2012年1月アーカイブ

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書店で、または電子版で!


 毎号『NHKテレビでドイツ語』で連載をしてきた「南ドイツの小さな町」も、最終回まであと1回。今月は久々に、南ドイツらしい、かわいくてロマンティックな町・バート・ヴィンプフェンに行ってきました。

 この取材は昨年秋にしたのですが、町のあまりのかわいさにテンションがあがりまくっていました。旅先でツイッターもしまくり、ブログにも町の名前は伏せて書いていましたが、それが今号のバート・ヴィンプフェンでした。

 この町も、この連載で紹介してきたほかの町同様に長い歴史があるのですが、それは置いておいて、純粋に散歩して、撮影して楽しい町です。角を曲がるたびにかわいい町並みが現れて......カメラ女子にはぜひとも行ってほしい!

 興味の対象は人それぞれですが、私が思うに、南ドイツの魅力はかわいくてロマンティックな町並みと、食べ物そしてワインだと思います。
 ま、食べ物はあくまでドイツ国内で比較しておいしいと思うのですが、町全体の愛らしい雰囲気は南ドイツならではのもの。実は私は北ドイツもとっても好きなのですが、それとはまた違う魅力です。

 昨年4月号から連載してきた中で、散歩して写真を撮るのが好きな人におすすめの町を3つ選ぶとしたら、7月号のゲンゲンバッハ、9月号のヴァインハイム、そして今号のバート・ヴィンプフェンです。

 カメラ女子のみなさん、もちろん男性も、ぜひ南ドイツのちいさな町を旅してください!

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せっかく庫内をお酢できれいに拭いたのに

 そもそも私が新居に越したのって、いつだったっけ? というくらいにあっという間に時間は過ぎていってしまった。
 そしてようやく3日前、懸案だった洗濯機と冷蔵庫が電源につながれて、ようやくこれで生活が回り始めると思った......ら......。

 冷蔵庫が冷えない。

 ひと晩経っても、ふた晩経っても、庫内が室温と変わらないというのはどういうことなの。外も中も特に異常は見られないけど、冷えないのは壊れた、ということか。
 「引っ越しで移動したあとは、電源を入れるまで1日ぐらい置いてからの方がいい」とアドバイスされていて、1日どころか10日間ぐらい置いてたんだけど。置きすぎたか。

 この冷蔵庫は6年以上前に中古で買った品なので、生産されてから10年以上経過している可能性も大いにある。前からわりと大きな雑音がしていたし、買い換えどきだったのかもしれない。

 仕方ない。新しい冷蔵庫を見に行こう。それまでは、生鮮食品は凍るのを覚悟で窓の外へ出しとくか。いっそのこと冷凍食品を買うべきか。

 生活の基本部分ができあがったと思ったのに、ちょっとだけやり直し。
 引っ越しは、3歩進んで2歩下がる。人生もまた同じ。ふー。

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抽出方法が幻想的な雰囲気

 ベルリンのコーヒーシーンも、この数年で本当にバリエーションが広がってきた。

 以前にも書いたけど、それまではエスプレッソ系しかなかったのが、この2〜3年でハンドドリップやフレンチプレス、エアロプレスなど、いろいろな抽出方法によるコーヒーを提供する店が増えてきた。日本式のアイスコーヒーも登場した(それまでドイツではコーヒーフロートしかなかった)。

 今度はサイフォンコーヒーを飲めるコーヒーショップが登場した。
 店の名はCHAPTER ONE COFFEE BERLIN。場所はクロイツベルク。シェーネベルクの人気コーヒーショップ「ダブルアイ」にいた二人が独立してオープンした店。

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お店もカッコいい

 サイフォンコーヒーは、元々ヨーロッパで発明された方式のようだけど、ドイツではほとんど見かけない。ベルリンでも私が見た限りでは、あと1軒ぐらいしかない。きれいなフラスコで淹れるから、ショー的な効果もあると思う。
 サイフォンのほか、ハンドドリップによるペーパーフィルターコーヒーもある。もちろんエスプレッソ系も。

