私は何かにつけ心配しすぎる。そんなことは自分でもよくわかっている。でも性分なのだから仕方ない。
今回ベルリンに帰ってくるのは、とりわけ心配だった。それはこの時期に北朝鮮がミサイルを発射することになっていたから。
「ミサイルが飛行機に衝突する可能性はないのかなあ。そうじゃなくても、もし日本がミサイルを迎撃したら、その破片が飛行機に当たったりして......嫌だなあ」などと親しい人たちに言ってみても「そうだね〜」と、気のない返事しか返ってこない。
もう、こっちは真剣に心配しているのに!と憤慨しても、「それより道で交通事故に遭う確率の方がずっと高いよ」といなされる。しかしまあ、そういう返事を繰り返されることで、私の心配も徐々に薄まるという効果もあったが。
当日空港でチェックインをすると、「今回のフライトは通常より時間が若干かかります」とのこと。ルートが変更になるのかと聞くと「はい、北朝鮮の......」と言う。危険区域を避けて、成田から青森へ向けてまっすぐ北上するらしい。
でもミサイルは日本上空を横切るのだから、飛行機が北上してもいずれどこかでミサイルと交差する可能性があるのでは?という素人考えが頭をよぎる。しかし、専門家が安全と判断して飛行機を飛ばしているのだ。それにヨーロッパ行きの便はほかにもある。きっと大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせる。
ようやく落ち着けたのは、シベリア上空に入ってから。いくらなんでも、もう大丈夫だろうと思う。
しかし今度は、日本にいる家族が気になる。もしや落下物による被害が出てはいないだろうかと、やきもき。
ベルリンの家に帰って、ネットでニュースを確認して、何事もなかったことを知り、心底ほっとした。すぐに爆睡。
生きてベルリンに戻れて、本当によかった。