2010年12月アーカイブ

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 すっかりお知らせが遅くなってしまいましたが、雑貨カタログ』No.108(冬号)が発売中です。

 特集は「お気に入りのものと暮らす」。自分の好きなものが身の回りにあるってしあわせだし、とても大切なことだと思います。
 例えば、カップやポットなどはその機能を果たせば何でもいいのでしょうが、お気に入りのものならそれを使うたびにうれしくなるものです。そういう気持ちを持てるのが、豊かな暮らしなんじゃないかと。

 そして、これまで連載してきた「世界の雑貨ニュース」コーナーは、今号で終了です。これまで読んでいただき、どうもありがとうございました。

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もっと寒くなるってよ

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 ベルリンにちゃんと帰って来て1週間、今年の大雪加減はよーくわかった。昨シーズンもよく降ったけど、今年はいっそう大雪だね。
 とにかく歩道は、雪でもっこもこ。車道は走れるけど、路駐している間に新たに雪が積もったりして、車を出そうとしてタイヤがスリップしている光景を多々見かける。

 もともとベルリンはそんなに大雪が降るところじゃなかったはず、と思っていたら、50年ぐらい前はこんな感じだったと聞いた。ってことはやっぱり温暖化しているのか。でもじゃあ、この大雪は?

 こんな天気が続くと、交通の混乱が心配。クリスマス、新年で移動する時期なのに。
 しかも明日からは、もっと寒くなるとか。予想では−14度? もう−10度とか、すっかり普通になっちゃったな。

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 ドイツでは12月25日と26日がクリスマス。
 この2日間はお店は休業、誰もが帰省し家族とともに過ごす。だから、街はガラガラで1年のうちでいちばん静かな日になる。

 私はドイツに家族がいないので、特に帰る場所もない。それを不憫に思われるのか、ドイツ人の友だちから「一緒に実家へ行く?」と言われたりもするけど、ゆっくり家で過ごすのもまあいいかと思う。

 もし日本からクリスマスの雰囲気を味わいに来るのなら、クリスマスに入ってからだと遅い。クリスマスマーケットは、普通は24日前に終わってしまうし、クリスマス期間はお店もほぼ完全休業。
 だから、12月の頭から中旬ぐらいまでの間にくるのがおすすめ。

 ベルリンは大都市だから、クリスマスマーケットもいくつもあって、ジャンダルメン広場のマーケットのように大晦日まで開いているものもある。
 なのできのうちょっと見てきたけど、24日の夜は、みんなもう帰省しているから空いていた。こういう場所は、やっぱり人でにぎわっていた方がいいかも。

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 ここ数日の移動のバタバタでお知らせがすっかり遅くなってしまいましたが、1月号テキストが発売中です。
 今月の「ベルリンからの小さな旅」では、ヴィッテンベルクに行ってきました。あの、ルターによる宗教改革の発端となった町です。

 誌面ではルターのことしか書けませんでしたが、この町には" Haus der Geschichte" (ハウス・デア・ゲシヒテ)という、東ドイツの日常生活を展示した博物館があり、そちらにも興味があるんですよね。でも、時間がなくて行けず......残念。

 本当は、その博物館の閉館まで30分ぐらい時間があったのですが、受付の人が「館内見学には3時間はかかる。あと30分じゃ無理」と頑として言い張り、入れてくれませんでした。
 むろん、こっちはそれを承知の上で入ろうとしたのに、お客の要望を聞き入れないなんて。良心的なんだか、お客の立場に立っていないんだか。
 この地が旧東ドイツだったことを思い起こさせるような出来事でした。

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 いやー、まいったまいった。
 って、前回と同じ書き出しだけど、この3日間、私は移動でずっとまいりっぱなしなんだ。

 まず前回の続きから言うと、フライトが欠航になった翌日に、振り替え便のエアフランスで定刻通りパリに着くことはできた。でも、パリ発ベルリン行きのフライトがずるずると遅れて、結局4時間近く遅延になったんじゃないかな。
 ベルリンのテーゲル空港に着いてのは、深夜0時頃。家に着いたときは、もう日付が変わっていた。