 私はエスプレッソよりも、いわゆる「コーヒー」が好きなので、サイフォンを頼んでみた。豆はその時あった3種類の中から好きなものを選べた。

 でも見ていると、お客さんが注文するのはエスプレッソ系ばかり。ちょっと残念。
 これまで取材した多くのコーヒーショップが言うには、いわゆる「コーヒー」は、家庭のコーヒーメーカーで淹れたものを思い浮かべる人が多くてイメージがよくないんだとか。
 元々ドイツではコーヒーメーカーでコーヒーが飲まれていたところに、イタリアからエスプレッソが入ってきたから、みんなそっちのほうが上等、おしゃれ、みたいに思っているフシがある。

 もう何回も書いてきたけど、エスプレッソといわゆる「コーヒー」は違う飲み物だと思っている。私は気分によって選んでいる。どちらが上だとか、おいしいとかいうものではない。

 ちゃんとしたコーヒーショップで、いい豆できちんと淹れられたコーヒーはおいしい。どちらかというとエスプレッソよりも、「コーヒー」の方が好きな私は、もっとコーヒーのイメージが向上してほしいのだけど。

CHAPTER ONE COFFEE BERLIN
http://www.chapter-one-coffee.com/

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生徒さんたちが写っているので、写真をぼかして小さくしてみました

 ひょんなことで習うことになった中国ダンス。なんだかんだでもう1年半も続いているとは、自分でも驚き。中国ダンスはおろか、中国語も何もわからないのに。

 その発表会が日曜日に開かれた。ダンス教室発足2周年記念と、中国の新年(日本で言う旧正月、今年は23日から中国の新年が始まる)のお祝いを兼ねた催し。今年はちゃんとしたステージがあって、とっても本格的なイベントになった。
 私は上級者クラスの生徒さんに混じって、ひっそりと後ろの方で踊った。上級者のみなさんはやっぱり上手。ステージ慣れしている。一緒にステージで踊れて楽しかった。

 中国ダンスは、単純に楽しいから今まで続いているんだと思う。それに、生身の中国人と知り合ったり、中国の文化を肌で感じられるのも非常におもしろい。
 日本にいたときは、そんなチャンスはまったくなかったから。海外に住んでいると、日本では思いも寄らなかった出来事が起きるもんだなと思う。

 かといって、中国の文化が好きなのかというと、別にそういうわけではない。もちろん嫌いではないけど、どちらかというと部外者としてアウェーな状況を楽しんでいるっていうのが正しいかも。たまに疲れるけど。

 今回の発表会に当たっては、やっぱり私は中国人ではないんだな〜と実感することがあった。
 それは衣装。今回は、それぞれの踊りに合わせた衣装があった。それがなんていうか......赤・黒・金という色の組み合わせは、私の中ではあり得ないわけで。この衣装を初めて見たとき、ちょっと遠慮したいです、という気持ちになった、正直なところ。
 ところがいったん着てしまうと、私も一発で中国人に。これもまた不思議な経験だった。
 
 私が習っている中国ダンスは群舞なので、立ち位置によって振り付けが変わる。初心者のうちはみんな同じ振りだったから他人を真似るだけで済んだけど、だんだんそうもいかなくなってきた。このまま中国語がわからなければ、そのうち限界が来るかもしれない。

 ま、そのときはそのとき。中国語を習うのもアリだろうし(たぶんしないだろうが)、続けないかもしれない。
 どっちにしても、ベルリンというアウェーにいながら、中国人に囲まれるという二重のアウェーな状況を、楽しめるうちは存分に楽しみたい。

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特集は天然酵母のパン!

 引っ越しのドタバタはまったく収束していないけど、ひとまず仕事の告知を。

 月刊cafe-sweets vol.131(2月号)が、今月5日に発売になっています。
 今月号の「ベルリン カフェのインテリア」では、ひと手間加えたユーズド家具と自分で作ったDIY家具を組み合わせたカフェ「ヒュッテンパラスト」をご紹介しています。
 
 ユーズドとDIYは、ベルリンで非常によく見られる組み合わせ。ユーズド家具をペイントしたり、張り地を替えたりするのはお手のもの。そうやって自分仕様にすることで、全体のインテリアが調和するんだと思います。

 このカフェは、実はホテルに付随しているもの。そのホテルがまた超個性的。キャンピングカーに泊まったりできるので、特別な体験がしたい人にこのホテルはおすすめ。カフェは誰でも利用できます。

 続きは、ぜひcafe-sweetsでご覧くださいませ。全国の書店で発売中です。

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いつになったら料理を作れるのか...

