古いものへの価値観・日欧比較(?)

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日本では新建築が次々と

 最近特に、昔の話をできるだけ聞いておかないといけないと思うようになった。人から直接話を聞くと、本でしか知らなかったことがリアルに感じられる。過去と自分の存在がつながっていると思える。

 そんなふうに思うようになったのは、歳のせいかもしれないし、ドイツに住んでいるからかもしれない。

 ドイツでは(ほかのヨーロッパも恐らく同様だと思うけど、詳しくは知らないので「ドイツでは」と書いておく)、街を歩いているだけで歴史を意識せざるを得ない。何世紀も前の建造物が普通にあるし、戦争に関するモニュメントもある。
 いつの間にか、歴史を学ばなくてはいけない、そして未来につなげていかなくてはいけないと思うようになった。日本ではそんなこと、考えもしなかったのに。

 この秋に、奈良の平城宮跡が埋立・舗装工事されるというニュースを見たとき、これはあり得ないことだと非常に怒りがこみ上げた。署名で反対しなければまずいと思い、10月9日付けのクボマガやツイッター、フェイスブックなどで取り上げたところ、敏感に反応してくれたのはほとんどが海外(主にヨーロッパ)在住日本人だったのだ。日本に住んでいる日本人は、一人ぐらいだったかな。
 それがすごく興味深かった。

 それで思ったのは、ヨーロッパにいることで、古くからあるものを守るという意識が自然と染みついたのだろうということ。
 自分はドイツで歴史的建造物に日常的に触れて、そういう環境が大切だと思うようになったのだろう。

 日本はスクラップ&ビルドが当たり前。家も新築が好きだし(耐震構造の進化という要素もあるが)、古くなったら壊して新しいものをどんどん造る。
 そうすると、過去と現在が断ち切られてしまうし、ちょっと大げさかもしれないけど、自分が今ここに存在することの意味もわからなくなってしまう気がする。生き方が刹那的になるような気がする。

 スクラップ&ビルドが日本らしいという意見もあるけど、私はそういうやり方はあまり賛同できないんだ。

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アッセンブリという考え方。

日本はやはり大量生産大量消費、すなわち使い捨てという方針が
今も経済の中心だということです。

日本の車は優れていると思います。また他の工業製品も
素晴らしい物だと思います。
しかしそれらは計画的陳腐化という方式により常にリニューアルされます。
そうです。変わらないもの、品質が向上しないものは売れないからです。
では実際現場ではどうなっているかというと、

日本の科学の結晶であり、エコロジーの最先端であるトヨタのプリウス。
これらが不調になった場合、普通の修理工場では修理できません。
なぜなら、超最先端であるため、部品を修理するという事ができないのです。

ではどうして故障を直すのか?
それはメーカーが販売するコンピュータを購入し、
故障箇所を調べ、そのユニットを交換するだけ。
それは修理ではなく、単なるユニットの交換。
いわゆるアッセンブリです。


そうしてメーカーがすすめるコンピュータを購入しない修理工場、
すなわち技術者をかかえるプライド高い修理工場はつぶれるしかないのです。
この話は家庭における水周りでも全く同じです。
TOTOやINAXという有名メーカーも同じです。
節水や節電といい、水量タンクを小さくし、
修理する隙間さえありません。
結果、水漏れを起こした部品はそのまま交換しなければなりません。

それが、日本の一流メーカーのすることなのです。
そしてそれをしなければメーカーはなりゆかないです。

もちろんメーカーのみが悪いのではないでしょう。
戦後の日本がここまで急激に復興できたのも、
こういった巨大なメーカーの思惑があったからこそだと思います。
でも、そろそろ日本人ももっと本質的な事に
気づかないければならないかとおもいます。

地なにいアンチトヨタでもありません。
逆に子供の頃からのトヨタ車ユーザーだし、
水周りはTotoを使っています。
逆にそうだからこそそういう話をよく聞くんですよね。
すみません。長文過ぎました。

Taizangさん、こんにちは。
興味深いコメントをありがとうございます。
プリウスは部品修理ができないんですか。
テクノロジーの進化は、そういう部分にも影響するのですね。

日本の電化製品を見ていると、本来あるべき機能の進化というよりも、
どうでもいいようなおまけ的機能が次々生まれているように感じます。
私は一消費者としてそういう商品はまったく望んでいませんが、
そうしないと売れないということなのかもしれませんね。
もっと本質的部分を重視したものや、新たな世界を創出するような商品は
支持したいと思うのですが…。
私が消費する金額は微々たる額ですが、納得できることに使いたいと思っています。

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