2012年10月アーカイブ

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渋い情報誌ですが、表紙がかわいいです

 月刊生産情報誌『農耕と園藝』(誠文堂新光社)に、このたび初めて記事を書かせていただきました。テーマはドイツのクラインガルテン。クラインガルテンとは、簡単に言うとドイツ版市民農園なのですが、農園というよりは平屋の家が付いた広い庭のイメージです。

 今回はクラインガルテンの概要について、そして次号ではクラインガルテンでの具体的な楽しみ方、過ごし方についてレポートしています。単に花や野菜を栽培するだけじゃないんですよ。

 この『農耕と園藝』は野菜・花・果樹の生産者のための雑誌です。私は以前、お花関係の雑誌や書籍編集に携わっていたことがあるのですが、「大田花き」「FAJ」などの社名を目にし、ほんのり懐かしい気分になりました。

 全国の書店でお買い求めくださいませ。

一時帰国しました

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出発前日。葉も随分落ちてしまった

 ベルリンは今日日曜から冬時間に突入。午前3時は午前2時になる。自動設定になっている時計も多い。パソコンの時刻表示も自動的に変わる。

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その1週間前までは紅葉がきれいだった

 冬時間になると、一気に暗くなる(気がする)。それまでは日没が午後7時だったのが、午後6時になるわけだから。
 ベルリンに住んで以来、心身共に天気の影響を非常に受けると感じるようになった。特に日照時間。冬は、寒さよりも暗さが応える。
 冬時間に突入する10月最後の日曜日から冬至までの間を、どっぷりベルリンで過ごした年は、そのせいかわからないけど年明けに無気力状態に陥った。それ以来、この期間をできるだけ外で過ごすようにしている。

 そんなわけで、今年もこの時期に一時帰国。今度ベルリンに帰る頃は、暗いけどクリスマスの雰囲気が漂っているから落ち込まずに済む。そして冬至が過ぎれば、寒いけど日が延びてくるから気分的に救われる。

 しばらく日本の生活を味わいます。

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カバーはこれ。ここに入っているサブタイトルは
「雰囲気のいい部屋を作るためのドイツ・ベルリンのリアルスタイル」に変更になりました


 遂に新刊が出ます! 初夏からずっと携わっていた本が、ようやく11月に発売になります!
 題して『レトロミックス・ライフ 雰囲気のいい部屋を作るためのドイツ・ベルリンのリアルスタイル』

 本書のテーマは、古い家具をミックスした、心地のいい部屋づくり。センスのいいベルリーナー(ベルリンっ子)たちのお宅を訪ねて、その秘訣を探ってきました。

 インテリアの本ではありますが、「気持ちいい暮らしがしたい」「ラクに生きたい」と思っている方にぜひ読んでいただきたいです。
 というのは、ベルリーナーはお金をかけずに気持ちよく暮らすことがとても上手なのです。もちろん最低限のお金は必要ですが、人生を気持ちよく、幸せに生きるのと、大金を持っていることは関係がないと思います。

 そもそもインテリアとは、お店に行って家具を買って配置することではありません。少なくともセンスのいいベルリーナーたちは、そうは思っていません。

 本書に登場するベルリーナーの住まいは、大金をかけて設えた部屋はありません。原稿では「拾った」「もらった」という言葉ばかりになってしまったほど、みんな自分で工夫して、センスのいい素敵な部屋を作り上げています。
 そしてそれは、お金だけかけて工夫がない部屋よりも、ずっと素敵です。見ていただければわかります。

 私は以前からインテリアの本を書いていますが、ブランドがどう、デザイナーは誰、というのはさほど重要ではないと思っています。
 それよりも、そこに暮らす人の考え方や行動を書いているつもりです。お金に左右されず、豊かで幸せに生きる発想を日本に伝えたいのです。

 ですから、今の暮らしに疑問のある人、ちょっとしんどいなという方は、ぜひとも本書を読んでいただきたいです。

 現在アマゾンでは予約受付を開始しました。ご予約冊数が多くなると、アマゾンでの取り扱い冊数が増えるそうです。これまで私のインテリア本は、発売直後に在庫切れで数日お待たせすることがあり、著者として申し訳なく思っていました。ですから、ご予約いただき、発売後すぐにお手元に届くとうれしいです。
 もちろん全国の書店でもお求めいただけます。店頭での発売は11月10日頃から、アマゾンでの発売は11月6日の予定です。
 