 引っ越し当日は、力持ちの友人たちが助けてくれた。これまでの家から段ボールを運び出し、アパートの玄関ホールに並べる。そこへ借りていた運搬用大型車が到着し、荷物を新居へ。みんな非常に慣れていて実質3時間程度でスムーズに終わった。

 引っ越し業者さんに任せるという手も、もちろんある。でもベルリンでは、友人同士が互いに手伝い合うことが多い。とはいえ、私などは力もなく、荷造り能力にも欠けているので、人の役には立ちはしない。だから別の形でお礼をしないとね。
 本当に、友人に助けられることばかり。

 しかし、引っ越したものの、実は新居のキッチンはまだできていない。洗濯機もつながれていないので、洗濯もできない。そして、電話回線もまだ。暖房とお湯はかろうじて開通した。

 ということでしばらくの間は、寝るのは新居で、日中は前の家で仕事、という生活になりそう。そんな状態なのになんで引っ越したんだ、と言われそう。本当に、なんで引っ越したのかしら。

お引っ越し

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 年始にもったいぶって書いた、今月中旬にある個人的なイベント。それは引っ越し。

 このアパートに住んで6年、家賃は安く、立地はよく、ここから出ることはないだろうと思っていた。でもワンルームのアパートなので、仕事も食べるのも寝るのも、全部同じ部屋。寝室だけは別にほしいと前々から思っていた。
 とはいえ、物価が安いベルリンも徐々に家賃が上がってきている。私の稼ぎでは、ふた部屋あるアパートに住むのはまず無理とあきらめていた。

 そんなとき、今より広いアパートに安い家賃で入居できる話が訪れた。ベルリンの好きなエリアで、リビングのほかに夢の専用寝室がある。しかも小さな物置つき。
 心は揺れた。だけど、当然ながら部屋が増えれば家賃も上がる。いくら安いとはいえ、今の家賃よりは多く払わないといけない。

 フリーの身というのは、こういうときに勇気が出ない。明日はどうなるかわからないという危機感がいつもある。たとえ最初の3ヵ月は払えても、そのあと払えなくなるかもしれない。やっぱり今のアパートに留まるべきか......。

 悩みに悩んだ末、こんなチャンスはもう二度とないだろうと引っ越しを決意した。東京だったら、こんな広い部屋に一人で住むのは絶対に無理。ベルリンだからこそできる経験だと思った。

 そんなわけで、明日は引っ越し。
 荷造りが無能な私を見かねて、引っ越しのエキスパートである友人がまるで魔法のように私の雑多な荷物を梱包してくれた。

 このアパートを去るのはさびしい。ここは、私が生まれて初めて一人暮らしをした場所で、ここでたくさんのものを書いた。ベルリンに住んでいる半分以上の時間を、このアパートで過ごしたのだ。

 でも、この引っ越しはきっと新しいスタートだ。家賃を払っていけるように、仕事ももっとがんばろう。インテリアも考えよう。

 そんなわけで、お仕事のご用命はメールでお気軽にどうぞ。よろしくお願いします。

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特に冬場はキャンドルが欠かせない

 前から、北へ行くほど(北半球の場合)間接照明を好みキャンドルの使用頻度が高くなると思っていたけど、ローマでその印象がさらに強まった。

 ベルリンの家庭や飲食店では、間接照明やキャンドルを好む。特に冬場は、キャンドルが好んで使われる。白い蛍光灯を使うのはオフィスなどで、家庭ではまずない。

 ローマでは飲食店の照明がベルリンよりも明るいと感じたし、バール(前回のブログに書いたように、バールはコーヒーを飲む場所だけど、いわゆるカフェとは違う)では蛍光灯も使われていた。キャンドルはまったく見なかった。