 でもまあ、日曜のうちに到着できて助かった。
 というのは、月曜朝に南ドイツのウルムに旅立たなくちゃいけなかったから。

 ベルリンからウルムへは、特急で6時間以上かかる。飛行機だと最寄りのシュトゥットガルト空港まで約1時間、そこから列車を乗り継ぐことになる。
 時間的には飛行機の方が速いんだろうけど、この雪でフライトもだいぶ乱れているし(自分もその被害に遭ったばかり)、陸路なら時間はかかってもいつかはたどり着けると思い、特急を予約した。

 そしてベルリン中央駅に行くと、私の予約した列車の欄には「運休」の二文字が......。あれ、なんかこれと似たようなシーン、つい2日前に経験した気が......。

 もうこの状況にもすっかり慣れた! しかもここはドイツ。フランスと違って言葉がわかるから、なんとか自分で対処できるという安心感もどこかにある。
 すかさずそのまま駅のサービスポイントに行き、対処法を相談。すると、1時間後の特急で、乗り換えなしでウルムまで行けることがわかった。しかも、切符を買い直す必要もないという。

 やった、なんかうまくいきそうと小躍りしたのもつかの間

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 いやー、まいったまいった。まさか日本でもう一度このクボマガブログを更新できるとは思ってもみなかった。
 本当だったら、今ごろとっくに雲の上のはず。なのに、なぜか成田空港付近のホテルでパソコンに向かっている私。

 そもそも今朝、何気なく成田空港のサイトをチェックしたのは、ヨーロッパの天候が荒れていると聞いたから。遅延がちだとのことだったので、一応フライトの状況を見ておこう思ったのだった。
 が、そこには私のフライト番号とともに「欠航」の二文字が......。

 でもまあ、とにかく成田空港に行くしかない。うまくいけば、同じぐらいの別のフライトに振り替えられるかもしれないし。

 しかし、空港では案の定、長蛇の列。ただ、欠航になったのは私が予約していた14時55分発のアムステルダム行きだけで、12時台のアムス行きは18時10分発に時間変更、他社のヨーロッパ行きのフライトは運行していた。どうやらアムステルダムだけが、飛べないほど悪天候だったらしい。

 長蛇の列はカウンターにつながっていて、その入口には「悪天候のため欠航...お客様の最終目的地までのフライトをご案内します」みたいな内容が書いてある。ということで、とりあえずその列の最後尾に並ぶしかない。
 しかし、いつ順番が回ってくるともわからない列を、ばかりばかり待っているのは、なかなかしんどいもんだ。
 空港に着いて、列の最後尾に並んだのが13時。いつしか窓の外はきれいな夕暮れになり、そしてとっぷりと暮れ......気づけば18時を回ってるじゃん! でも、おかげで読みかけの本を読み終えたので、よしとしよう。

 しかし私は出発の2時間前には空港に着いたというのに、私の後に並んでいたのは、わずかに10〜15人を数える程度。ってことは、大多数はもっと早くから来ていたってわけだ。みんな、すごいなー。

 結局私の順番が回ってきて、新たなフライトの手続きを終えたときには、19時半になっていた。なんと、6時間半立ちっぱなし。この間、飲み食いもできなきゃ、トイレにも行けない。いやー、ほんとにまいった。せめて筋力でもアップしていりゃいいけど。

 で、6時間半待った挙げ句に、その日のうちには飛ぶことができず、今ホテルの一室にいるってわけよ。
 明日日曜の昼に、エアフランスでパリを経由してベルリンに行くことになったけど......私はエアフランスと相性が悪い。この行程で、私は過去に2度もパリで足止めを食って1泊するはめに陥っているんだ。そのときの激昂ぶりは、このコーナーで書いたことがあるはず。
 しかも、ヨーロッパはどの都市も天気が悪そう。果たして、日曜のうちにベルリンに着けるのか......? 日曜のうちに着かないと、まずいんだよな〜。まずいんだよ。
 なんとか飛んでくれ〜。着いてくれ〜。

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 ベルリンに住んで8年目。でも東京にも年に2回は帰ってくるので、私にとってはどっちもホームの感覚がある。私の中ではベルリンに「行く」のではなく「帰る」だし、ベルリンから東京へも「行く」ではなく「帰る」だ。

 一時帰国前によく「日本へ帰るのが楽しみ?」と聞かれるけど、これがそうでもない。もちろん家族や友人に会えるのはとてもうれしいけど、それよりもひとときベルリンを離れる方が(たとえそれが1ヵ月程度だとしても)さびしい。
 そして、東京からベルリンへ戻るときも、やはりうれしさよりもさびしさのほうが、はるかに強い。