 新刊『レトロミックス・ライフ 雰囲気のいい部屋を作るためのドイツ・ベルリンのリアルスタイル』を、どうかよろしくお願いいたします。

『レトロミックス・ライフ 雰囲気のいい部屋を作るためのドイツ・ベルリンのリアルスタイル』
久保田由希著
グラフィック社
ISBN:4766124359
A5判 160ページオールカラー
http://www.amazon.co.jp/dp/4766124359/

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前回の様子です。今回もまた西荻・モイスェンで開催します

 昨年4月から始まった「トウキョウ‐ベルリン雑貨店」。一時帰国のたびに開催していますが、このたび4回目を開催いたします。

会期
2012年11月10日(土)13:00〜20:00
2012年11月11日(日)12:00〜19:00

会場
Maeuschen 焼き菓子やさん「モイスェン」2F小さなギャラリー
東京都杉並区西荻南3-17-7
http://maeuschen.main.jp/
(店内右手の小さな階段を上ってください)

 今回は、日本の美しい雑貨を紹介しているPampile(パンピーユ)と、妹と私がやっているヨーロッパ・ヴィンテージ雑貨ネットショップAmsel(アムゼル)が再び共同で開催します。

 開催に当たって「おうちカフェ」というテーマを設けました。いつもの自宅も、ちょっとナプキンを敷いたり、いろんなカップを使うことで、カフェのような和める雰囲気が生まれます。ベルリンのカフェを何軒も取材するうちに学んだ、和み空間のアイディアをご紹介します。

 現在Amselで扱っている商品のほか、「トウキョウ‐ベルリン雑貨店」のために、ネットショップ未掲載の商品もたくさんご用意いたします。そんなわけで、現在鋭意商品パッキング中です! おすすめ品などは、また追ってこのクボマガでご案内いたします。

 どうか遊びにいらしてください。ベルリンのカフェやインテリア、蚤の市について、みなさんと楽しくお話ししたいと思っています。ぜひ東京・西荻で会いましょう。

 *前回の「トウキョウ‐ベルリン雑貨店」の様子はこちらをご覧ください。

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ベーシックだから、これも軽く10年は着るかしら

 衣食住の中で、私がダントツにお金をかけないのが、衣。この前なんか、ふと気づいたら上下共に20年前に買ったんじゃないかというもので、我ながら驚いた。でも傷んでないし、デザインもずっと好きだし(年齢を問わないベーシックなデザインだから、今着ててもイタい印象にはなっていないと一応思うんだけど)、処分する理由がない。きっとまた来シーズンも着ると思う。

 とにかく所得が少ないもんだから、何にお金を使うかは大問題。私は、住と食は人生にとってどちらも非常に大切だと思っているので、そちらを優先すると、どうしても服は後回しになってしまう。

 でもここにいると、日本ほど服に気を遣わなくていいし、私は勤めていないから、毎日取っ替え引っ替えしなくていい。それで随分助かっている。

 とはいえ、お金をかけないからって、どうでもいいって訳ではないのよ。好みはあるし、質の悪いものはほしくないし。結局、気に入った服だけを必要に応じて数枚買い足すって感じ。お古をもらったこともあるな。

 ところで私はときどき、仕事で服のデザイナーさんを取材することがある。自分のレーベルを持っている人も少なくない。もし自分の好みと合って、値段も買える範囲なら、大量生産の店よりもそういうレーベルで買いたいなと思っている。今年8月10日付けのブログにも書いたけど、買い物って一種の選挙のようなものだと思うから。

 そうしたら、現在発売中のgiorni(ジョルニ)に掲載されている、デザイナーのジルケさんを取材したときに、彼女のお店でちょっといいトレンチコートを見つけたの。ジルケさんはmutabilis berlinという、ベーシックながらもちょっとかわいい服のレーベルを運営している。

