たぶん、自分の気持ちに余裕のあるときは、いちゃいちゃカップルを容認できる気がするのだが、そうでないときは気分が悪い。
他人のいちゃつきは、自分の幸せ度を計るバロメーターか。
まだ都心にそんなに出て行っていないのですが、
確かに街中でのキスはまだ一度も見てませんね。
「実篤!」っていう竹中直人のギャグを思い出します。
内容とはまったく関係ないですが。
上野ちゃん→やはり日本はまだ控えめなのね。いちゃいちゃカップルが少ないと、こっちも気を遣わなくてすむからラクだわ。
匿名さん→そのギャグを思い浮かべながら書きました。
「さねあつッ!」