2週間が過ぎた

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 私の家族はみんな日本にいて、私だけが勝手に一人でベルリンにいる。そして、今回私だけが震災を経験しなかった。

 震災後に初めて家族と連絡がとれたとき、妹は「怖かった」と言っていた。それを聞いた瞬間、心の底から本当に怖かったのだと思えて、涙が出そうになった。

 ドイツ人たちからは、さんざん「家族は東京から逃げた方がいいんじゃないの」と言われた。それは正論だと思う。私もそう思った。命より大切なものはないはず。

 でも、私の家族はみんな東京に残った。自らの意志で残った。
「今逃げたらみんなを見捨てることになるんだよ。そんなことはできない」と言っていた。
 その答えは私にとって少し意外だったけれど、本人がそう決めたのなら無理やりベルリンに連れてくることはできない。

 そのやりとりがあったのは、震災直後でまだ大きな余震が続いていた頃。原発だけでなく、余震による二次災害も不安だった。
 ニュースのUstream放送を寝ている間もつけっぱなしにしていた。もし私がベルリンにいる間に、これ以上日本に何か起きたらと思うと消すことができなかった。
 
 あれから2週間が過ぎて、少しずつ状況も落ち着いてきた。原発事故については気になるけれども、みんな毎日を過ごしている。

 震災の怖さを体験していない私は、この間の家族の思いを理解できるだろうか。きっと、私の想像をはるかに超える恐怖だったに違いない。それでも想像してみるしかない。

 今回の震災でご家族・親戚・友人を亡くされた方、その悲しみはきっと私の想像もつかないほど大きいに違いない。それでも想像してみる。

 ドイツという、日本から遠く離れた安全地帯に一人でいる私には、今回の恐怖と悲しみは本当には理解できないのかもしれない。
 想像することで、その体験を少しでも分かち合いたい。

 今回の震災で亡くなられた方のご冥福を、心よりお祈りします。

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