 お店で見つけたトレンチコートは、セールでだいぶ安くなっていて、これなら自分でも買える!と思った。それまで愛用していたステンカラーのコート(でも10年は経ってない)も、だいぶ古びてきたことだし、思い切って買うことにした。

 で、試着したら。日本人としても小柄な私には、悲しいかな、幅はぴったりなのに、どうにも丈が長すぎる......。丈詰めして、それに合わせてベルトの位置も変えて......とかやってたら、新しいの作った方が早いんじゃないの?ってくらいのまさに「総お直し状態」。

「このお直し、外注したら高くつくから」と言って、ジルケさんが忙しいのに合間を見ながらちょっとずつ直してくれることになった。 そして待つこと......3ヵ月。ついにジルケさんから「コートができた」との連絡が! そして手にした写真のトレンチコート。

 既にベルリンは日本の冬並みの寒さに突入しつつあるけど、暖かい日中ならまだ大丈夫。それにもうすぐ一時帰国するし、11月の東京なら問題なしでしょ。そして「総お直し状態」だったのにもかかわらず、お直し代をとても安くしてくれた。

 好きなものが増えると、うれしいんだよね。
 秋のおしゃれは、これで決まりだわ!

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写真は奈良つながり

 相変わらず原稿を書いておりますが、あと一息というところまできました。もうあとちょっと。最後の力を振り絞ります。

 しかしながら、終日原稿を書き続けるというのは無理で、合間合間で息抜きをしていて、たまたま奈良の平城宮跡が埋立・舗装工事されるというニュースを目にしました。

これです。
http://narapress.jp/hjk/#top


 世界遺産である平城宮跡を、埋立・舗装する工事が始まっているとのこと。現在この場所は草原・湿原。そこを埋立てて舗装するとかで、国土交通省が音頭を取ってやっているらしい。

 詳細は上記リンクを読んでいただくとして、もう私はこのニュースを知ったときに激怒して、まさに怒髪天状態になった。
 明確な工事の目的もないのに、今ある姿を変えようとしている。しかもユネスコ世界遺産の場所で。

 このまま工事が進めば、地下に眠る埋蔵文化財が破壊される恐れがあり、自然もなくなる。1300年に渡って守られてきた文化財が、明確な理由もないまま工事でめちゃくちゃにされてしまう。
 何の権限があって、現代の私たちが過去からの遺産である文化財を破壊することができるんだろう。
 現代に生きる私たちの前にも後にも歴史があるのに。未来へつないでいかなくちゃいけないのに、どうしてそれを平気で壊すことができるのか、理解できない。

 日本は何でもスクラップ&ビルド。それが魅力というならそれでもいいけど、守らなきゃいけないところは守らなきゃ。日本の歴史がある場所なんだから。

 この工事の中止を求める署名を募集しているので、賛同してくれる人はぜひご協力をお願いします。上記のリンクから飛んだページの、下の方にあります。

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昼間は暖かいキッチンで書いてます(これは撮影用にきれいに整えたもの)

 このところ更新がご無沙汰になってすみません。初夏から始めたインテリア本の制作が佳境に入っております。

 職業がライターというと、終日机に向かっていると思われることも多いのですが、私の場合はロケハンや取材で外出していることが多いです。原稿を書くのは、本当に最後の最後。そして今、その最後の段階を迎えております。

 インテリアの本は写真が多いですが、それでも本1冊となると時間がかかります。数週間前から締め切りの恐怖がひたひたと押し寄せてきて、友人とも会わず、イベントにも行かず、ひたすら家で朝から(昼から)晩まで書いております。

 原稿を書いているときは、いつもこれでいいのかと悩みます。私が書きたいこと、編集部から求められること、読者の皆さんが求めていると思われるだろうことを満たしたいと思っていますが、果たしてそこに近づけているのか、自分ではわかりません。

 私は実践的なインテリアのノウハウ以外にも、住んでいる人の思いや、ベルリンの住宅状況なども書きたいと思っています。それには歴史的背景なども少し説明しないとわからないので、そんなことを書いているうちに「読者の方はこんな内容を求めているのだろうか」という思いが頭をもたげるのです。

 そんな状況ですので、今しばらく悩みながら書く日が続きます。クボマガの更新もできるだけしていきますので、どうかよろしくお願いします。

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