 そう考えると、日本で蛍光灯照明が多いのも、キャンドルが少ないのもうなずける。ローマは北緯41度で青森と同じくらいらしい。

 だから無理に北の国の照明を真似しなくてもいいとは思う。だけど、照明一つでリラックスできる度合いがまったく違うのは、ベルリンに住んで実感していること。
 もし家でゆっくりくろぎたければ、間接照明やキャンドルを使うのがおすすめ。

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例外的にいわゆるカフェもあった。Pompiという店

 私はベルリンでずっとカフェ取材の仕事をやらせてもらっているので、旅行先でもカフェが気になる。当然ローマでも、いろいろなカフェに入りたいと思っていた。

 ところがローマでは、私が思うカフェ、つまり「座ってコーヒーやお茶が飲め、場合によってはケーキや軽食も食べられる店」というものはほとんど存在しなかった。
 いや、コーヒーを飲める店というのはある。BAR(バール)がそれ。比較的小さな店内に、サンドイッチやお菓子が並んだショーケースとカウンターがある。テーブル席がいくつか並んでいることもある。
 でも、椅子に座ってゆっくりコーヒーを飲む人はまずいない。お客さんはひっきりなしにやって来るものの、みんなカウンターでエスプレッソをパッと飲んでは、お店の人とちょろっと会話して、サッと引き上げる。

 イタリアでは(フランスでも)、カウンターでの立ち飲みと座席飲みでは値段が違う、お客はみんなカウンターで立ち飲みだと聞いていたので、あぁ、このことか、と思った。朝のバールは、日本の「富士そば」の光景とちょっと似ている。

 観光客の私は、終日歩きっぱなしなので疲れている。コーヒーも飲みたいけど、椅子にも座りたい。でも店内を見回しても、カウンターはあれど椅子はない。そんなことばかりで、非常に困った。

 そしてもうひとつ困ったのがトイレ。ローマのバールでは、私が入った限りではどこもトイレに便座がなかった。それが標準なんだろうか。

 そんなわけで、私がカフェ取材の仕事をできるのは、ベルリンに住んでいるからだと実感した旅行だった。 

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こういう鎧戸もベルリンにはない

 昨日からローマを旅行中。実はもう30年以上前、子どもの頃に来ているんだけど、当時と比べて観光名所はどこも混雑している気がする。完全予約制の博物館なんて、昔はなかったと思う。

 街を散歩していて思うのは、ベルリンに比べてアパートの建物が軽い印象がすること。外壁はやや薄いようだし、玄関のドアもベルリンの家のように全体重をかけなくても開く。
 やっぱりローマの方がだいぶ暖かいから、ベルリンのように防寒を考えなくてもいいんだろうか。

 建物だけでなくインテリアも気になるところだけど、知り合いでもいない限り一般宅を訪問するのは難しい。
 でもさっきテレビで、部屋をリノベーションして変身させる番組を見ていたら、あろうことか私は変身前のインテリアの方が好きだった......。

 インテリアにしろファッションにしろ、すべては個人の嗜好だから何が正しいとかはないけど、どうも私としては、住まいに関することはドイツの方が上手な気がする。心地よい住まい作りとか。

 じゃあイタリアは何が得意かというと、それはやっぱり食よね。これについては、ドイツはかなわない、絶対。

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ベルリン、元旦の夜


 新年あけましておめでとうございます。

 ベルリンの大晦日は、例年のようにみんなが上げる花火で大盛り上がり。火薬の臭いと煙と歓声に包まれていました。

 そして今日元旦はとても静か。マウアーパークの蚤の市は今日も開いていると聞いたのでちょっと見に行ってみたけど、やっぱり出店数は少なくてガラガラ。でもせっかくなので、かわいいお皿とカップを購入。なんだか自分らしい幕開けでした。

 私の今年は、1月中旬にある大きなイベント(?)でスタートです。それに向けてまずは準備。そのイベント達成のために、仕事もがんばりたいです。
 イベントといってもこれはまったくの個人的なことなのですが、それを仕事にもつなげていきたいなあと思っています。詳しくはまた後日に。

 では、本年もよろしくお願いします。

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