 日本にいれば、滞在許可など申請する必要もなく自動的に生きていけるし、言葉も通じて楽なことこの上ない。何も考えなくても生きていける。
 ベルリンにいると常に「なぜ自分はここにいるのか」「いつまでいるのか」という問いを突きつけられる。その答えは自分でもわからない。

 それでもまたベルリンに帰ろうとしているのは、ベルリンにいるとリラックスできるから。東京では、それはまだ無理なんだと思う。東京で30年以上暮らしてきたのにね。
 どこにいてもリラックスして生きていくのが目標なんだけど、そうなるまでにはまだもう少し時間がかかるかな。

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古いものの美しさ

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 古民家を改装したカフェで友だちとおしゃべり。木造の日本家屋。縁側があって、窓から庭が見える。
 もうこういう家は、都心ではなかなか残っていない。実家も違うし、実家の周りにあった平屋の家もみんな建て替えられてしまった。

 日本の家の平均寿命は約30年とか。驚くほど短い。地震があることを考えても、純粋に短いと思う。ヨーロッパと比較するのは、環境が違うからあまり意味がないと思うけど、ベルリンは100年超のアパートは普通だし。

 古いものが残るには、まず品質がよくなくてはいけないし、古いものに価値を見いだす人が増えないといけない。古いものを維持するには日々の手入れや修繕が不可欠で、それには費用や労力がかかる。

 ベルリンに住んで古いものの美しさを知ったら、新品ばかりだとどこか薄っぺらく感じるようになった。特に質感の軽さがとても気になる。
 
 でも日本でも古いものの人気は上がる一方のようだから、これから一層そういう流れになっていくのかも。質がいいものを長く使うのは、豊かなことだと思う。

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 このたび、私の新刊『ヨーロッパのDIYインテリア』が、グラフィック社より発売になりました。
 今回も前書『ヨーロッパのインテリアレッスン』と同様、コペンハーゲン在住の冨田千恵子さんとの共著です。

 デンマーク人もドイツ人も、DIY(ドゥ・イット・ユアセルフ)が大好き。誰もが当たり前に家具づくりや修繕を行っています。だからアイディアも豊富。しかも日本とはひと味違う、ヨーロッパのセンスにあふれています。

 そんなDIYの達人たちから、家具・小物づくり、リメイク術などをたくさん教わりました。初心者からちょっと慣れた人向けまで、いろいろなレベルの作品を、豊富なプロセス写真とともにご紹介しています。

 そして、実は私も本書で自宅の壁塗りに初挑戦しました! 
 今年8月1日付けのこのコーナーで触れたとおり、私はずっと前から部屋の壁を一面だけブルーグレイに塗りたいと思っていたんです。そんなときに本書を作ることが決まりました。
 千載一遇のチャンスとは、まさにこのこと。「それなら私も壁を塗る!」と、この企画に便乗し、ブルーグレイに塗ったのです。
 私がローラーで壁塗りに奮闘している模様は、プロセス写真つきで本書でたっぷりご覧いただけます。

 本書を書くにあたり、編集の方にお願いしたのが「どうしても前書きを書かせてほしい」ということでした。
 というのは、前書『ヨーロッパのインテリアレッスン』では、台割上の点から前書きがなかったのです。そのときは私も気軽に「前書きがなくても......」と考えていましたが、前書の刊行後にそのことがずっと頭に引っかかっていました。

 書店に行かれればわかるように、海外のインテリアの本はたくさん刊行されています。私が初めての本『ベルリンの大人の部屋』を上梓する以前から、各国の本がたくさん、たくさん出ています。だからこそ、私も本を書く機会をいただけたのです。
 こうした海外インテリア本は、とにかく素敵なお部屋をみなさんに見ていただくことが第一目的です。だから、その本を誰が書いたか、というのは読者のみなさんにとって、さほど大切ではないと思うんです。

 でも、私は自分の本では、ドイツ国内ならすべて自分で探して、自分の目で見て、自分でセレクトしたものをご紹介しています。もちろん原稿も自分で書いています。だから、本の主役はインテリアやDIY作品ですが、私の想いもみなさんに伝えたいと思いました。

