
20年前の11月9日にベルリンの壁は崩壊した。あれからもう20年も経ったのか、と思う。
私は1979年から80年にかけての1年間を当時の西ドイツで過ごした。その1年間は、家族であちこち旅行して、私にとっては遊んで過ごしたような1年間だった。
そのとき私は、ドイツにいるうちにベルリンへ旅行したいと思っていて、そのように親に言っていた。子どもの頃のことだからよく覚えていないけど、たぶんベルリンの壁を見たかったのだと思う。
でも、うちの両親はあまり乗り気ではなかったらしく、しかも偶然の出来事が重なったりで、結局ベルリンへ行く機会を逸してしまった。
これだけは、今でも残念に思う。もし子ども時代に壁を見ていたら何を感じただろうか。それこそ生きた歴史の学習だっただろうに。
私が初めて壁を見たのは、崩壊直後の90年2月。壁はすでに市民によってツルハシなどでガンガンと壊されているまっただ中で、もう緊張感はなかった。平和な雰囲気があった。
でも、ブランデンブルク門を通って西から東へと足を踏み入れたら、いきなり街がグレーな感じだった。あれはちょっと衝撃的だった。「荒涼とした」って、ああいう雰囲気をいうのかなと思う。
ベルリンでは9日にいろいろな記念イベントがブランデンブルク門の周囲で開催される。その一つが壁のドミノ倒し。門の前にはベルリンの壁を模した壁(スチロール製らしいが)がもう並んでいる。夜になったら(ドイツより8時間早い日本では昼頃)倒されるらしい。
今ベルリンは深夜だけど、さっきからテレビではずっと壁崩壊関係の番組が流れている。
そういえば友人がベルリンのストリートスタイルのウェブページを作ったので、こちらからどうぞ。
こっちでも昨日はテレビ各局で
ベルリンの壁崩壊の特集やってたよ。
その中で、ドイツ人の7人に1人は
ベルリンの壁の復活を願っている・・・
って言ってた。
主に旧東ドイツの人みたい・・・
元々は壁を壊したくて自由になりたくて
望んだことなのに、
実際に壊れてみて20年経って
やっぱり昔のほうがいいと思っているのかな?
ドイツの失業率もすごいらしいもんね。
そうそう、テレビで、
旧東ドイツの共産主義の英雄
(名前忘れた・・・ヒトラーに処刑された)
その人の巨大な像が建っているのが
映されていたいたけど、観たことある?
とてつもなく大きそうで観てみたいな~って思ったけど。
エビリン、
旧東ドイツ時代のほうがよかった、と思っている
旧東ドイツ人は確実にいると思う。
今日(9日)、たまたま私は旧東ドイツ出身の友人と会って、
社会主義時代の出来事について話を聞いてきた。
それについては、また書くよ。
巨大な像というのは、もしかしてエルンスト・テールマンの
ことかな。バストアップの彫刻で、背後に旗がひらめいてた?
旧東ベルリン地区(もちろん旧東ドイツ地区にも)には、
社会主義時代の巨大な彫刻があちこちにあるよ。
そこには共通の様式美というのがあって、
不謹慎なのかもしれないけど私は見ていておもしろい。
そういう彫刻がたくさん集まった公園がハンガリーの
ブダペスト郊外にあって、そこはかなりおもしろかった。
それについては、確か数年前にこのコーナーで書いたな。
そうそう、エルンストとか言う人の像。
後ろは四角い旗がひらめいていたよ。
今はその彫刻に落書きをする人がいるって
旧東ドイツの女性が嘆いていたよ。
なんか、すごく特徴的な彫刻で
見てみたいな~って思ったよ。
私達異国から見ると、すっかり「ドイツ」
だけど
当事者たちにとっては
いろんな思いがあるんだろうね。
今度そんな話も聞かせてください。