
前回、「こんなんで商売が成り立つ」んだよ、というベルリンのアバウトぶりを書いたけど、またまたそんなような体験をした。でも今回は、私にとって大いにメリットがある出来事だった。
それは、友人とカフェにいたときのこと。運ばれてきたラテマキアートについてきたスプーンが、靴べらみたいに先が広がった形で愛らしい。ちょうどその直前まで私は蚤の市を回っていて、物を見る目が買い物モードになっていた。
そんなときに、こんなスプーンを見たもんだから、気になって仕方ない。カフェでスプーンや灰皿がなくなるのは、よく聞く話。このままそっとバッグに入れるか?なんて一瞬魔が差したものの、それはいけない。犯罪だ。
ほしいものは、お金を出して買うもんだ。ここはひとつ正攻法でいこうと、ダメもとで「このスプーン、買いたいんですけど」と、ウェイトレスさんに聞いてみた。
そしたら「あげるわ」って。
えっ、スタッフがそんなこと勝手に言っちゃっていいの? でもそう言うなら、お言葉に甘えてもらっちゃうよと、私は「ありがとう」と返し、素早くそのスプーンをしまったのだった。もちろん感謝の気持ちはチップで表現。
ありがとう、店員さん。ありがとう、アバウトなその対応。店側としてどう思うかはともかく、私はありがたかった。また行っちゃうもんねー。
すばらしい!
そのアバウトさ、私に合いそうだ。
そういえば、私の近所にすむドイツ人の友人も、
「これ、いいね~」というと、「あげようか?」ってすぐ言う。
国民性?
あらこ、
そのドイツ人のお友だち、気前がいいね〜。
ケチなドイツ人もけっこういるけどねー。
そういう友だちは大切にしなきゃね。
こっちにいると、どんどんアバウトになって
ちょっとまずいかなーと思うよ。
アバウトはいいよ〜。
きっちりしても、なくなるものはなくなるのだし、あげる本人も気持ちいいもんね!
害がない範囲で、ほどよくアバウトがいいよねー。
でも、その線引きが人によって違うから難しい。
ゆみさんとこも、何かなくなったりするの?
高いものは店には置けないね。
私がお店側なら、お客がアバウトに何かを持ち帰ったら怒りそう。
お店のモノを無断で拝借されるのはアバウトというよりも、ゆきちゃんが書いた通り犯罪行為。それはなしだね!聞いてくれたら、アバウトに対処してあげれるのにね。ものがなくなったり、いたずらされることはやはりある。悲しいけど、でも怒りはない。なにも言わずに持って行く行為に対してがっかりしてるよ。
ゆみさん、まったくもってその通り!
勝手に持ち帰るのは犯罪だ。犯罪とアバウトは違う。
アバウトでいることって、結局各人の考える力が問われるね。
いやー、難しいねー、快適なアバウト。