
昔の水道塔や、社会主義時代の象徴となった建物など、ベルリンの街中を歩いていると気になる建物がたくさんある。どうしても中をのぞいてみたい。いくつかは、その願いが叶ってきた。
そしてこの前の週末、また一つ私の好奇心が満たされた。それは、ずっと閉鎖されたままになっている元市民プール。築100年以上の歴史がある、とてもクラシックな建物で、前を通るたびに入ってみたいと思っていた。
もうプールとしては使われていなくて、たまに展覧会の会場として使われている程度。本当にたまにしか使われないから、これまでタイミングが合わず、入れたことがなかった。
ところが週末に何気なくその前を通ったら、いつもは固く閉ざされている扉が開いて、中から光が漏れている! 今日を逃したらもう二度とチャンスはないかも、と焦りながら入ってみると黒山の人だかり。
ずいぶん盛況な展覧会だと思っていると、どうも人々の様子が違う。なんだかやけにスポーティなのだ。
それは展覧会ではなく、スポーツクラブの勧誘イベントだった。水のない広いプールで、体験コースに参加する人々。スポーティな人々を横目に、私は二度と入れないかもしれないプールの写真を撮りまくった。
天井の塗装は剥げ落ち、かなり痛んでいそうだけど、それがまたいい雰囲気。階段の手すりには魚のモチーフが施されていた。
現代のハイテクプールもいいけど、こういうクラシックなプールも素敵。好奇心が満たされ、非常に満足した一日だった。