 それが、前書きです。
 短いですが、読んでいただけたらうれしいです。

 もちろん、本は一人だけでできるわけはありません。
 前書に引き続き、本書でもグラフィック社には大変お世話になりました。編集者さんは、いつもよきアドバイザーであり、批評者であり、戦友のようでもあります。彼女なしでは、私はなにもできなかったと思います。
 前書・本書の2作がきっかけとなり、グラフィック社に「ヨーロッパのインテリアシリーズ」が生まれたことを、とても光栄に思います。

 そして、本書のタイル貼り企画に協力してくれた由理ちゃん。何から何まで本当にお世話になりました。心から、ありがとう。

 ......なんだか後書きのようになってしまいましたね。うん、これはきっと私の個人的な後書きページですね。本書に後書きはないのでね。

 本を書いているときは、苦しくてしんどくて「とにかく終わってくれ」と思うことがしばしばなのに、本ができるとうれしくて仕方がない。一人でニヤニヤしています。

 本書がみなさんの素敵な生活のお役に立てれば、これほどうれしいことはありません。

 素敵、
 きれい、
 うれしい、
 しあわせ。
 
 そんなふうに思っていただけるものを、これからも作っていきます。

『ヨーロッパのDIYインテリア』
グラフィック社 A5判 144ページ
1600円+税
ISBN978-4-7661-2205-3

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 東京の歴史ある洋館といえば、岩崎邸。この立派な家が1896年にできた木造建築というのが驚き。ジョサイア・コンドルの設計で、重要文化財にも指定されている。

 室内も本当に立派。壁紙の唐紙や刺繍が施された天井など、素晴らしい。現代ではここまで手の込んだ建築は、きっともうできないんじゃないかなあ。

 この洋館には、実は日本家屋もつながっている。洋館の室内をルートに沿って見学すると自動的に日本家屋へと入るのだけど、入った途端にほっと落ち着いた自分にびっくり。
 日本にいても、自分の周りには純日本家屋の環境はないのに、やっぱり日本人のDNAが反応するのかな。洋館ももちろん素晴らしい。でも日本の美しさに改めて感動する。

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 現在発売中の、台所をテーマにしたムック『pippuri(ピップリ)』(辰巳出版)vol.2で、ベルリンのキッチンを取材しています。
 作業中の手元を照らすスポットライトや、流しの下に組み込んだゴミスペースなど、便利さと美しさを両立するためのアイディアがいっぱい。きっとこういうところから「ドイツは合理的」と言われるんだと思います。
 詳しくは書店店頭で、どうぞ。

 そしてさらに、お知らせです。
 今月10日に、私の新しい著書が発売になります。
 タイトルは『ヨーロッパのDIYインテリア』(グラフィック社)。前回同様、今回もコペンハーゲン在住の冨田千恵子さんと一緒に書きました。
 手作り大好き!なドイツ人とデンマーク人から、手作り家具やペイント術を教えてもらいました。プロセス写真つきで、作り方をわかりやすく解説してます。
 ただいまご予約を承り中です。全国の書店やネットでぜひご予約ください!

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 ドイツのクリスマスマーケットの雰囲気を味わうなら六本木! 六本木ヒルズでドイツ風クリスマスマーケットを開催中と聞いて、行ってきた。

 グリューヴァイン(ホットワイン)、カリーヴルスト(カレーソーセージ)、ドイツビール、ブレッツェル......ドイツのクリスマスマーケットに欠かせないものがたくさんある。これで炒りアーモンドもあると完璧なんだけど......あ、またしても私、食べ物のことばかり考えてた(詳しくは11月18日付のこのコーナーで)。

 でも、不思議というか、いやむしろ当然というか、ドイツの食べ物はドイツの方が断然おいしいんだよね〜。特にソーセージ。複数店で食べたけど、ドイツの味とは比べものにならない。
 日本はなんでもおいしいけど、ソーセージだけはドイツにはかなわない。そのくらい、もうおいしさが全然違う。
 グリューヴァインも、スパイスが控えめだった。日本だと、スパイシーな味になじみが薄いからかも。ビール(私は当然フランツィスカーナー)はおいしい。

 ただ、本場ドイツのマーケットは寒さにふるえながら歩くけど、ここならぬくぬく。快適そのもの。

 私としては、若い女性が多かったのがなんだかうれしかった。だって、ドイツのよさをもっと女性に広めたいからねえ。ドイツにも、かわいいものはあるのよ。ぜひ六本木ヒルズでドイツ体験を。

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