このたび、私の新刊『ヨーロッパのDIYインテリア』が、グラフィック社より発売になりました。
今回も前書『ヨーロッパのインテリアレッスン』と同様、コペンハーゲン在住の冨田千恵子さんとの共著です。
デンマーク人もドイツ人も、DIY(ドゥ・イット・ユアセルフ)が大好き。誰もが当たり前に家具づくりや修繕を行っています。だからアイディアも豊富。しかも日本とはひと味違う、ヨーロッパのセンスにあふれています。
そんなDIYの達人たちから、家具・小物づくり、リメイク術などをたくさん教わりました。初心者からちょっと慣れた人向けまで、いろいろなレベルの作品を、豊富なプロセス写真とともにご紹介しています。
そして、実は私も本書で自宅の壁塗りに初挑戦しました!
今年8月1日付けのこのコーナーで触れたとおり、私はずっと前から部屋の壁を一面だけブルーグレイに塗りたいと思っていたんです。そんなときに本書を作ることが決まりました。
千載一遇のチャンスとは、まさにこのこと。「それなら私も壁を塗る!」と、この企画に便乗し、ブルーグレイに塗ったのです。
私がローラーで壁塗りに奮闘している模様は、プロセス写真つきで本書でたっぷりご覧いただけます。
本書を書くにあたり、編集の方にお願いしたのが「どうしても前書きを書かせてほしい」ということでした。
というのは、前書『ヨーロッパのインテリアレッスン』では、台割上の点から前書きがなかったのです。そのときは私も気軽に「前書きがなくても......」と考えていましたが、前書の刊行後にそのことがずっと頭に引っかかっていました。
書店に行かれればわかるように、海外のインテリアの本はたくさん刊行されています。私が初めての本『ベルリンの大人の部屋』を上梓する以前から、各国の本がたくさん、たくさん出ています。だからこそ、私も本を書く機会をいただけたのです。
こうした海外インテリア本は、とにかく素敵なお部屋をみなさんに見ていただくことが第一目的です。だから、その本を誰が書いたか、というのは読者のみなさんにとって、さほど大切ではないと思うんです。
でも、私は自分の本では、ドイツ国内ならすべて自分で探して、自分の目で見て、自分でセレクトしたものをご紹介しています。もちろん原稿も自分で書いています。だから、本の主役はインテリアやDIY作品ですが、私の想いもみなさんに伝えたいと思いました。
それが、前書きです。
短いですが、読んでいただけたらうれしいです。
もちろん、本は一人だけでできるわけはありません。
前書に引き続き、本書でもグラフィック社には大変お世話になりました。編集者さんは、いつもよきアドバイザーであり、批評者であり、戦友のようでもあります。彼女なしでは、私はなにもできなかったと思います。
前書・本書の2作がきっかけとなり、グラフィック社に「ヨーロッパのインテリアシリーズ」が生まれたことを、とても光栄に思います。
そして、本書のタイル貼り企画に協力してくれた由理ちゃん。何から何まで本当にお世話になりました。心から、ありがとう。
......なんだか後書きのようになってしまいましたね。うん、これはきっと私の個人的な後書きページですね。本書に後書きはないのでね。
本を書いているときは、苦しくてしんどくて「とにかく終わってくれ」と思うことがしばしばなのに、本ができるとうれしくて仕方がない。一人でニヤニヤしています。
本書がみなさんの素敵な生活のお役に立てれば、これほどうれしいことはありません。
素敵、
きれい、
うれしい、
しあわせ。
そんなふうに思っていただけるものを、これからも作っていきます。
『ヨーロッパのDIYインテリア』
グラフィック社 A5判 144ページ
1600円+税
ISBN978-4-7661-2205-3
twitter:@kubomaga